RRN 初期の頃と比べて投稿作品に変化はありますか?
リリー そうだなぁ。投稿の量は最初から多くて、選ぶのが大変な感じは変わらないんだけど……、基本的にどんどん文章が長くなっているかなぁ。
川辺 状況説明になってるというか。
リリー うん。どんどんつぶやきではなくなってきてるね。「つぶやき」は面白いネタを募集してるわけではないから。「つぶやき」の一番分かりやすい例を挙げると、前回の単行本にあった『私、ブスじゃない』
一同 (笑)
リリー こういうのが秀逸な「つぶやき」でしょ。誰に言うでもなく、独りつぶやいている感じ。でも、最近のは誰かに発言している傾向になってきてるよね。面白い事を「探そう」としているっていうか。ちょっとズレてきているかな。という感じはある。
RRN 面白いネタを作る必要はない?
リリー 面白さを求めすぎると面白く無くなる。それが「つぶやき」の難しいところだね。この間、著名人のつぶやきをお願いした大竹伸朗さんに会った時『いやぁ、苦労したよ……』って言ってて。もう、つぶやこうとした時点で、「つぶやき」ではなくなっているわけだから。って(笑)。本当につぶやいている時は『私、ブスじゃない』なんだよね。別にその言葉自体が面白い訳ではなくて、その空気感がおかしいっていう。
RRN 『私、モデルになる』とか。
リリー そう。それも好き。なんだろ、あの感じ。『来世でがんばろう……。』とか(笑)。その言葉自体は全く面白くはないのに、「つぶやき」というカテゴリーで聞くと、ものすごい深みというか、おかしみが出てくる。
RRN 孤独、っていうのもひとつのテーマなんでしょうか?
リリー だってつぶやきだもん。会話ではないから。まぁ、そこは矛盾もあって、さっきの大竹伸朗さんの話じゃないけど、よく考えればこのコーナーにメールを送っている時点ですでに本当の「つぶやき」ではなくなっている所もあるわけだから。でも、その空気感っていうか、孤独を感じる空気が。……川辺ヒロシの作品のように。
一同 (笑)
RRN そういう意味では川辺さんの作品は「つぶやき」ですよね。
リリ− そう。川辺ヒロシの作品で特徴的なのは、面白い事を探して書いているのになぜか孤独感が見える所。画が浮かぶんだよ(笑)。
川辺 偶然だと思いますけど。
RRN 普段からこんなこと考えているんですか?
川辺 考えてないですよ。年に1回、ものすごくダークな気持ちになりながら考えてますよ。なんでこんな気持ちにならなきゃいけないのかと思いながら。
一同 (爆笑)
川辺 本を見た周りの人から、なんでお前はそんなに寂しいんだって言われましたもん。(石野)卓球にも「消したテレビみてんの?」って、本気で聞かれたり。
RRN 音楽との共通点はありますか?
川辺 ないですよ! そんなの。
リリー 川辺はプロだから、別格だけど(笑)。つぶやいているのが「どんな人なのか」というのが重要になってくるんだよ。だから投稿の際には、出身地と年齢も書いて投稿してもらっているでしょ。そこまでが作品で、つぶやきに深みがでてくるから。あと、勘のいい人はつぶやきのフォロワーネタでペンネームつけてると思うんだけど。
RRN そこまでで「作品」ということですよね。
川辺 へぇ。そんなことになってんだ。
リリー 逆に常連さんとなってくると、プライドがあるから、ペンネームでオチを2階建てにしたりしてない。もう看板でやってますから。みたいな感じで。「しけった柿の種」さんなんかは、常連の中でももうスター扱いだと思うんだけど。
RRN 送ってくる量がハンパじゃないですよね。
リリー しかも、全部面白い。「どうしたら夫を好きになれるか何年も考えている」とか、もう何年も考えている「事」が面白い。毎回書いている事はほとんど同じで言い方を変えているだけなんだけど、この人は人の笑わせ方を知っていると思うんだよね。採用本数も一番多いんじゃない? 投稿ものって結局そうなるんだよ。一昨年、「ご教訓カレンダー」の選考委員やったんだけど、あれも何万通も応募があって、最終選考を40通くらいに絞ったところ、結局、超常連の人の作品が8通残ってて、しかもその作品が飛び抜けて面白い。
RRN なるほど。
リリー 「湘南のパティ」さんも多いよね。
RRN 「なんか祐三」さんや「大倉野のりゆき」さん「高木冴子」さんも多いです。
リリー 「千葉県・カメラマン・28歳」 も多いでしょ。ペンネーム変えてるけどわかる(笑)。
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