ロックンロールニュース

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 TOKYO MOOD PUNKSでは2の線のギタリスト。グループ魂では敏腕プロデューサーとしても腕を振い、たくさんの作品を手がけてきた富澤タク a.k.a. 遅刻。だが、意外にも学生時代から続けていた「自身の音楽活動」としての作品は、今まで発表していなかったという。25年目にして初となる、自身が率いるロックバンドNumber The.の世界基準満載なデビューアルバム「1st」リリースにあたり、今までの音楽活動について振り返ってもらった(インタビュー当日も、もちろん遅刻。) ※聞き手がときどき妙に馴れ馴れしいのは大学の先輩後輩の仲であるためです。あしからず、ご了承くださいませ。 
聞き手:森末徹(ガンパウダー) 構成:宮崎恵(ガンパウダー)

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── 待望の1stアルバムおめでとうございます。

富澤 ホントにね。気持ち的には高校生のときから出そうと思っていたから。もう25年以上経ってしまいました。

── 初めて富澤さん見たときは、ウォーク・ディス・ウエイ/RUN D.M.C ※1)をやってましたよ。

富澤 ハハハハ! 他に、普通にロックバンドもやってたけど、パンクの次に来るべく音楽に飢えてたから。その時の気持ち的にはHIPHOPだったから。RUN D.M.C ※2)の直後にやってたから。スーパースターの靴ひも外してたりして。※3)

── ラッパーとしては、スチャダラパーや、ソウルセットより早かったかもしれませんね(笑)。

富澤 早すぎちゃったね。(笑)

── 当時は、「COR-SEZ」っていうバンドでイカ天 ※4)に、出ましたよね。

富澤 そうだねぇ。カリスマ的なバンドが出現しはじめて、新宿西口のロフトが一般の人たちに認知されはじめた時期というか。バンドブームの前夜だったね。あの頃はみんな出場してたよね。リリーさんも「リリQ」※5)でイカ天に出てたし。

── どうして出ることになったんですか?

富澤 「COR-SEZ」はトリオだったんだけど、1人が出たい、1人が出たくない。俺は、どっちでもよくて「まぁまぁ」って(笑)。出場する、しないで解散しそうになって。

── じゃあ、それがきっかけで、「COR-SEZ」は解散して……。

富澤 いやいや、してないよ。そのあとも、どうにか2〜3年は続けたよ。

── その後が「JHONNY GUITAR」? カッコイイと思ってましたよ、当時。

富澤 いや、「JHONNY GUITAR」がちょっと先なんだけどね。最初は大人数のバンドで6〜7人くらいいたんだけど、だんだん人がいなくなってきて、最後はトリオになってたなぁ。時期はかぶっていたんだけど「COR-SEZ」の方がイカ天に出てウァーって盛り上がってたからね。プロデビューの声かけてもらったり、当時はいろいろあったんだけど。……まぁ、若かったし、「俺らは、やりたいようにやる」って、偉そうに断ったりして。そのうち、80年代のバンドブームも去って、結局全然、作品、形に残してないっていう。(笑)

── 「COR-SEZ」でCD出していないんですか? 意外ですね。

富澤 そうなんだよね。そのあとも、色々なバンドから、ギター弾いてくれない? みたいな誘いは、スカパラのASA-CHANGとか、もう亡くなられてるけど、リモートの池田さんとか…、ちょちょこあったんだけど。でも、なんというか、1回バンドの熱も冷めて、全てをリセットして、1人で音楽活動をはじめてみようかと思って。……それが『NUMBER THE. 』の始まり。

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── 最初は一人だったんですか?

