ロックンロールニュース

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 身体障害者のセクシュアリティの問題について、タブーとされている風潮があるように感じ、昔からすごく気になっていた。というリリー・フランキー。そんな実態を知ってもらうきっかけを作りたいと「懸賞コンテスト」を開催することになったNPO法人ノアール代表の熊篠慶彦さん。日本の性に革命を起こすべくをモットーに日々精を出している株式会社TENGA松浦隆氏。聞き手にプロインタビュアー吉田豪氏を迎え、「障害者の性」を真面目に語っていただきました。
聞き手:吉田豪 写真/構成:ロックンロールニュース編集部

リリー  いまおいくつなんですか?

熊篠 39歳です。今年40歳です。人間の年齢に直すともう60歳近いんですけど。

── 拾いにくいギャグですねえ……。

熊篠 いや、真面目な話、僕は脳性マヒなんですけど、リラックスしてるつもりでもあちこち力が入ってるんで、首とかいまもヘルニアだし老化が早いんですよ。

リリー でも、肌きれいですよね。

熊篠 顔だけ脂ぎってる感じです。

リリー 顔はツルツルだよ。

熊篠 ほかはカッサカサなんですけど。

リリー 逆じゃなくてよかったね、体が脂ぎってて顔ガサガサじゃなくて(笑)。一昨年かな? 『アダルト・トレジャー・エキスポ』※1)っていうイベントの会場で、このノアールが紹介されてて、それですごく気になっていて。そのとき一口いくらで協賛するみたいなのがあったんだけど、お金のことよりもなんか自分で手足動かしてできることはないかなって考えてたんで、ちょうどよかった。嬉しいです。

熊篠 いや、僕もホントありがたいです!

リリー ノアールのキャラクターも描かないとね。肌がきれいなキャラクターを。

熊篠 もうテッカテカにしてください(笑)。

リリー 障害者に関することで、昔から俺がすごく気になってることがあってね。それは肉体の障害の人に限らず、精神的な障害を持ってる人とかって、たとえばドラマとかの中だと、車椅子に乗ってる人はすぐ絵を描くとか、知的障害の人がピュアだったりするけど、そんなのあるわけないじゃないですか。

熊篠 しかも、みんなストイックで(笑)。

── 性的な部分は、まず描いてないですよね。

リリー だから、そこはないものにしてるっていうことが当たり前になっちゃってるでしょ。昔、NHKのドラマで……。

熊篠 はいはい。鶴田浩二が息子をソープに連れて行くやつですよね。

リリー あれぐらいですかね、そういうことがちょっとでも匂うようなものは。

熊篠 地上波だとたぶんそれぐらいですね。いまでも語り草になってるっていうか、「あのNHKがよくやった」みたいな話になってます。

リリー 俺の友達で、最初はイベントに来るお客さんだったんですけど、たまたま俺の友達の弟みたいな感じで、そいつも車椅子なんですよ。で、ソープ狂いなの。すぐ家の金を持ってソープに行きすぎて、兄貴にグーで殴られたりとかしてて(笑)。でも、それってべつに車椅子がどうこうに限らず、みんなあることじゃないですか、ヤリたい盛りのときじゃなくても。そういうのがなしになってるから、たとえば物語に障害者の人が出てくるにしても全然リアルじゃないんですよね。そこに腹が立つっていうか、嫌な気分がするんですよね。製作者の知能を疑うっていうか……。

熊篠 ああ、わかります。

リリー 前に知的障害がある人の病院で絵を教えたことがあるんですけど、お医者さんに患者さんが描いた絵を見せてもらって。まあ、だいたいヘタクソな絵なんですよ。普通に入院してる人の絵だし、絵がうまくて集まってる人の絵じゃないから。でも、その医者は「いいでしょ、こういう人たちの描く絵は」って言うんですよ。

── ああ、アウトサイダー・アートみたいな扱いで。

リリー そう。もうみんながヘンリー・ダーガー ※2)だと思ってるところがあって、医者がこんな感覚だったらダメだなっていうか。まあ、その中でもうまい人もいればヘタな人もいるし、性格だってホントに嫌なヤツもいっぱいいるじゃないですか。それだけのことなのに。で、その中でも性のことはホントにないものにされてるから、ノアールがやってることはすごくいい活動だなと思ったんですよ。

熊篠 知的障害だと、施設なんかで一応部屋が男女別になってたりするんですけど、どっかで落ち合ってハメ外しちゃって妊娠して、気がついたら堕せない時期に入ってて、結局生んで男のほうの親の養子に入れちゃうとかっていう話はたまに聞くんですよ。

リリー そういう話が漫画になるのって、『実話ナックルズ』※3)の別冊とかぐらいじゃないですか。

熊篠 都市伝説的な感じで(笑)。

リリー 絶対ありますよね。

熊篠 あります。でも、それはあんまりメディアは伝えないですよね。

リリー 知的障害の人は性欲に剥き身になるし。身体障害がある人の性のこととかを、たとえば乙武君なんかは聞かれたら普通にしゃべるっていうだけで、そこは聞かない人がほとんどでしょ。

熊篠 乙武君※4)は前に昼の時間帯でラブホテルがどうのこうのって言ってましたね。

── 車椅子だとラブホは入りづらいとか、よく言ってますね。

熊篠 そう、入りづらいんですよ!

リリー でも、乙武君は結婚もしたし、セックスをするためにラブホテルに行くっていうのは健常者でも彼女がいるとかじゃないとできない部分でしょ。それよりも、やっぱりシコるっていう部分とかオナニーとか、そういうことをちゃんと話さないと。まあ、健常者の世界でも俺とみうらさんぐらいしか、そんなのいちいち言わないんだけど(笑)。

熊篠 乙武君はたぶん生まれついて手足がないから、それなりにきっと工夫をして、座布団にこすりつけたりとか、いろいろ工夫はしてるはずなんですよ。

リリー 熊篠君の場合、症状はどんどん進んでくわけですか?

熊篠 僕は微妙に進んでますね。

リリー じゃあ手でシコれてる時期とかはあったんですか?

熊篠 あ、いまもシコれてますよ。

リリー どういう感じでシコるんですか?

熊篠 バックハンドストロークですね、TENGAを使わないときは……(と、実演してみせる)。

リリー ああ、やり慣れてる感じだ(笑)。

熊篠 ここのフニャフニャを活かして。手刀のところがちょうど亀頭に当たるんですけど、そこの柔らかさはかなり定評があるんですよ。女の子が触っても「気持ちいい!」って。

リリー ちょっと触らせてください。

熊篠 どうぞ。

リリー (触って)あ、ヤベえ!

熊篠 ここ、案外いいんですよ(笑)。TENGAに関しては、僕はエッグのほうが使いやすいですね。重さがないぶん助かるんですよ。

リリー 俺、まだ使ってないんですよ。でも、確かに重いTENGAはしんどそうですよね。特にUS TENGAはデカいし。

熊篠 あ、USはやりやすいです。長いし、引っ掛かる部分が大きくなるんで。

リリー で、USは中も気持ちいいしね。全部このUSの中のほうがいいよね。

熊篠 USいいんですけど、売れないらしいですよ。

リリー それはやっぱり、日本人の男のチンポの小ささをかなり刺激してますよ。USって書いた時点で、「もう敵わへん」みたいなのあるじゃないですか。そうじゃないんですよ、中が違うってことが大きいのにね、デカさよりも。まあ、俺なんかチンポがデカくてイジメに遭ってたぐらいですからUSのほうがいいんですけどね。

熊篠 リリーさんはそんなにデカいんですか?

リリー 常に言ってるんですよ。よくオッパイが大きくてイジメに遭ったみたいな子がいると、「俺も気持ちがわかる!」って。ずっとチンポを「デカいから、何か入れてるはずだ」とか言われて、子供の頃からイジメに遭って。

── 体育の授業サボるぐらいの(笑)。

リリー 走って揺れるとか、痛いとかでね(笑)。

※1)アダルト・トレジャー・エキスポ:アジアで初めて開催された、アダルト産業の巨大博覧会。通称ATE。
※2)ヘンリー・ダーガー:自分の妄想・願望を作品として書き続けた作家。死後に作品が発見され、アウトサイダー・アートとして評価されるようになった。
※3)実話ナックルズ:政治経済、アウトロー、芸能スキャンダル、性風俗のほか、格闘技、アングラヒップホップ、オカルトなどのサブカルチャーも扱う実話誌。
※4)乙武君:乙武洋匡氏。障害者としての生活体験をつづった『五体不満足』を執筆。現在は教諭、スポーツライターなどで活躍。

熊篠 僕、だんだんヒジが曲がってきたり手首が曲がってきたりとかしてるから、TENGAを使うときは専用のストラップ着けたりとかしてるんですけどね。子供の頃はヒジもちゃんと伸びてて、手首も全部伸びて杖が持ててたんで歩けてたんですよ。いまでも杖がちゃんと握れれば、短い距離ならなんとか歩けるんですけど、いまはしょうがなく車椅子で。

リリー 短い距離っていうのはどれぐらいなんですか?

