かせきさいだぁ
作詞家/ラッパー/ヒネモシスト/漫画家
誰にも頼まれずに執筆を続ける脱力系4コマ漫画「ハグトン」。
ハグトンの好物はカフェラテ(最近はソイラテ)だそう。

We love IKEA

2011.04.10
第3回

IIKEA。3回目です。春といえば新生活シーズン。
生活の環境を変えるタイミングで、 家の内装を変える。これほどの好タイミングはありません。まるで蝉の脱皮のように、新たに生まれ変わる瞬間なのです。そのあなたの脱皮を、IKEAはサポートしてくれます。


さて、部屋を変えるには相当なセンスが必要です。私も昔は半期に一度、部屋のモデルチェンジをしていました。私には計画性というものが微塵もないので、部屋の角に変な隙間が出来て困ったものです。そんな悩みをIKEA様は解消してくれるのです。


入口はいって2階すぐ。つまりIKEAの顔ともいうべき場所に鎮座するのが、モデルルームのコーナーです。 様々な家族体系によって、気分によって、部屋のデザインを提案してくれます。
まず最初に訪れたのはこちら!

まだ子供がいない、新婚カップルの部屋です。カーテン、照明、ソファ、テーブルからわかるように、全体的にホワイトを基調としています。
「さぁ、これから、私達の新婚生活、何色に染めようか?」そんな意気込みが、独身の私の心に突き刺さってきます。部屋をホワイトにする時は、七色のLED照明を購入しておくとおススメです。「歌コン」の愛称で知られる、NHK火曜よる8時の人気番組「NHK歌謡コンサート」。毎週NHKホールから生放送されているわけですが、セットは基本的にホワイトです。ホワイトのオブジェを赤くすれば、石川さゆり「天城越え」になり、ホワイトのオブジェを紫色にすれば、坂本冬美の「夜桜お七」になるのです。部屋をホワイトにして、あとはあなた色に染めて下さい。
やがて月日が過ぎ、子供が生まれると、部屋はこのように広くなり、快適空間になります。

家族向けのレイアウト。ブルーの壁が印象的です。まるでNHK「あさイチ」のセットのようです。やはり、椅子に座る空間と地べたに座る空間が両立しているのは憧れますね。
さぁ、この家の娘はどんな部屋に住んでいるのでしょうか?それがこちらです。

と、このようになります。
ピンクがまぶしいです。しかし、ソファやテーブルがホワイトを基調としているので、
風が吹くだけで心が変わるような思春期でも大丈夫そうです。

この家にはおばあちゃんもいます。
IKEA的和室の提案もあります。畳ですが、照明が日光のように明るいので、抹茶よりジャスミンティーが似合いそうです。
この和室の大きな特徴は収納。従来のタンスではなく、洋室にあるようなコーナーBOXが
木製になっているので、和室になっても全く違和感がありません。
通気性も良く、和室の概念を変えるものになっています。

押入れもこの通り。襖を取っ払っても、このくらい整理整頓できる収納機具があれば便利です。すべてIKEAの商品です。
そして、このフロアではあるシュミレーションをする事が出来ます。
照明の比較です。
まずは通常の白熱灯の部屋をご覧ください。

いわゆるどこにでもある一般家庭の照明です。普通に見えますが、なんとなく寒気がします。夫婦の会話もなく、子供と親の距離感があるように感じます。おじいちゃんやおばあちゃんの会話も無視。食事時は、食器の音しか聞こえてこないでしょう。
しかし、IKEA流の照明にすると、こうなります!

部屋が暖かくなったように感じます。夫婦はうるさいほど会話をしたい放題。
子供との意思の疎通も完ぺき。学校のテストで0点をとっても、この家庭の子供なら自信をもって答案用紙を親に見せるでしょう。
おじいちゃんやおばあちゃんとの会話も楽しいものです。おそらく「トイレの神様」でヒットした植村花菜さんのご自宅は、このような照明だったのではないかと推測されます。
この部屋の照明の魔法は、このドラえもんの鼻のようなボタンを押すと見る事が出来ます。

やがてこの家の子供達も恋をして、同棲をはじめるでしょう。
こんな部屋はいかがでしょうか?家を一見楳図かずおさんの家です。紅白歌合戦好きにはたまらないカーテンの柄です。

このように、様々なシチュエーションの部屋が提案されています。年齢によって変わりゆく部屋。その年に合った色、レイアウトを考えながら生きると、人生が楽しくなるかもしれません。
IKEAへ行き、それぞれの部屋を見て、住んでいるのはどんな人なのか?
どんな名前で、どんな表情か?そんな妄想を膨らませながら歩くと、
買い物をするだけではない、IKEAは非常に楽しい空間。テーマパークのようになるのではないでしょうか?
ちなみに、IKEAは、現在日本全国に5店舗ありますが、それぞれのコンセプトルームによって、テーマや家族のイメージが違うようです。世田谷など、一軒家が多くある港北店は、
落ち着いた家を。マンションなどが多い船橋は、若年層向けとなっています。
全店のシチュエーションを見比べてみると、その土地柄がわかり、面白いかもしれません。

プロフィール

寺坂直毅
1980年宮崎県生まれ。放送作家。
テレビ東京「やりすぎコージー」等担当。
家から徒歩圏内にデパートが何軒も乱立する環境で幼少期を過ごし、魅力に憑りつかれた為に日本全国のデパートを行脚した「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)を刊行。他にNHK紅白歌合戦の魅力に憑りつかれた為に、家でミニチュアで紅白のステージを再現する趣味を持つ。好きな女性は黒柳徹子。