富澤 最初はひき語りだったんです。そのときに名前をどうしようと思って、実は最初『NUMBER NINE 』っていう名前で活動していて。まぁ、由来はビートルズの曲からなんだけど。そうしたら、のちに店とかブランドとか色々出てきて、名前がかぶってしまって。……まぁ、俺の方が早いんだけど。

── 早い、早いって、ビートルズですけどね。早いのは。(笑)

富澤 それで、間違った英語なら同じネーミングは出てこないだろうと思って、真ん中に「THE」を入れたんですよ。それで「NUMBER THE NINE」英語としては間違えているんだけど。間違えてるから、同じ名前が出てくるはずないし。

── まぁ、そうですね。

富澤 そこから俺のやりたいことをサポートしてもらう感じで、メンバーを1人ずつ増やしていって、バンドの形になっていきまして。でも今までのバンドとは違って「みんなでやっていこう」っていうよりは、俺発信のやりたいことを、みんなにサポートしてもらう感じで。依存心を1回捨てるというか。なんだろう。1人ユニット的な。コーネリアス ※6)じゃないけど、基本一人なんだけど。っていう。今じゃ、ガッツリ“バンド”ですけどね。

── これも、コーネリアスより早いわけですね。

富澤 やっちゃったねー。先に。だいたい先にやっちゃってるよね、早すぎるんだよね、俺。なんつって(笑)。

一同 (笑)

富澤 それで、90年代初頭に活動を始めたのと、少し前に影響を受けた、ニューウエイブやビートパンクからは脱却して、90年代的な音楽をやっていこうと思って「NINE」って付けたんだけど。いつのまにか90年代終が過ぎ去っていて。

── ……今、流れで話聞いたのに、一気に話飛ばしたね。15年位。

富澤 地球的タイム感 ※7)でやってるから、俺(笑)。90年代過ぎているのに「NINE」もないだろうということで削ぎ落として。それで「NUMBER THE. 」になったんだけど。

── 「THE. 」で終わるの座りがわるいような気がしますけど。

富澤 まわりからは寸止めみたいで気持ち悪いって言われたんですけど。だからこそでしょ。だからこそこれだと(笑)。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか!」という岡本太郎の言葉 ※8)じゃないですが、「THEが後ろにあってもいいじゃないか!」ってことで。まだ誰もやってないから。最後に「THE」をつけるの。

── あ〜、先にね。まだ誰もやってないから。

富澤 俺、i.Tunesに曲名入れるときに「The BEATLES」みたいに「THE」が頭についているバンドは、全部「The」に分類されちゃうでしょ。あれがイヤで、「The BEATLES」だったら「BEATLES The」って、名前を入れ替えてるんですよ。これは「The」のついてるバンドですよ。って分かるように。

── 意外と細かいんですねぇ。

富澤 そういうことがあっての「NUMBER THE.」なんですよ。まぁ、お尻に「The」を付けるにあたっては1つだけ「The The」※9)がいるんですけどね。

── そこには勝ててない(笑)。


デビューアルバム
『1st』
Number the.

LR2/Jab records
2,600円(税込)

 

収録曲
1. No.1
2. COME come COME
3. DUB-N' (do-yeh-bar-ee)
4. 夏ノ果テ
5. スイム
6. BLACK TEA
7. STARTED
8. ドライヴ
9. JAP-ROC
10. END OF THE WORLD
11. STONE
12. 鎮魂歌 Requiem

 



※1)ウォーク・ディス・ウエイ
エアロスミスのヒット曲を RUN D.M.C がカバーして大ヒットした。

 

 

※2)RUN D.M.C
ヒップホップ・シーンにおいて黎明期より活躍し、その普及に貢献した。

 

 

※3)スーパースターの靴ひも外して
当時彼らが着用したアディダスのスニーカー、スーパースターの靴ヒモを外して着用するのがやたらに流行っていた。

 

 

※4)イカ天
1989年より放送された深夜番組「三宅裕司のいかすバンド天国」のこと。同年の新語・流行語大賞の流行語部門・大衆賞を受賞するほどの人気番組だった。

 

 

※5)リリQ
リリー・フランキーの学生時代のバンド。

 

 

※6)コーネリアス
CORNELIUS名義でミュージシャン活動を行っている小山田 圭吾 さんのこと。「一人ユニット」の先駆け的存在。

 

 

※7)地球的タイム感
超マイペースの事。さすがa.k.a.遅刻さん!

 

 

※8)岡本太郎の名言
他にもたくさんあるが、「芸術は爆発だ」 は、あまりにも有名。

 

 

※9)「The The」
イギリスのバンド。

 

 


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── 現在もさまざまな音楽活動をされていますが『グループ魂』はどういった経緯で?