熊篠 いまだったら、たぶん20メートルぐらいが限界ですかね。部屋の中も車椅子で、手が伸びてれば四つんばいができるんですけど、ヒジが伸びないんで四つんばいにもなりづらいんです。だから正常位が大変で(笑)。

リリー まあ、40歳になったら正常位より騎乗位のほうがいいからね(笑)。問題はたくさんあるんだけど、大きな問題のひとつとして、俺もいままで人に……それは男でも女でも「オナニーしてるか?」って聞いてて、「してない」って言う人にほとんど会ったことがないわけ。ほとんどの人がしてるわけじゃん。当然、障害があってもそりゃオナニーするって当たり前のことなんだけど、でもさっき言ったみたいに、そういうことは障害がある人に対してはないものとして一般の人はしてるでしょ。だから実際、こういうふうに障害者が性を語ると、「え、この人たちセックスするんだ?」みたいなことで引き気味になる、みたいな。そういう頭の悪いヤツに、どうやって言い聞かせるかが難しいでしょ?

熊篠 難しいですね。あと逆に言うと、障害者のほうも……なんていうのかなあ……。むしろそれを言わないとか態度に出さないほうが生活が円滑に進むから言わない、言えないっていう部分があって。

リリー まあね、それは健常者でもずっと俺みたいにチンポとかオナニーとか言ってるヤツは円滑に進まない場合も多いからね(笑)。

松浦 もうひとつ、言い方に語弊があるかもしれないですけど、ある意味、弱者を演じてたほうが支援を受けやすいとか、助けてもらえるっていう部分も……

リリー だってオナニーしてるのは強者じゃないでしょ!

松浦 そうなんですけど(笑)。

リリー 熊篠君が毎日4Pとかしてるんだったら、こっちも助けはしないけど。腹立つじゃん! 自分ばっかり(笑)

熊篠 実際、障害者でもノアールに対して「声高に性のことを言うのはやめてくれ」みたいな意見もあったりして。

リリー でも、その人たちもセックスしてるしオナニーもしてるわけでしょ? なんで隠そうとするんだろう。昔のアイドル業界みたいだよね、なんか。日本人って、こんなにエロい国民性なのにさ。この対談は歌舞伎町でやってるんだけど、歌舞伎町は外人が来たらもう万博みたいだって言ってるもんね。ここは手でヤるとこ、ここは股に挟んでヤるとこ、ここはSMとか、性風俗にバリエーションがあって。だいたいプロモーションでもなんでもなく映画監督が日本に来てるのって、風俗に行くためだから。

熊篠 あ、そうなんですか!

リリー だから結局、チンポに関する政治とか考え方が間違ってるんですよ。少子化だって言いながら保育所がねえとか、チンポで始まったことが全部杜撰になってるんですよね。たとえば障害者に対する福祉もすごく遅れてるとは思うけど、それよりも、意識がもっと遅れてるから、たとえばこういうことを彼ら本人がやっていかなきゃいけなくなるんでしょ? もっとそういうことを国で考える部署がなきゃいけない。
熊篠 でも、日本は性教育をどんどんカットしてますからね。一部の女性議員が「性教育をやめろ」って。


── 最近よくやりすぎとか糾弾されてますよね。

熊篠 七生養護学校の性教育事件※5)ですね。いまは特別支援学校、昔は養護学校っていってたんですけど、知的障害児にいわゆる性教育をするのに、かなりリアルなお人形とか使って歌を歌わせて覚えさせたりとかしてたんですよ。あれも結局、相手が知的障害がある子供だからお人形とか歌とか使ってやってるだけなんだけど、それが過激でけしからんって話になって。

※5)七生養護学校の性教育事件:不適切性教育が行なわれ、教職員の大量処分という事態にまで発展した。

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リリー 「やり方が間違ってる」って意見はべつにあってもいいんだけど、一番いけないのが性教育をやらない方向に行くことで、それはさっき言ったみたいにないものにしてしまおうってことでしょ。臭いものに蓋をするっていう。でも、このイカ臭さはべつに蓋するようなものじゃないでしょ。このコンテスト※6)では、まず理解よりも前の段階っていうか、みんながないものにしてきたものがある、それが当たり前なんだ、自分たちと同じなんだっていうところが伝わればいいと思って。あんまり陰鬱に伝えてもよくないしね。イアン・デューリー※7)だって小児麻痺で手が短くて、足も体も短かったけど「セックス&ドラッグ&ロックンロール」って歌ってたわけだからさ。ああいう角度の伝え方もないと。

── ドラマみたいな間違った伝え方ばかりじゃなくて。

リリー ああいうバカみたいなテレビドラマ観て感動して涙したりとかしてる人は、ホントに知的障害者の人は性欲がないと思って観てるのか、その認識の現実が知りたいんだよね、まず。「いや、してるとは思うけど、それは別でそういうふうに観てる」っていうんだったら、まだいいけど。結構ホントにしてないと思ってるぐらいぼんやり生きてる人、いっぱいいると思う。「障害者だと思って泣いていたのに、性欲があるなんて汚らわしい!!」みたいなさぁ。

熊篠 いっぱいいますよ。ヘタすると医療関係者とか福祉関係者のほうがそうかもしれないです。現場に出てそこそこ経験を詰めばうすらぼんやりわかってくるんですけど、ヘルパーの養成講座とか、介護福祉士とか、そういうところの養成とか教育機関で障害者とか高齢者のセクシャリティの話ってほとんどないんですよ。たまに福祉専門学校とかの先生に呼ばれてエロい話をすると、学生がフリーズしてるのがよくわかりますよ。障害者とか高齢者は社会的弱者だって刷り込まれてるんで。

リリー それって弱者はチンポ勃っちゃいけないって教育だよね。100メートル8秒で走るヤツよりもチンポデカいかもしれないのに。性的には全然弱者じゃないわけじゃない、そんなの。そこは別だもんな。たとえば医療現場の……日本にどれだけそういう仕事が存在するのかわかんないけど、介護の中で性的なヘルパーの人たちっていうのも実際にいるわけ?

熊篠 正式な資格とか職員としてはいないです。

リリー でも、まったくない現実ってことでもないわけでしょ? こないだ『おくりびと』を観てて思ったんだけど、ずっと納棺士っていう仕事はものすごい社会的に差別を受けてる仕事として映画の中で一貫して出てるわけ。でも、ある側面ではすごく価値のある仕事っていうか、意味のある仕事でしょ。それって盲腸の手術の前に看護師さんがチン毛剃るのと、さほど変わらないんじゃねえのかなと思って。看護士さんがチンポさわっても、風俗嬢のように差別はされないわけでしょ。なんか微妙なタッチの差別があるよね。ただ、たとえば彼みたいにポップなかたちでそういうことを変えていこうとする人がいることで少しはマシになってくると思うんですよ。障害者を差別するところだけじゃない差別の感覚とかも。

熊篠 そうですよね。

リリー でも、こういうことを肯定しようとする人は「人間は生まれたときから差別の遺伝子を持ってる」とか言うでしょ。そりゃ多少は持ってますよ、そんなの。でもそういう話じゃないじゃないですか。もうちょっとセンスのいい話してるわけで。だから、まず認識をしてもらうことと、それと同時にみんなの認識もリアルに知りたいし。理解してもらうと同時に興味を持ってもらわなきゃならないしね。結局、そうやって障害のある人にも性欲があるってことを知ってもらって、大きくなにか変わるのかっていうことはないかもしれないけど、ものすごく大切なことだと思う。

熊篠 そうなんです。べつになにか特別やりたいわけじゃないんですよね。ただ、少なくとも僕はそこを抑えておけないだけ。ほかはべつにどうでもいいんだけど、なんかやっぱりそこを抑えておいてる自分が嫌なので。