富澤 自分の中で決めていたことがあって、30歳までは自分のバンドで、わがままして、借金して、周りの人に迷惑かけても、好きな音楽を好きなようにやらせてもらう。でも、30歳を過ぎても、好きな音楽を続けるなら「仕事」としてもやっていかないと。という心つもりでいまして。そういう風に気持ちを切り替えたら、なぜか、その頃から音楽の仕事が入ってきたんですよね。その中の1つに「BOYS TIME」っていう宮本亜門さん演出のロックミュージカルがあったんです。

── え? 出演ですか?

富澤 違いますよ(笑)舞台上で生演奏するバンドで。それで、その舞台を長坂さん(大人計画社長)が見に来ていて、宮藤くん(宮藤官九郎)が次の舞台で、ロックバンドを入れてやろうと思っていたらしく、声をかけてくれて。それで、その舞台が終わった後、実は大人計画で「グループ魂」っていうバンドもやっていて、全員役者だから、音楽的にまとめてくれる人を捜していたらしく、そういう話をもらって。でもその頃、自分としてはレイヴ系や、ノーザンソウルみたいな黒人音楽に傾倒していて。「グループ魂」的なビートパンクは俺の中で1回納めていた音楽だったのね。そういう時期だったというか。

── 学生時代、80年代の終わりの。1度通ってきた道ですよね。

富澤 だから、正直、自分の中の流れ的には、迷いはあったんだけど、ムリだったら辞めればいいかなと、軽い気持ちで始めて。でも、いざ入ってみたら、音楽の現場と全っ然、違う「発想」「やり方」に、すごい刺激と視野の広がりかあって。自分がどれだけ狭い視野でやっていたんだっていうショックと、これをどうやってまとめていったらいいのか、っていう葛藤もあったり。現場で人知れず、すごい悩んだりもしたけど、それよりも「面白い!」というのが先にたって。

── 前にスチャダラパーと港カヲルさんの対談を取材 ※10)したときも、スチャダラパーが同じこと言ってました。聞く側にもその新鮮さが伝わってきます。

富澤 たぶん、スチャダラパーもそう感じたと思うし、おそらくグループ魂の本職が役者の人たちも、音楽専門の人たちに対して何かしら感じていることもあると思うし。お互い様だとは思うんだけどね。

── 逆にミュージシャンが役者をやる場合もありますよね。偶然ドラマに出ているの見ましたよ。ビジュアル系のバンドマン役。

富澤 あれは役者をやったとは言えないけど「マンハッタンラブストーリー」※11)でしょ。あの時は、ドラマの主題歌で「ラブラブ ♥ マンハッタン」っていうTOKIOの曲を作らせてもらった流れで。劇中で、ビジュアル系の人気バンドがライブをやるシーンがあって、その曲も書くことになって、ついでにバンドの演技指導的なことをすることになって。「どうせ現場に来るなら、立っているだけでいいので出てもらえませんか」……と言われて。まぁ、ここまで関ったのなら、それくらい協力したいと思って当日現場に行ったら、ゴッツイ衣装が用意されていて。エナメルのポリス帽子に、長髪のウイッグに、ギンギンのジョッパーズパンツに膝までのブーツ。上半身だけ見たらミニスカポリスでしたよ。

一同 爆笑

富澤 それを見たプロデューサーが「富澤さん、面白過ぎるんで、一言しゃべってください」って言い出して、他の役者さんが言うはずだったセリフを振り当てられて。

── ビィジュアル系をなめんなよ! っていう。

富澤 それが不思議なもんでねー。居心地の悪さを感じながらも「まぁ、いっか」みたいな気分になっちゃって。しかも、なぜか緊張するとなまるんですよね。不思議な田舎のイントネーションがでちゃいましてね。

── 普段訛ってるの聞いたことないですけど。……まぁ、そんなこんなで「NUMBER THE.」のアルバムを作るどころじゃなかったと。

富澤 いやいやいや。

── 「TOKYO MOOD PUNKS」※12)はどうなんですか?

富澤 リリーさんとは大学時代から先輩、後輩の付き合いがあって、当時からバンドはやろうっていう話はあったんだけどね。卒業してからも、何年かに一度、定期的に合う機会があって、突然、イベントでギター弾いてくれ。とか、監督したショートフィルム ※13)のMAやってるから、とりあえず明日、音を付けに来てくれ。とか、そういう電話が突然かかってきたりして。だから「グループ魂」に入るより前から、「TOKYO MOOD PUNKS」の伏線はあったんですよ。ただ、リリーさんも俺もこういう性格だから、どっちも具体的には動かないで、夢をみたまま時間だけ過ぎていくっていう。

── タイプは違うかもしれないですけど、お互い似てるところはありますよね。a.k.a遅刻っていう位だし。(笑)

富澤 どうかな〜? 似てるかはわからないけどね。まぁ、そんなで、リリーさんも仕事がバタバタそうだし、俺もそれを実現化するまで力を注ぐ余裕もなくて、お互いにけん制していたんですけど、そのうちなんとなくタイミングがあったところで「TOKYO MOOD PUNKS」の活動がはじまって。……それも、もう3年たつのか。早いな〜。

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── ところで、ギターを始めたのは何歳くらいなんですか?

富澤 ギターは小学校6年生位から。ビートルズとか、チープトリックとか、当時はやっていた洋楽を聴きながらやってましたね。当時は情報もそんなになくて大変でしたよ。あとは日本のロック御三家「char」「世良公則」「原田真二」に、どっぷり浸かって。……って、あれ? 話戻ったね。時間軸にそって進まないな。

── いやぁ、なんであんなにギター上手いのかと思ってさ。昔はギター上手かったよね。今でも上手いと思っていますけど。

富澤 そう? 俺、自分で言うのもなんだけど、高校生くらいまではアカデミックなギター ※15)が好きだったから、めちゃめちゃ練習してテクニック系の人だったんですよ(笑)。でも大学生の頃に、今まで目指してきたプロ指向とか、技術があること自体がカッコ悪いっていう時代になって、最初は理解できなかったんだけど、その後、パンク・ニューウエイブに魅了されてどっぷり浸かった感じですね。

── 今で言うオルタナティブな。

富澤 そうそう。いい意味で言う「下手さ」に魅力を感じるようになってきて、俺のギター技術もそのまま横ばい(笑)。グループ魂に入ってからは、よりいっそうその感覚が大事っていうか。グループ魂はいまだに、いい意味でアマチュアリズムをすごい持っている人たちだから。……これ、あんまり言うのは失礼かもしれないけど「メイクアップ」=綺麗にする。の反対の意味で「メイクダウン」っていうのがあるでしょ、その意味で「プレイダウン」※14)っていうのを発明したんですよ。自分的に。

── 「服を着くずす=ドレスダウン」みたいな?

富澤 そう。音楽によっては洗練されて器用にギターを演奏してしまうとつまらないというか、音楽のイメージに合わなくなっちゃうのね。で、

 

1.練習をしすぎない。

2.曲を憶えすぎない。

3.空いている時間はなるべくお酒を飲んでみたりする。

 

ということをすると、意外にいい感じに荒削りなギターが弾けるという。技術やスキルに頼らない、感覚先行のプレイが生まれやすいというか。でも、あんまりやりすぎると仕事こなくなっちゃいますけど。そのへんはバランスとって(笑)。

※10)スチャダラパーと港カヲルさんの対談を取材
その模様は、当サイトの特集「港カヲル・スチャダラパー インタビュー」を参照のこと。

 

 

※11)「マンハッタンラブストーリー」
2003年に放送されたドラマ。#6「F・G 少年レントゲン」の回に、バンド「少年レントゲン」ギタリスト役でに出演している。見逃した人はチェキラ!

 

 

※12)TOKYO MOOD PUNKS
こちらも地球的タイム感で活動中! そろそろ次の動きがありそうですよ!?