リリー それは大切なことですよ。

熊篠 障害者のほうも変わらなきゃならないし、介助する側のほうも多少ハードル下げてもらわないといけないし。あとはいわゆる世の中の一般的な人たちもそうだし。さっきのテレビの話でいうと、知ってる人は「またこんなきれいに描きやがって」ぐらいの話なんですけど、知らない人はあのまま受け取りますよ。で、そういう内容の繰り返しじゃないですか。だから、ある意味洗脳みたいなものがあって。あのまんま受け取るし、内容は違えど、そういう扱い方、取り上げられ方を何回も何回も繰り返せば、それはずっとそのまんま上書きになってくんで。

リリー でもさ、ああいう偽善的な扱いをしてるドラマを観て泣いてる人が、ファレリー兄弟※9)が障害者をギャグにしてる映画を観ても笑うわけだから。どっちでもいいんだったら、もうちょっと理解しろよっていうことじゃん。それはやっぱり現実がない中でやってるから、たぶん障害者が出てくるだけで、それは常にフィクションなんでしょうね。

── 作り手はヘタな描き方したら怒られるかも、みたいな変な意識があって、それできれいな役にしちゃうんでしょうけどね。

熊篠 それこそスポンサーとか上のほうのプロデューサーとかにですよね。

リリー まあ、そういうことはもう、マスメディアには一切期待してないんだからいいんだけどさ。好きにやって、つまんないもの観てりゃいいんだろうし。でも、現実としてこういうことがあるっていう認識っていうか、……なにか変わったことが起きたのを知ってくれって言ってるわけじゃないでしょ。当然あるものをないとしてるってことをわかれってことであって。最初から当然ないものとしてる人たちが作ってるものは見たくないってことなんですよ。それはなぜかっていうと、バカが伝染るから。いま道がヘコんでるわけだから、平らにしていくってことから始めないとこの道が通れなくなる。だから、なにが起きるわけじゃないんだけど、まずは1回舗装しないと。

── 女子はオナニーしないみたいな常識をリリーさんがいちいち否定していく、みたいなことと同じですよね。

リリー しょっちゅうしてますよ! 俺はそれがライフワークと言ってもいいぐらいで。ずっと『MORE』がやってるMOREレポートだって、20年前から80%以上の女の人がオナニーしてるって言ってるでしょ。ということは、ほぼ100%してるんです。だいたい20%の人はアンケートにもウソを書きますから。みんなしてるんですよ! ホントにしてない人もたまにいるけどね、横着な人っていうのがいるんで。でも、ほぼ男も女も100%してると思っていいし、したほうが体にも心にもいいでしょ。だから俺はオナニーダイエットとかオナニー健康法とかいろいろ提唱してるのにね。熊篠君のズリネタは?

熊篠 僕のネタは……。色々ありますけど、とりあえず自分が出てるAV では絶対に抜けないです。

リリー 自分が出てるのもいいんじゃないの? だって自分のハメ撮り映像を観てるわけだもんね。

熊篠 ダメですね、絶対ダメです!

── 試してはみたんですか?

熊篠 試してもみてないです。

リリー じゃ、そのAV貸して。俺がまず、熊篠君で抜けるかチャレンジしてみる(笑)。

※6)コンテスト:特定非営利活動法人ノアール 設立5周年記念事業懸賞コンテスト(仮称)
※7)イアン・デューリー:手足に障害を持ちながらも、歌手、詩人、俳優として活躍した。
※8)おくりびと:第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。納棺師という職業を世間に知らしめた。
※9)ファレリー兄弟:障害を個性の一部というスタンスで捉えて描く、映画監督。
※10)MORE:20代〜30代のOLを中心とした女性向けファッション雑誌。


>>超ロングインタビューのため、次回は8月27日(木)頃UPします!

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特定非営利活動法人ノアールとは?
身体障害者のセクシュアリティに関する支援、啓発、情報発信、イベント・勉強会等を行なっています。
身体障害当事者はもちろんのこと、家族や介護者などの支援者及び専門家、地域社会や市民一人ひとりが身体障害者のセクシュアリティに関する様々な問題、想いを共有するとともに、身体障害者のセクシュアリティをとりまく環境の向上を願って、設立5周年記念事業として、「懸賞コンテスト」を今年度始めて開催します。

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  5名様にプレゼントします!ご希望のサイズ(XS、S、M、L)、お送り先を明記の上ご応募ください。
  色はお任せください。〆切は8月31日です。当選発表は発送をもって代えさせていただきます。


  TENGA公式サイト

 身体障害者のセクシュアリティの問題について、タブーとされている風潮があるように感じ、昔からすごく気になっていた。というリリー・フランキー。そんな実態を知ってもらうきっかけを作りたいと「懸賞コンテスト」を開催することになったNPO法人ノアール代表の熊篠慶彦さん。日本の性に革命を起こすべくをモットーに日々精を出している株式会社TENGA松浦隆氏。聞き手にプロインタビュアー吉田豪氏を迎え、「障害者の性」を真面目に語っていただきました。
聞き手:吉田豪 写真/構成:ロックンロールニュース編集部

〜これまでの話〜 物語に出てくる障害者は、全然リアルではない。障害者にだって個性があって、性欲だってある。そんな現実を知って欲しいという熊篠さんは、自らAVに出演した経験があると言い……。

リリー  それちょっとダビングしてください。僕、知り合いが出てるAV 大好きなんで。それは男も女も。ウチの従兄弟も出てるんですけど、今度法事でみんなで観ようってことになってて(笑)。

熊篠 AV は2本出てるんですけど、どっちもつらい思い出なんですよ……。僕は基本的に洋ピン派ですね。

リリー 男前だね(笑)。

熊篠 デビューがトレーシー・ローズ※1)の無修正なんで。そうするとモザイクが邪魔で。それからずっと洋ピンで。

リリー AV で洋ピンバージョンも作ってもらうといいんじゃないですか? 『飾り窓に行くの巻』みたいな。俺、こないだアムステルダム行ったばっかりなんだけど、やっぱり飾り窓いっぱいあるじゃない。結構バリアフリーになってる気がした。石造りの古い建物だけど、障害者のケアはできるだろうなって。

熊篠 オランダは進んでるから、たぶん大丈夫だと思いますよ。仮に飾り窓自体が無理であっても、たとえばホテルまで来てくれるとか、いろいろサービスはしてくれると思うんです。

リリー まあね、国が風俗やってるぐらいだもんね。

熊篠 だからオランダ行きたいんですよね。

リリー だってオランダのコーヒーショップで大麻とかみんな吸ってるわけじゃん、国がやってるわけだから。だけど、大麻をみんなが吸ってる横にノースモーキングって書いてあるわけ(笑)。そこ!? みたいな。気にするところが(笑)。

── タバコは犯罪行為(笑)。

リリー もう、ハッパやってる奴に言われたくないよ(笑)。『モンティパイソン』※2)みたいだったもん、ノースモーキングって書いてあるとこで大麻吸ってるヤツがいて。でも、この熊篠君が出てるDVDも、みんなに認識してもらう意味で上映会を……辛気臭いところでやると誰も来ないから、代官山のカフェとかの壁に流しながら、みんなでカフェオレとか飲む感じのがいいよね。

熊篠 だから、AV はつらい思い出なんですよ!