 

 

※13)自分が監督したショートフィルム
グラビア写真誌「月刊」シリーズの撮影と完全連動したイメージDVD。ショートムービー「赫い花の女」のこと。

 

 

※14)「プレイダウン」
ギターを初期衝動にまかせ、荒削りのままに弾くことらしい。富澤タクa.k.a遅刻が発明した造語である。

 

 

※15)アカデミックなギター
クロスオーバー、フュージョン、ヘビメタも聞き込んでいたとか。

 

 

 

 

 

 

 

富澤1九84
漫画:下馬エシャロット
本当に、こんなことばっかり言っていたそうです ♡

 

 

 

 

 

 

 

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NUMBER THE.のロゴがデザインされたブラックの渋いTシャツに富澤タクさんのサインを入れて2名様にプレゼント!サイズはXSのみになります。〆切は8月20日(木)です。当選者にはメールにてご連絡さし上げます。上記の応募フォームをクリック↑

 

 


インタビューの感想、ロックンロールニュースへのお便りは コチラから。

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── 今回の取材のために、今、i potには「1st」しか入ってませんから! パソコンが調子悪いっていう、諸事情があるんだけど(笑)。

富澤 なんだよ〜、それ。でも、うれしいな〜。ホントに?

── 本当です(笑)。それで、ヘッドフォンで聞いているんですが、オープニングのインストで始まるところとか、オルガンの入る感じとかプリズナーズ ※16)的な匂いがするんですけど。ギターの音はスティービー・レイボーン ※17)に聞こえるんですよね。フェンダーのシングルコイルのカッコイイ音がしてる。だからストラトを使っているのかと思ったんだけど。

富澤 スゴイ!(笑)耳いいね! あんまり意識はしていなかったんだけど、ギターのソロはそうかも。あのね、1曲目なんかは、ソロだけ、ストラトのフロントで弾いてて。しかもスティービー・レイボーンが使ってた、同タイプのフェンダーのアンプ使ってる。ブルースは一時好きでよく聴いてたし。そういう風に踏み込んで聴いてもらえるのうれしいな。

── 収録されている曲の中には、昔の曲も入っているんですか?

富澤 あるある。新しいのもあるし、M-4,5,7,8,10あたりは昔からの曲だし。今思う1番いい曲を選んだっていう感じで。でも、歌ものは難しいね。曲は一度作ってしまえば割とすぐ落ち着くんだけど。歌詞は作った瞬間、ピタっとはまるのもあるんだけど、概ねは定着するまで時間がかかるっていうか、なかなか落ち着かないっていうか。

── 出さなかったから落ち着かなかったっていうのはあるんじゃないですか? 発表してしまえば定着せざるをえない所もあるでしょう。昔の楽曲を録音するにあたって、大幅な手直しとかは?

富澤 やっぱり、「今」やるんだから。というところで、特に歌詞はずいぶん手直しはしたよ。さすがにレイドバック ※18)された音を深くやられてもね。俺らみたいな世代がそのままやってると、ホントにリアル過ぎるんじゃないかと思って。ツェッペリン好きなオッサンが、ツェッペリン最高だ〜!っていうのをそのままやってもねぇ。ついていけないでしょ。そういうのがいい場合もあるとは思うんだけど、やっぱり自分の作品を作るからには「今やる意味」が欲しくなる。……プロコムハルムを意識した曲もありますけどね。でもこのバンドでの自分たちなりの落としどころはさぐりながら。

── 個人的にはそういうわかりやすいアプローチも好きなんですけどね。あと、途中に突然インストがはさまるのは?

富澤 突然に聞こえる? それはですね。志だけなんだけどゆくゆく海外でも出したいと思っていまして。それはできなくても、曲を面白がってくれた人が、歌はわかりずらくても、インストだけでも海外へ渡ったらいいなと思って。一応、世界基準 ※19)っていうことで、呼ばれたらどこへでもいきます。インスト4曲だけ引っ提げて(笑)。

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一同 爆笑

富澤 世界基準といえば、この歌詞カードが、日本語と、英語と、ローマ字の3種類 ※20)で歌詞が書いてあって。

── それ、気がつきました。日本語表記部分は、英語が全部カナになっていますよね。英語で「it's an end of the world」の部分が→日本語で「イッツァン エンド オブ ザ ワールド」→ローマ字で「ittu an endo obu za waarudo」コレ、しつこくないですか?

富澤 さすがに、ローマ字まで3種類載っけている人はなかなかいないでしょう。これならば、たとえ意味が分からなくてもローマ字で歌ってもらえるんじゃないかと想定して。誰に向けてやっているんだっていう部分はありますけど。

── 歌ってもらいたい?