リリー 現場のつらさを思い出すからでしょ。

熊篠 そうなんですよ。すべてがつらいといえばつらいんだけど、撮影のスタッフが全員知り合いだったんで。

リリー 友達が見てる中のチンコはキツいね。

熊篠 キツかったですね……。あと、僕の相手の女優さん情報をプロデューサーが「熊篠君にだけは言いません。当日、現場で言います」って言われて。で、僕もずいぶん親切だなと思うけど、自分で車を運転して、スタッフをうしろに乗っけて、女の子たちも機材も全部乗っけて撮影現場まで行く間にプロデューサーから「今日のお相手の女の子です」って言われて。そしたら、しゃべり方がどうも変なんですよ。そしたら「聴覚障害があります」って言われて。聴覚障害の子は初めてだし、どうしようかなと思って。で、現場着いたらその子が「生理始まりました」とか言って。唯一の得意技のクンニどうしようかなって思って。そうこうしてるうちに撮影始まったはいいけど、コミュニケーションが取れないんですよ。

── 手話やるわけにもいかないし。

熊篠 僕、手話できないじゃないですか。

リリー そこでなんで聴覚障害の人をブッキングしたんだろうね。

── 異種格闘技戦的な感じですかね。

リリー そういうドラマっぽいこといらないよね。

熊篠 プロデューサー曰く、あとから聞いた話では、僕の困る顔を撮りたかった、と。コミュニケーションが普通に取れると、たぶん僕が困らないんで。

── ふつうにノリノリでクンニされても困るっていう。

リリー そういう作為は本質が伝わらなくなるから良くない。男にも女にも。

熊篠 コミュニケーション取れないと、チュパチュパなめてもらってるときに「もうちょっと遅く」とか「もうちょっと速く」とかっていうのを伝えられないわけですよ。女の子の目が下向いてるじゃないですか。だから肩トントンて叩いて、ホワイトボードで「ちょっと遅く」とか。

リリー ADじゃないんだから(笑)。

熊篠 で、それを僕がホワイトボードに書いてるうちにチンコがヘナヘナッてなってくるわけですよ。

リリー 確かに。文字を書きながらの勃起はむつかしいね。でも比較的、聴覚障害の人に性欲がないなって認識はないと思うんだ、世の中では。

熊篠 それはたぶん全身が動くからですよね。見た目のイメージもたぶんあると思うんですよ。単純に車椅子に乗ってるっていうだけで、歩けない、歩けない=下半身麻痺、下半身麻痺=チンコ勃たない、みたいな。

リリー 実際に車椅子の人で下半身麻痺でチンコ勃たない人も当然いるじゃん。

熊篠 いますいます。

リリー いるけど、チンコが勃たない人にも性欲があるってことを知ってもらわなきゃ困るでしょ。インポのオヤジになってもナメ専で、セックスがネバー・エンディング・ストーリーの人がいるわけじゃないですか。だからチンコが勃たなくなろうが、どうなろうが、性欲はみんなある。そこなんですよ、問題は。

熊篠 そうなんですよ!

リリー わかってないと思うんだよ、チンポが勃つとか勃たないとかじゃなくて、なめようとか触ろうって気持ちは変わりやしないんだから。いまって、障害者の人たちが入れるバリアフリーの風俗とかどんどん閉まってるの?

熊篠 そうですね、風俗自体がデリヘルにシフトしてるんで。障害者向けのデリヘルを始めても、だいたい1年以内になくなっちゃいますね。

リリー それは需要がないんですか?

熊篠 障害者にお金がないんです。だから、結構ウチに「アドバイスしてください」みたいな連絡も結構来るんですけど、「儲かるんだったら僕がやってます」「それでもやりたいっていうんだったら1回ちゃんと話を聞きます」って言って。

※1)トレーシー・ローズ:1980年代中盤にアメリカのポルノ業界で一世を風靡した。。
※2)モンティパイソン:イギリスの代表的なコメディユニット。イギリスの公共放送局BBCでも放送された。

リリー まあ、金がなくて風俗行けないっていうのは障害者に限らずですけどね。だからこそオナニーがあるから、それが明るく伝わると一番いいですね。

熊篠 そうですね。ラブホテルは何軒かあるんですよ、ハンディキャップルームを必ず1部屋持ってるっていうところは。建てつけ面積がある一定の面積を超えたラブホテルは、新築の場合に限ってつけなきゃならないですから。

リリー 障害者にお金がないのも、障害者の雇用が少なすぎるからですよね。金があるかどうかで、障害のあるなしに関わらず生活はまったく違ってきますから。俺の知ってる車椅子の人は、金はあるけどヒマなもんだから、とにかく、刺青ばっか入れてる(笑)。絵にタイヤが付いてるみたいな感じだと思う(笑)。

熊篠 そうですね。まあ、持ってるヤツは持ってるけど、圧倒的に持ってない障害者のほうが多いですから。それこそ盆と正月にデリヘルでドーンと使う、みたいな。

リリー その風俗嬢の人も、入って来て障害者だってわかって向こうからNGを出す人っていうのはいるんですか? それは最初から言ってくる?

熊篠 専門店の場合はそれがわかってるからいないですけど、自分の経験でいうと、ちょうど20年ぐらい前に童貞を捨てた頃は、このへんのホテトルのチラシを電話ボックスからはがしてホテルから30分ぐらい電話かけまくりで、20〜30軒ぐらい断られ続けたんですよ。最初に「車椅子なんですけど」って言うとガチャ切りするところもあれば、「ウチはそういうことやってません」とかっていう、わけのわからない断られ方するところもあって。だから、ちょっと作戦を変えて「いま京王プラザにいるんだけど」って先に言うと、「はいはい、30分以内に行きます」ぐらいの勢いになるんです。つい10分前にかけた同じ店の電話番が。この手の平返しはどうなんだっていう。それからはハマりまくりですね。いまはHPに「障害者受け入れOK」みたいなことを書いてるお店があるんですけど、細かく見ていくと、女の子の個別のページで「障害者対応します」って表記がある女の子と……。

── ああ、プレイの○×の中に「障害者○」みたいな(笑)。

熊篠 ホントそうですよ、それの一番下のところに「障害者○」とか書いてある。

リリー アナルOKとか、そういうのと一緒にね。

熊篠 ちなみに僕、夢は立ちバックなんですけどね(笑)。一回やったんですよ。うしろから介助の人に抱えてもらって、女の子がお尻突き出してやったんだけど、やっぱりダメでしたね……。

リリー でも、そういう「夢は立ちバック」みたいなキラーチューンのギャグを持ってるのはいいよね。君の持ってる最高のギャグじゃん。乙武君が「手も足も出ないッスよ」って言うみたいに。だって男の言うギャグは基本、自分の肉体的な欠陥を言うギャグじゃん。「俺はチンポ小さいから」みたいなさ(笑)俺がチンポ大きいってウソのギャグ言うのとかさ(笑)。俺、椅子に座ってあんまりオナニーしない派で、寝る派なんですよね。

熊篠 僕は、ほぼ100%車椅子に乗ったままですよね。だから、そのために肘掛けが上に上がるようになってるんですけど。たいがい車椅子の肘掛けって動かないんですよ。

── 「これじゃオナニーできないじゃないですか!」ってことで(笑)。

リリー 「なんのために車椅子買ってると思ってんだ!」って(笑)。

熊篠 業者にはそれはさすがに言えないです(笑)。いや、「ちょっとベッドに乗り移るのにちょっとジャマなんで……」みたいな感じで。走るときは肘掛けがあったほうがいいんですけど、これがあると車椅子の上で体面座位でできないから、そのときも肘掛けを上げるんですけど。

── 体面座位でヤリながら車椅子を走らせたりとかするんですか?

熊篠 さすがに危ないです、それは(笑)。

リリー クローネンバーグの映画※3)にありそうだけど(笑)。

熊篠 しかもこれ改造車だから、うしろ乗れますよ。ものすごい速くて、ちょっとした自転車は抜かしちゃいますからね。

リリー でもさ、そうやって障害があっても男はそれなりになんとかなってるかもしれないけど、女の人はすごい不自由してると思うんだ。そんなに性風俗もあるわけじゃないし、たとえばバイブとかそういうのにしても、通販で買うことはできるにしても自分で使えるかどうかってことはわからないし。

熊篠 たとえば僕と手の障害が同じぐらいだったとしたら、たぶんピンローなんかでもダイヤルとかをうまくつまんで回せなかったりとか、スイッチが小さくて操作出来なかったりとか、電池の交換ができなかったりとかって考えだしたらキリがないぐらいなので。それをじゃあ介助の人に頼めるかっていうと……。

── 女子は特にオナニーの話はしづらいですからね。

リリー そうなんだよね。女の人がオナニーの話をしないから開発が遅れるわけですよ。一番困るのは、誰でもそうだけど壊れたピンクローターをどこに捨てるのかっていうことらしいね。だいたいの人はコンビニのゴミ箱に捨ててるっていうから。

熊篠 らしいですね(笑)。

リリー 修理に出してるって人もいたけど(笑)。女性専門のバイブ売ってるとことかは、結構アフターケアもしてるみたいで。

熊篠 専門店はわりとそうですね。女性しか入れないですし。障害者用のピンクローター補助器もいま作っていて、何人か女性に試してもらってはいるんですけど、やっぱり反応が薄いんですよ。それはだから、察すると僕が聞いてるからなんだろうと思うんです。だから女性が音頭を取って、女性同士でこういうことをやってくれればいいんですけど。

リリー バイブのかたちがどんどん変わってきてるのは、絶対女性の意見で変わってきてるわけじゃないですか。だから、やっぱり女の人が開発していかないと難しいよね。

── なかなか素直に答えてくれないですしょうからね。「どこが感じた?」とか質問しても(笑)。

熊篠 そうなんですよ、ただのいやらしいオジサンになっちゃうから(笑)。

※3)カナダを代表する映画監督。独特のボディ・ホラーで有名。

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リリー このコンテストもいろんなものを募集してるわけだから、たとえば健常者の人でも、女の立場からわかる意見が欲しいですよね。

熊篠 想像とかにも限界があるじゃないですか、発想とか。だから、いままでに自分が発想しえなかったものが送られてきたら嬉しいなっていう。そういう意味ではまずリリーさんの知恵をお借りしたいのが、コンテストのタイトルなんですよ。そこがかなりデカい壁になってるんです。僕、年明けぐらいからほぼ丸々4ヶ月、毎日ずっと文字が残像として目に残ってる感じなんで。普通に言ってしまうと、身体障害者のセクシャリティに関するコンテストなんですけど。

── 「オナニー・バリアフリー」的な感じですかね。

リリー うん。「オナニー・バリアフリー」とか「セックス・バリアフリー」的な感じが一番わかりやすいんじゃないですかね。それだとTシャツにしても着れるし。一番いけないのが、障害がある人しか応募資格がないと思われることなんですよね。絶対に障害がない人のほうが送ってくるのは多いはずだから。極端な言い方だけど、べつにいい論文があることではないと思うから。認識してもらうってことが一番の目的だから。

熊篠 ○○コンテストっていうのはついたほうがいいんですかね?

── ○○大賞とか。

リリー ○○大賞のほうが送る気はするね。昔、ジョン・レノンがやってたみたいに、「すべての人の手に平和を」的な、「すべての人の手にオナニーを」的なものじゃないですか。『パワー・トゥ・ザ・ピープル』みたいな。もっとオナニーとかセックスがすべての人の手に平等であるべきだっていう。「あなたたちも無関係じゃないんだ」って意味合いにしないと。いまみんな文章書くのすきなんだもんね、ブログやったりとか。こっちは仕事でも書きたくないのに、なんでみんなあんなに文章書きたいんだろう?

松浦 僕の知り合い両親が聴覚障害の人がいるんですけど、携帯メールが普及したおかげで、ものすごい聴覚障害者にとってはコミュニケーション取りやすくなってるんですよ。いままで、たとえば親に緊急で連絡したくても、電話で連絡取れなかったじゃないですか。それがいまメールでいくらでも親との会話ができるんで。

リリー どういう女が好きなの? 観るのは洋ピンが好きだとしても、たとえばAV 女優で誰が好きとか、アイドルで誰が好きとか。

熊篠 最近は綾瀬はるかですね。

松浦 顔が好きなんですか? スタイル?

熊篠 ほぼすべて。

リリー まあ、スタイルもいいしね。

── リリーさん、一緒にCMやってますもんね。

リリー 一緒とは言っても、俺、パンダだけどね(笑)。

熊篠 あ、そうだ! 生茶!

リリー たぶん知らないうちに、俺の声聞きながらうっとりしてたんじゃない?。

熊篠 ア────ッ! 気になりだしたら、たぶん相当気になっちゃいますよ! 彼女が『おっぱいバレー』に出てから、もう1ヶ月ぐらいおっぱいおっぱい言ってて。おっぱい星人じゃなかったんですけど、おっぱいもいいかなって。

リリー おっぱいもお尻もね、いいもんはいいですよ。

熊篠 フェチでいうと脚が好きなんですよね。脚とか……ストッキング!

リリー いいねえ、車椅子に乗ってて「脚フェチなんですよ」っていうのは大人のジョークとしてはかなり(笑)。

熊篠 ホントたまんないですよ!

リリー 君、おもしろいね(笑)。熊篠君みたいに正直でおもしろい人が、世界を変えるんだと思うよ。


〜終わり〜

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特定非営利活動法人ノアールとは?
身体障害者のセクシュアリティに関する支援、啓発、情報発信、イベント・勉強会等を行なっています。
身体障害当事者はもちろんのこと、家族や介護者などの支援者及び専門家、地域社会や市民一人ひとりが身体障害者のセクシュアリティに関する様々な問題、想いを共有するとともに、身体障害者のセクシュアリティをとりまく環境の向上を願って、設立5周年記念事業として、「懸賞コンテスト」を今年度始めて開催します。

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 5名様にプレゼントします!ご希望のサイズ(XS、S、M、L)、お送り先を明記の上ご応募ください。
 色はお任せください。〆切は8月31日です。当選発表は発送をもって代えさせていただきます。


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 TOKYO MOOD PUNKSでは2の線のギタリスト。グループ魂では敏腕プロデューサーとしても腕を振い、たくさんの作品を手がけてきた富澤タク a.k.a. 遅刻。だが、意外にも学生時代から続けていた「自身の音楽活動」としての作品は、今まで発表していなかったという。25年目にして初となる、自身が率いるロックバンドNumber The.の世界基準満載なデビューアルバム「1st」リリースにあたり、今までの音楽活動について振り返ってもらった(インタビュー当日も、もちろん遅刻。) ※聞き手がときどき妙に馴れ馴れしいのは大学の先輩後輩の仲であるためです。あしからず、ご了承くださいませ。 
聞き手:森末徹(ガンパウダー) 構成:宮崎恵(ガンパウダー)

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── 待望の1stアルバムおめでとうございます。

富澤 ホントにね。気持ち的には高校生のときから出そうと思っていたから。もう25年以上経ってしまいました。

── 初めて富澤さん見たときは、ウォーク・ディス・ウエイ/RUN D.M.C ※1)をやってましたよ。

富澤 ハハハハ! 他に、普通にロックバンドもやってたけど、パンクの次に来るべく音楽に飢えてたから。その時の気持ち的にはHIPHOPだったから。RUN D.M.C ※2)の直後にやってたから。スーパースターの靴ひも外してたりして。※3)

── ラッパーとしては、スチャダラパーや、ソウルセットより早かったかもしれませんね(笑)。

富澤 早すぎちゃったね。(笑)

── 当時は、「COR-SEZ」っていうバンドでイカ天 ※4)に、出ましたよね。

富澤 そうだねぇ。カリスマ的なバンドが出現しはじめて、新宿西口のロフトが一般の人たちに認知されはじめた時期というか。バンドブームの前夜だったね。あの頃はみんな出場してたよね。リリーさんも「リリQ」※5)でイカ天に出てたし。

── どうして出ることになったんですか?

富澤 「COR-SEZ」はトリオだったんだけど、1人が出たい、1人が出たくない。俺は、どっちでもよくて「まぁまぁ」って(笑)。出場する、しないで解散しそうになって。

── じゃあ、それがきっかけで、「COR-SEZ」は解散して……。

富澤 いやいや、してないよ。そのあとも、どうにか2〜3年は続けたよ。

── その後が「JHONNY GUITAR」? カッコイイと思ってましたよ、当時。

富澤 いや、「JHONNY GUITAR」がちょっと先なんだけどね。最初は大人数のバンドで6〜7人くらいいたんだけど、だんだん人がいなくなってきて、最後はトリオになってたなぁ。時期はかぶっていたんだけど「COR-SEZ」の方がイカ天に出てウァーって盛り上がってたからね。プロデビューの声かけてもらったり、当時はいろいろあったんだけど。……まぁ、若かったし、「俺らは、やりたいようにやる」って、偉そうに断ったりして。そのうち、80年代のバンドブームも去って、結局全然、作品、形に残してないっていう。(笑)

── 「COR-SEZ」でCD出していないんですか? 意外ですね。

富澤 そうなんだよね。そのあとも、色々なバンドから、ギター弾いてくれない? みたいな誘いは、スカパラのASA-CHANGとか、もう亡くなられてるけど、リモートの池田さんとか…、ちょちょこあったんだけど。でも、なんというか、1回バンドの熱も冷めて、全てをリセットして、1人で音楽活動をはじめてみようかと思って。……それが『NUMBER THE. 』の始まり。

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── 最初は一人だったんですか?