富澤 う〜ん。一歩踏み込んで、味わってもらいたい。っていう感じかな。

── 今後、この方式は「NUMBER THE. 式」※21)ということになりますね。

富澤 そう。だから、今後ローマ字で歌詞カード作っている人見たら ※21)「あ、これ、NUMBER THE. のマネでしょ」って言っておいて(笑)。

── また、先にやっちゃいましたね。(笑)

富澤 最後にちょっとしめっぽい話になっちゃうけど最後の「鎮魂歌」(レクイエム)って曲は、フォーマットはあったんだけど、ホント録音がゴリゴリで徹夜の連続で作りまして。満身創痍の疲労感の中、バンドの音の録音が終わりまして、メンバーが帰ってからひとりぼっちになって、この自分の20年と、ナンバーザの16年、このメンバーになってからの10年、直前に亡くなられた忌野清志郎さんのこと、このアルバムのレコーディングに関ってくれたスタッフやみんなのことを思い描きまして、そんで、万感の思いを込めてアドリブを弾きまして、そうしたら、意外にそれの方が評判がよかったりしまして(笑)。

── 亡くなったと言えば、マイケルジャクソンもですけど、その影に隠れて、ファラ・フォーセット・メジャース ※23)も亡くなられてるんですよね。

富澤 そう。初代チャーリーズエンジェルね。最初に意識した金髪女性だったなー。キレイだったよなー。

── そんなファラ・フォーセットの魂も鎮める位、気持ちの入ったアドリブって感じですか?

富澤 いや、その時点ではまだ死んでなかったよ。ファラ・フォーセット。

※16)プリズナース
のちにジェイムズ・テイラー・カルテットを結成するジェイムズ・テイラーがオルガン奏者として在籍したイギリスのネオモッズ・バンド。荒々しく疾走するサウンドは、ガレージ・パンクに通ずるスピード感、荒っぽさが魅力。

 

※17)スティービー・レイ・ボーン
アメリカのブルースギタリスト。その演奏スタイルは、エレクトリック・ブルースの1つの頂点と考えられており、後進の音楽家に巨大な影響を与え続けている。

 

※18)レイド・バック
意味は「くつろいだ」「気楽な」くらいのニュアンス。「ロックで言うレイドバックは仏教で言う悟りだ」と言ったのは、みうらじゅんさん。

 

※19)世界基準
インストで世界を目指しています。

 

※20)日本語と、英語と、ローマ字の3種類
歌詞カードを要チェック!!

 

※21)NUMBER THE. 式
意味はわからずとも、なんとなく味わってほしい。という意図から生まれた方式らしい。

 

※22)「あ、これ、NUMBER THE. のマネでしょ」
今後ローマ字で歌詞カード作っている人見たら言いましょう。

 

※23)ファラ・フォーセット・メジャース
TV『チャーリーズ・エンジェル』の初代エンジェル。2009年6月25日永眠。ご冥福をお祈りします。

 

 

 

Number the.
(ナンバーザ)

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Vo&G/ 富澤タク
Dr/外村公敏
Bass/松澤登
Key/七瀬ミチル

93年頃「Number the 9」結成。紆余曲折、メンバーチェンジを経て99年頃から「Number the.」として再スタート。 世界基準、地球的タイム感で恐ろしいほどマイペースに活動していたが、ついに本格始動開始!音楽リスナーを瞬く間に虜にしてしまう等身大で奥深い歌詞、バンド独特のグルーヴ感とメロディ!ついに「Number the.」のリプレイのスイッチが押される!

オフィシャルWEBサイト
http://www.t1ss.net

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Number the.
16年目プチツアー

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■09年8月26日(水)
新宿LOFT
OPEN 18:00/START 18:30
ADV¥2,300・通券 ¥4000/DOOR¥2,800
NUMBER THE/Prague/HaKU/真空ホロウ/カルマセーキ
ぴあ【330-030 】
ローソン【79365】LOFT 7/4〜

■09年8月29日(土)
UTSUNOMIYA LIVEHOUSE KENT
Tel:0286-350-011

■09年9月10日(木)
OSAKA 2nd LINE
OPEN 18:00/START 18:30 ADV¥2,500/DOOR¥3,000
w/BUGY CRAXONE/アルカラ
Tel:06-6453-1985
ぴあ【332-937 】
ローソン【54052 】
2nd Webサイト

■09年9月19日(土)
SHIBUYA CHELSEA HOTEL
Tel:03-3770-1567
チェルシーホテルWebサイト

『リッケンバッカー』フリーーートーーーク!!!!!!!!!!