富澤 最初はひき語りだったんです。そのときに名前をどうしようと思って、実は最初『NUMBER NINE 』っていう名前で活動していて。まぁ、由来はビートルズの曲からなんだけど。そうしたら、のちに店とかブランドとか色々出てきて、名前がかぶってしまって。……まぁ、俺の方が早いんだけど。

── 早い、早いって、ビートルズですけどね。早いのは。(笑)

富澤 それで、間違った英語なら同じネーミングは出てこないだろうと思って、真ん中に「THE」を入れたんですよ。それで「NUMBER THE NINE」英語としては間違えているんだけど。間違えてるから、同じ名前が出てくるはずないし。

── まぁ、そうですね。

富澤 そこから俺のやりたいことをサポートしてもらう感じで、メンバーを1人ずつ増やしていって、バンドの形になっていきまして。でも今までのバンドとは違って「みんなでやっていこう」っていうよりは、俺発信のやりたいことを、みんなにサポートしてもらう感じで。依存心を1回捨てるというか。なんだろう。1人ユニット的な。コーネリアス ※6)じゃないけど、基本一人なんだけど。っていう。今じゃ、ガッツリ“バンド”ですけどね。

── これも、コーネリアスより早いわけですね。

富澤 やっちゃったねー。先に。だいたい先にやっちゃってるよね、早すぎるんだよね、俺。なんつって(笑)。

一同 (笑)

富澤 それで、90年代初頭に活動を始めたのと、少し前に影響を受けた、ニューウエイブやビートパンクからは脱却して、90年代的な音楽をやっていこうと思って「NINE」って付けたんだけど。いつのまにか90年代終が過ぎ去っていて。

── ……今、流れで話聞いたのに、一気に話飛ばしたね。15年位。

富澤 地球的タイム感 ※7)でやってるから、俺(笑)。90年代過ぎているのに「NINE」もないだろうということで削ぎ落として。それで「NUMBER THE. 」になったんだけど。

── 「THE. 」で終わるの座りがわるいような気がしますけど。

富澤 まわりからは寸止めみたいで気持ち悪いって言われたんですけど。だからこそでしょ。だからこそこれだと(笑)。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか!」という岡本太郎の言葉 ※8)じゃないですが、「THEが後ろにあってもいいじゃないか!」ってことで。まだ誰もやってないから。最後に「THE」をつけるの。

── あ〜、先にね。まだ誰もやってないから。

富澤 俺、i.Tunesに曲名入れるときに「The BEATLES」みたいに「THE」が頭についているバンドは、全部「The」に分類されちゃうでしょ。あれがイヤで、「The BEATLES」だったら「BEATLES The」って、名前を入れ替えてるんですよ。これは「The」のついてるバンドですよ。って分かるように。

── 意外と細かいんですねぇ。

富澤 そういうことがあっての「NUMBER THE.」なんですよ。まぁ、お尻に「The」を付けるにあたっては1つだけ「The The」※9)がいるんですけどね。

── そこには勝ててない(笑)。


デビューアルバム
『1st』
Number the.

LR2/Jab records
2,600円(税込)

 

収録曲
1. No.1
2. COME come COME
3. DUB-N' (do-yeh-bar-ee)
4. 夏ノ果テ
5. スイム
6. BLACK TEA
7. STARTED
8. ドライヴ
9. JAP-ROC
10. END OF THE WORLD
11. STONE
12. 鎮魂歌 Requiem

 



※1)ウォーク・ディス・ウエイ
エアロスミスのヒット曲を RUN D.M.C がカバーして大ヒットした。

 

 

※2)RUN D.M.C
ヒップホップ・シーンにおいて黎明期より活躍し、その普及に貢献した。

 

 

※3)スーパースターの靴ひも外して
当時彼らが着用したアディダスのスニーカー、スーパースターの靴ヒモを外して着用するのがやたらに流行っていた。

 

 

※4)イカ天
1989年より放送された深夜番組「三宅裕司のいかすバンド天国」のこと。同年の新語・流行語大賞の流行語部門・大衆賞を受賞するほどの人気番組だった。

 

 

※5)リリQ
リリー・フランキーの学生時代のバンド。

 

 

※6)コーネリアス
CORNELIUS名義でミュージシャン活動を行っている小山田 圭吾 さんのこと。「一人ユニット」の先駆け的存在。

 

 

※7)地球的タイム感
超マイペースの事。さすがa.k.a.遅刻さん!

 

 

※8)岡本太郎の名言
他にもたくさんあるが、「芸術は爆発だ」 は、あまりにも有名。

 

 

※9)「The The」
イギリスのバンド。

 

 


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── 現在もさまざまな音楽活動をされていますが『グループ魂』はどういった経緯で?

富澤 自分の中で決めていたことがあって、30歳までは自分のバンドで、わがままして、借金して、周りの人に迷惑かけても、好きな音楽を好きなようにやらせてもらう。でも、30歳を過ぎても、好きな音楽を続けるなら「仕事」としてもやっていかないと。という心つもりでいまして。そういう風に気持ちを切り替えたら、なぜか、その頃から音楽の仕事が入ってきたんですよね。その中の1つに「BOYS TIME」っていう宮本亜門さん演出のロックミュージカルがあったんです。

── え? 出演ですか?

富澤 違いますよ(笑)舞台上で生演奏するバンドで。それで、その舞台を長坂さん(大人計画社長)が見に来ていて、宮藤くん(宮藤官九郎)が次の舞台で、ロックバンドを入れてやろうと思っていたらしく、声をかけてくれて。それで、その舞台が終わった後、実は大人計画で「グループ魂」っていうバンドもやっていて、全員役者だから、音楽的にまとめてくれる人を捜していたらしく、そういう話をもらって。でもその頃、自分としてはレイヴ系や、ノーザンソウルみたいな黒人音楽に傾倒していて。「グループ魂」的なビートパンクは俺の中で1回納めていた音楽だったのね。そういう時期だったというか。

── 学生時代、80年代の終わりの。1度通ってきた道ですよね。

富澤 だから、正直、自分の中の流れ的には、迷いはあったんだけど、ムリだったら辞めればいいかなと、軽い気持ちで始めて。でも、いざ入ってみたら、音楽の現場と全っ然、違う「発想」「やり方」に、すごい刺激と視野の広がりかあって。自分がどれだけ狭い視野でやっていたんだっていうショックと、これをどうやってまとめていったらいいのか、っていう葛藤もあったり。現場で人知れず、すごい悩んだりもしたけど、それよりも「面白い!」というのが先にたって。

── 前にスチャダラパーと港カヲルさんの対談を取材 ※10)したときも、スチャダラパーが同じこと言ってました。聞く側にもその新鮮さが伝わってきます。

富澤 たぶん、スチャダラパーもそう感じたと思うし、おそらくグループ魂の本職が役者の人たちも、音楽専門の人たちに対して何かしら感じていることもあると思うし。お互い様だとは思うんだけどね。

── 逆にミュージシャンが役者をやる場合もありますよね。偶然ドラマに出ているの見ましたよ。ビジュアル系のバンドマン役。

富澤 あれは役者をやったとは言えないけど「マンハッタンラブストーリー」※11)でしょ。あの時は、ドラマの主題歌で「ラブラブ ♥ マンハッタン」っていうTOKIOの曲を作らせてもらった流れで。劇中で、ビジュアル系の人気バンドがライブをやるシーンがあって、その曲も書くことになって、ついでにバンドの演技指導的なことをすることになって。「どうせ現場に来るなら、立っているだけでいいので出てもらえませんか」……と言われて。まぁ、ここまで関ったのなら、それくらい協力したいと思って当日現場に行ったら、ゴッツイ衣装が用意されていて。エナメルのポリス帽子に、長髪のウイッグに、ギンギンのジョッパーズパンツに膝までのブーツ。上半身だけ見たらミニスカポリスでしたよ。

一同 爆笑

富澤 それを見たプロデューサーが「富澤さん、面白過ぎるんで、一言しゃべってください」って言い出して、他の役者さんが言うはずだったセリフを振り当てられて。

── ビィジュアル系をなめんなよ! っていう。

富澤 それが不思議なもんでねー。居心地の悪さを感じながらも「まぁ、いっか」みたいな気分になっちゃって。しかも、なぜか緊張するとなまるんですよね。不思議な田舎のイントネーションがでちゃいましてね。

── 普段訛ってるの聞いたことないですけど。……まぁ、そんなこんなで「NUMBER THE.」のアルバムを作るどころじゃなかったと。

富澤 いやいやいや。

── 「TOKYO MOOD PUNKS」※12)はどうなんですか?

富澤 リリーさんとは大学時代から先輩、後輩の付き合いがあって、当時からバンドはやろうっていう話はあったんだけどね。卒業してからも、何年かに一度、定期的に合う機会があって、突然、イベントでギター弾いてくれ。とか、監督したショートフィルム ※13)のMAやってるから、とりあえず明日、音を付けに来てくれ。とか、そういう電話が突然かかってきたりして。だから「グループ魂」に入るより前から、「TOKYO MOOD PUNKS」の伏線はあったんですよ。ただ、リリーさんも俺もこういう性格だから、どっちも具体的には動かないで、夢をみたまま時間だけ過ぎていくっていう。

── タイプは違うかもしれないですけど、お互い似てるところはありますよね。a.k.a遅刻っていう位だし。(笑)

富澤 どうかな〜? 似てるかはわからないけどね。まぁ、そんなで、リリーさんも仕事がバタバタそうだし、俺もそれを実現化するまで力を注ぐ余裕もなくて、お互いにけん制していたんですけど、そのうちなんとなくタイミングがあったところで「TOKYO MOOD PUNKS」の活動がはじまって。……それも、もう3年たつのか。早いな〜。

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── ところで、ギターを始めたのは何歳くらいなんですか?

富澤 ギターは小学校6年生位から。ビートルズとか、チープトリックとか、当時はやっていた洋楽を聴きながらやってましたね。当時は情報もそんなになくて大変でしたよ。あとは日本のロック御三家「char」「世良公則」「原田真二」に、どっぷり浸かって。……って、あれ? 話戻ったね。時間軸にそって進まないな。

── いやぁ、なんであんなにギター上手いのかと思ってさ。昔はギター上手かったよね。今でも上手いと思っていますけど。

富澤 そう? 俺、自分で言うのもなんだけど、高校生くらいまではアカデミックなギター ※15)が好きだったから、めちゃめちゃ練習してテクニック系の人だったんですよ(笑)。でも大学生の頃に、今まで目指してきたプロ指向とか、技術があること自体がカッコ悪いっていう時代になって、最初は理解できなかったんだけど、その後、パンク・ニューウエイブに魅了されてどっぷり浸かった感じですね。

── 今で言うオルタナティブな。

富澤 そうそう。いい意味で言う「下手さ」に魅力を感じるようになってきて、俺のギター技術もそのまま横ばい(笑)。グループ魂に入ってからは、よりいっそうその感覚が大事っていうか。グループ魂はいまだに、いい意味でアマチュアリズムをすごい持っている人たちだから。……これ、あんまり言うのは失礼かもしれないけど「メイクアップ」=綺麗にする。の反対の意味で「メイクダウン」っていうのがあるでしょ、その意味で「プレイダウン」※14)っていうのを発明したんですよ。自分的に。

── 「服を着くずす=ドレスダウン」みたいな?

富澤 そう。音楽によっては洗練されて器用にギターを演奏してしまうとつまらないというか、音楽のイメージに合わなくなっちゃうのね。で、

 

1.練習をしすぎない。

2.曲を憶えすぎない。

3.空いている時間はなるべくお酒を飲んでみたりする。

 

ということをすると、意外にいい感じに荒削りなギターが弾けるという。技術やスキルに頼らない、感覚先行のプレイが生まれやすいというか。でも、あんまりやりすぎると仕事こなくなっちゃいますけど。そのへんはバランスとって(笑)。

※10)スチャダラパーと港カヲルさんの対談を取材
その模様は、当サイトの特集「港カヲル・スチャダラパー インタビュー」を参照のこと。

 

 

※11)「マンハッタンラブストーリー」
2003年に放送されたドラマ。#6「F・G 少年レントゲン」の回に、バンド「少年レントゲン」ギタリスト役でに出演している。見逃した人はチェキラ!

 

 

※12)TOKYO MOOD PUNKS
こちらも地球的タイム感で活動中! そろそろ次の動きがありそうですよ!?

 

 

※13)自分が監督したショートフィルム
グラビア写真誌「月刊」シリーズの撮影と完全連動したイメージDVD。ショートムービー「赫い花の女」のこと。

 

 

※14)「プレイダウン」
ギターを初期衝動にまかせ、荒削りのままに弾くことらしい。富澤タクa.k.a遅刻が発明した造語である。

 

 

※15)アカデミックなギター
クロスオーバー、フュージョン、ヘビメタも聞き込んでいたとか。

 

 

 

 

 

 

 

富澤1九84
漫画:下馬エシャロット
本当に、こんなことばっかり言っていたそうです ♡

 

 

 

 

 

 

 

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NUMBER THE.のロゴがデザインされたブラックの渋いTシャツに富澤タクさんのサインを入れて2名様にプレゼント!サイズはXSのみになります。〆切は8月20日(木)です。当選者にはメールにてご連絡さし上げます。上記の応募フォームをクリック↑

 

 


インタビューの感想、ロックンロールニュースへのお便りは コチラから。

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── 今回の取材のために、今、i potには「1st」しか入ってませんから! パソコンが調子悪いっていう、諸事情があるんだけど(笑)。

富澤 なんだよ〜、それ。でも、うれしいな〜。ホントに?

── 本当です(笑)。それで、ヘッドフォンで聞いているんですが、オープニングのインストで始まるところとか、オルガンの入る感じとかプリズナーズ ※16)的な匂いがするんですけど。ギターの音はスティービー・レイボーン ※17)に聞こえるんですよね。フェンダーのシングルコイルのカッコイイ音がしてる。だからストラトを使っているのかと思ったんだけど。

富澤 スゴイ!(笑)耳いいね! あんまり意識はしていなかったんだけど、ギターのソロはそうかも。あのね、1曲目なんかは、ソロだけ、ストラトのフロントで弾いてて。しかもスティービー・レイボーンが使ってた、同タイプのフェンダーのアンプ使ってる。ブルースは一時好きでよく聴いてたし。そういう風に踏み込んで聴いてもらえるのうれしいな。

── 収録されている曲の中には、昔の曲も入っているんですか?

富澤 あるある。新しいのもあるし、M-4,5,7,8,10あたりは昔からの曲だし。今思う1番いい曲を選んだっていう感じで。でも、歌ものは難しいね。曲は一度作ってしまえば割とすぐ落ち着くんだけど。歌詞は作った瞬間、ピタっとはまるのもあるんだけど、概ねは定着するまで時間がかかるっていうか、なかなか落ち着かないっていうか。

── 出さなかったから落ち着かなかったっていうのはあるんじゃないですか? 発表してしまえば定着せざるをえない所もあるでしょう。昔の楽曲を録音するにあたって、大幅な手直しとかは?

富澤 やっぱり、「今」やるんだから。というところで、特に歌詞はずいぶん手直しはしたよ。さすがにレイドバック ※18)された音を深くやられてもね。俺らみたいな世代がそのままやってると、ホントにリアル過ぎるんじゃないかと思って。ツェッペリン好きなオッサンが、ツェッペリン最高だ〜!っていうのをそのままやってもねぇ。ついていけないでしょ。そういうのがいい場合もあるとは思うんだけど、やっぱり自分の作品を作るからには「今やる意味」が欲しくなる。……プロコムハルムを意識した曲もありますけどね。でもこのバンドでの自分たちなりの落としどころはさぐりながら。

── 個人的にはそういうわかりやすいアプローチも好きなんですけどね。あと、途中に突然インストがはさまるのは?

富澤 突然に聞こえる? それはですね。志だけなんだけどゆくゆく海外でも出したいと思っていまして。それはできなくても、曲を面白がってくれた人が、歌はわかりずらくても、インストだけでも海外へ渡ったらいいなと思って。一応、世界基準 ※19)っていうことで、呼ばれたらどこへでもいきます。インスト4曲だけ引っ提げて(笑)。

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一同 爆笑

富澤 世界基準といえば、この歌詞カードが、日本語と、英語と、ローマ字の3種類 ※20)で歌詞が書いてあって。

── それ、気がつきました。日本語表記部分は、英語が全部カナになっていますよね。英語で「it's an end of the world」の部分が→日本語で「イッツァン エンド オブ ザ ワールド」→ローマ字で「ittu an endo obu za waarudo」コレ、しつこくないですか?

富澤 さすがに、ローマ字まで3種類載っけている人はなかなかいないでしょう。これならば、たとえ意味が分からなくてもローマ字で歌ってもらえるんじゃないかと想定して。誰に向けてやっているんだっていう部分はありますけど。

── 歌ってもらいたい?