 今回取材をするにあたって、100本ほど所有するというギター・コレクションを取材したかったのですが、すでに『ギター・マガジン』での掲載されているとのことで、断念。残念がるRRN編集部のために、所有する "リッケンバッカー"のコレクションを持ってきてくれました! ギターバカ2人によるかなりくだけたトークです。

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富澤 テーマが無いととりとめがないと思ったんで、"リッケン" ばっか持ってきたんだよね。家にある "リッケン" はこれで全部かな。

──  でも、ステージではあまり見かけない様な……

富澤:音がガンコだからね、曲に合わせてギターを代える贅沢な使い方が出来ればいいんだけど、バックステージとかローディが大変な事になっちゃうから。

──  使わないのに6本も!?

富澤 レコーディングでは結構使うよ。コレ ③ なんかムーパンのレコーディングに持っていって、2〜3本重ねて録ってるんだけど1本はコレで。ちゃんと使ってるよ。

──  ポール・ウエラーが所有してたっていうヤツ!?

富澤 一応証明書と載ってる雑誌の切り抜きも持っては来たんだけど。

──  (資料を見ながら)ああ、本当だ、この貼ってある手作り感がポールっぽい。セーターにビニール・テープで矢印貼っちゃう位だし。ピックアップとかスイッチ類が変わってるね。重要なのは、誰が変えたかだよね、

富澤 今度ポール・ウエラーに聞いてみないと。

──  そういえばエドガー・ジョーンズと対談してたでしょ。

富澤 そうそう、もう勝手に友達と思っちゃってるけど。

──  コレ ① は12弦なんだ。

富澤 コレ ② はピート・タウンジェント・モデル。サウンド・ホールが "fホール" になってる。コッチ ④ はギター・マガジンに載っちゃったんだけど、この中じゃ1番古くて高いんだよ。コレもこないだ使ったな。

──  コレ ⑤ はイイ色ですねー。渋い感じだけど実際見るとカッコイイ! 見かけも重要ですよね、ギターって。

富澤 コレ ⑥ も出音はイイんだよ。

──  見事に330オンリーですね、他にもあるでしょう!

富澤 俺はコレが好きなんだよ!  モノとしては "リッケン" が一番好きかな〜ギターの中で。

──  形がイイもんね。 "リッケン330" ばかりいっぺんに並ぶと迫力ありますね。

富澤 "リッケン・バッカー" だけに"リッケンばっか" 持ってきた "リッケン・バカ" っていうことで。

── :もしかして、それが言いたかっただけ…………。 



♦ リッケン・バッカー/Rickenbacker  ハンドメイドにこだわるアメリカ、カリフォルニアの楽器メーカー。主にエレクトリックギター/ベースを主力製品として、アコースティックギター、弦、ストラップなどを製造している。
♦ ポール・ウエラー/Paul Weller:イギリスのミュージシャン。1977年The Jamのボーカル/ギターでデビュー。以後スタイル・カウンシル〜ソロへ。現在も活躍中。
♦ エドガー・ジョーンズ/Edgar Jones:90年代、イギリスのロック・バンド、ステアーズのベーシスト/ヴォーカルとしてシーンに登場。バンド解散後は自身のバンド、ジョーンゼズを率いて活動。ポール・ウエラーのバンドメンバーとしても来日している。
♦ OPENERSでの対談:エドガー・ジョーンズ × 富澤タクa.k.a 遅刻『ロック一夜』 対談
♦ ピート・タウンゼント/Pete Townshend:イギリスのバンドThe Whoのギタリスト。1965年1月、「アイ・キャント・エクスプレイン」デビュー。ギターを壊すパフォーマンスや腕をぐるぐる回すウインドミル奏法等で有名。先日The Whoにて初の単独来日が実現。
♦ 330:リッケン・バッカーのギターの型番。ポール・ウエラー、ピート・タウンゼント等が愛用。ビートルズのジョン・レノンが愛用したモデルは325。