富澤 う〜ん。一歩踏み込んで、味わってもらいたい。っていう感じかな。

── 今後、この方式は「NUMBER THE. 式」※21)ということになりますね。

富澤 そう。だから、今後ローマ字で歌詞カード作っている人見たら ※21)「あ、これ、NUMBER THE. のマネでしょ」って言っておいて(笑)。

── また、先にやっちゃいましたね。(笑)

富澤 最後にちょっとしめっぽい話になっちゃうけど最後の「鎮魂歌」(レクイエム)って曲は、フォーマットはあったんだけど、ホント録音がゴリゴリで徹夜の連続で作りまして。満身創痍の疲労感の中、バンドの音の録音が終わりまして、メンバーが帰ってからひとりぼっちになって、この自分の20年と、ナンバーザの16年、このメンバーになってからの10年、直前に亡くなられた忌野清志郎さんのこと、このアルバムのレコーディングに関ってくれたスタッフやみんなのことを思い描きまして、そんで、万感の思いを込めてアドリブを弾きまして、そうしたら、意外にそれの方が評判がよかったりしまして(笑)。

── 亡くなったと言えば、マイケルジャクソンもですけど、その影に隠れて、ファラ・フォーセット・メジャース ※23)も亡くなられてるんですよね。

富澤 そう。初代チャーリーズエンジェルね。最初に意識した金髪女性だったなー。キレイだったよなー。

── そんなファラ・フォーセットの魂も鎮める位、気持ちの入ったアドリブって感じですか?

富澤 いや、その時点ではまだ死んでなかったよ。ファラ・フォーセット。

※16)プリズナース
のちにジェイムズ・テイラー・カルテットを結成するジェイムズ・テイラーがオルガン奏者として在籍したイギリスのネオモッズ・バンド。荒々しく疾走するサウンドは、ガレージ・パンクに通ずるスピード感、荒っぽさが魅力。

 

※17)スティービー・レイ・ボーン
アメリカのブルースギタリスト。その演奏スタイルは、エレクトリック・ブルースの1つの頂点と考えられており、後進の音楽家に巨大な影響を与え続けている。

 

※18)レイド・バック
意味は「くつろいだ」「気楽な」くらいのニュアンス。「ロックで言うレイドバックは仏教で言う悟りだ」と言ったのは、みうらじゅんさん。

 

※19)世界基準
インストで世界を目指しています。

 

※20)日本語と、英語と、ローマ字の3種類
歌詞カードを要チェック!!

 

※21)NUMBER THE. 式
意味はわからずとも、なんとなく味わってほしい。という意図から生まれた方式らしい。

 

※22)「あ、これ、NUMBER THE. のマネでしょ」
今後ローマ字で歌詞カード作っている人見たら言いましょう。

 

※23)ファラ・フォーセット・メジャース
TV『チャーリーズ・エンジェル』の初代エンジェル。2009年6月25日永眠。ご冥福をお祈りします。

 

 

 

Number the.
(ナンバーザ)

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Vo&G/ 富澤タク
Dr/外村公敏
Bass/松澤登
Key/七瀬ミチル

93年頃「Number the 9」結成。紆余曲折、メンバーチェンジを経て99年頃から「Number the.」として再スタート。 世界基準、地球的タイム感で恐ろしいほどマイペースに活動していたが、ついに本格始動開始!音楽リスナーを瞬く間に虜にしてしまう等身大で奥深い歌詞、バンド独特のグルーヴ感とメロディ!ついに「Number the.」のリプレイのスイッチが押される!

オフィシャルWEBサイト
http://www.t1ss.net

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Number the.
16年目プチツアー

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■09年8月26日(水)
新宿LOFT
OPEN 18:00/START 18:30
ADV¥2,300・通券 ¥4000/DOOR¥2,800
NUMBER THE/Prague/HaKU/真空ホロウ/カルマセーキ
ぴあ【330-030 】
ローソン【79365】LOFT 7/4〜

■09年8月29日(土)
UTSUNOMIYA LIVEHOUSE KENT
Tel:0286-350-011

■09年9月10日(木)
OSAKA 2nd LINE
OPEN 18:00/START 18:30 ADV¥2,500/DOOR¥3,000
w/BUGY CRAXONE/アルカラ
Tel:06-6453-1985
ぴあ【332-937 】
ローソン【54052 】
2nd Webサイト

■09年9月19日(土)
SHIBUYA CHELSEA HOTEL
Tel:03-3770-1567
チェルシーホテルWebサイト

『リッケンバッカー』フリーーートーーーク!!!!!!!!!!

 今回取材をするにあたって、100本ほど所有するというギター・コレクションを取材したかったのですが、すでに『ギター・マガジン』での掲載されているとのことで、断念。残念がるRRN編集部のために、所有する "リッケンバッカー"のコレクションを持ってきてくれました! ギターバカ2人によるかなりくだけたトークです。

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富澤 テーマが無いととりとめがないと思ったんで、"リッケン" ばっか持ってきたんだよね。家にある "リッケン" はこれで全部かな。

──  でも、ステージではあまり見かけない様な……

富澤:音がガンコだからね、曲に合わせてギターを代える贅沢な使い方が出来ればいいんだけど、バックステージとかローディが大変な事になっちゃうから。

──  使わないのに6本も!?

富澤 レコーディングでは結構使うよ。コレ ③ なんかムーパンのレコーディングに持っていって、2〜3本重ねて録ってるんだけど1本はコレで。ちゃんと使ってるよ。

──  ポール・ウエラーが所有してたっていうヤツ!?

富澤 一応証明書と載ってる雑誌の切り抜きも持っては来たんだけど。

──  (資料を見ながら)ああ、本当だ、この貼ってある手作り感がポールっぽい。セーターにビニール・テープで矢印貼っちゃう位だし。ピックアップとかスイッチ類が変わってるね。重要なのは、誰が変えたかだよね、

富澤 今度ポール・ウエラーに聞いてみないと。

──  そういえばエドガー・ジョーンズと対談してたでしょ。

富澤 そうそう、もう勝手に友達と思っちゃってるけど。

──  コレ ① は12弦なんだ。

富澤 コレ ② はピート・タウンジェント・モデル。サウンド・ホールが "fホール" になってる。コッチ ④ はギター・マガジンに載っちゃったんだけど、この中じゃ1番古くて高いんだよ。コレもこないだ使ったな。

──  コレ ⑤ はイイ色ですねー。渋い感じだけど実際見るとカッコイイ! 見かけも重要ですよね、ギターって。

富澤 コレ ⑥ も出音はイイんだよ。

──  見事に330オンリーですね、他にもあるでしょう!

富澤 俺はコレが好きなんだよ!  モノとしては "リッケン" が一番好きかな〜ギターの中で。

──  形がイイもんね。 "リッケン330" ばかりいっぺんに並ぶと迫力ありますね。

富澤 "リッケン・バッカー" だけに"リッケンばっか" 持ってきた "リッケン・バカ" っていうことで。

── :もしかして、それが言いたかっただけ…………。 



♦ リッケン・バッカー/Rickenbacker  ハンドメイドにこだわるアメリカ、カリフォルニアの楽器メーカー。主にエレクトリックギター/ベースを主力製品として、アコースティックギター、弦、ストラップなどを製造している。
♦ ポール・ウエラー/Paul Weller:イギリスのミュージシャン。1977年The Jamのボーカル/ギターでデビュー。以後スタイル・カウンシル〜ソロへ。現在も活躍中。
♦ エドガー・ジョーンズ/Edgar Jones:90年代、イギリスのロック・バンド、ステアーズのベーシスト/ヴォーカルとしてシーンに登場。バンド解散後は自身のバンド、ジョーンゼズを率いて活動。ポール・ウエラーのバンドメンバーとしても来日している。
♦ OPENERSでの対談:エドガー・ジョーンズ × 富澤タクa.k.a 遅刻『ロック一夜』 対談
♦ ピート・タウンゼント/Pete Townshend:イギリスのバンドThe Whoのギタリスト。1965年1月、「アイ・キャント・エクスプレイン」デビュー。ギターを壊すパフォーマンスや腕をぐるぐる回すウインドミル奏法等で有名。先日The Whoにて初の単独来日が実現。
♦ 330:リッケン・バッカーのギターの型番。ポール・ウエラー、ピート・タウンゼント等が愛用。ビートルズのジョン・レノンが愛用したモデルは325。