ロックンロールニュース


レギュラーコラム マイ・オン・ザ・69(ロック) 中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)

[2009年07月01日]
vol.42 機械が奇怪!

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 人には苦手なものって必ずあるはず。あたしの苦手なもの、一つ目に虫全般。特に嫌なのは、毛虫、幼虫、蜘蛛、ゴキブリ(でかいの)、セミ。小さい頃、ブランコに乗ろうとしてがっしと鎖を握るとどうも感触がわしゃっとしていておかしいなと思っていたら、そこに何やら赤茶けた毛虫が潰れていた。これがトラウマとなってもう絶対虫はイヤ! よく兄があたしの勉強机に「昆虫大百科」の幼虫のページを開いておくという陰湿なイタズラを繰り返し、その度にあたしは机に寄りつけず宿題ができなくて泣いた。大阪のエコノマをやり始めてからは、常連さんが何の気なしにセミを捕まえてやってきて「ほら、マイコ、セミやで」とずいと目の前に突きつけられてあたしは絶叫ののち狭い厨房内を逃げ惑い、スタッフの前で本気で号泣するという失態を見せたことがある。ほんまに怖いのだ。


 次にスポーツ。運動神経皆無なので、何をやらせてもダメ。走るとスーパーのおつとめ品を買いに急ぐおばちゃんみたいになる。球技なんかからっきし。小学生の時学区の野球チームみたいなのがあって、その辺の子はみんな練習から参加したりしていたのだけれどあたしだけはなんやかんや理由をつけて行かず、試合だけ少し見に行ったらいきなりかり出されてバットを握らされてバッターボックスへ行けと言われ、ホームベースの上に立って相手のピッチャーに爆笑された。もちろん空振り三振。中学生の時は体育のバスケの時間、突っ立ったまんまでボールが飛んでくるとドリブルなんてできないので即誰かに投げ、しまいにゃ自分とこのゴールにシュートを決め(そういう時だけ入る)、うわあシュートできたあと喜んでいたら味方のみんなに怒られ、もう二度とこんなややこしいゲームなんかするもんかと心に誓った。水泳なんかやったら溺れてるようにしか見えないし、まあなんせ運動なんか大っ嫌いなのだ。


 そして大人になって一番悩まされているのが機械。仕事上どうしても触らざるを得ないので仕方なしに使ってはいるが、パソコンなんて怖くてしかたない。あの文字化けってなんなんすか? なんや見た事ないハングルみたいな文字とか「豆」って字がややこしなったみたいな文字とか謎のちっさいカタカナとかずわーって出てくるでしょ? 怖くてしゃあない。あと何がイヤかって突然ご機嫌斜めになること。この前もパソコンでアニメ「けいおん!」を観ていたら突然電源が切れ、コンセントなどつながってるか確認した後色々押してみてもウンともスンとも言わなくなった。ぎゃああ! 嘘や! 嘘やろ! パソ子(うちのパソコンの愛称)! 死んだなんて嘘やああ! と頬ずりしてみたり撫で撫でしてみたりしたのだが息を吹き返す様子がない(そりゃそうや)。誰か! この中にお医者様はいらっしゃいませんかー! と慌ててDELLのサポートセンターに電話。担当の男性に「うちの子が意識不明なんです!」と訴え、言われるがままにパソ子をひっくり返したり内臓(バッテリー)を取り出してみたり戻してみたりしていたらそりゃあもうなんでもなかったかのようにパソ子はいつもの笑顔を見せたのだ。「先生! ありがとうございます!」「また異常が起こったらお電話ください。」まあなんて素晴らしいサポートセンター。絶対電話の主は男前やと信じて疑わない。こんなん魔法としか思えんのですよあたしには。
パソ子復活にほくほくしていると、今度はもう一台の古いノートパソコンのディスプレイが真っ暗になるという事態に。んぎゃあ! 音は出てるのに画面が真っ黒! どうした! どうしたんだビブ朗(愛称)! こんなに声は聞こえるのにお前の顔が見えないなんて! またアワワアワワと部屋中をぐるぐる回ったり、ビブ朗〜と呼んでみたり祈ってみたりしたが直らないので、コンピューターに詳しい常連さんを呼びつけ半ベソで「先生! この子をお願いします!」と我が子を託した。先生にちょこちょこちょこっと何やら弄られるビブ朗。するとまあまたあっさり画面が消えないようになったではないか! なんなんやー! すげえ! 機械を直せる人ってのは尊敬に値する。自分にゃ絶対できないことをやる人はやっぱカッコイイ。
 ってまあしかし怖いですわ、機械は。コンピューターは。便利やけどね。あたしみたいに手とか体とか使ってする仕事(エロではない)ばっかしてるとアナログ頭のまんまやから時代についていけなくなりますわな。んでまたテレビも地デジやなんやとか言うてるでしょ?どうしたらええねん! あのチデジカって家にも来てくれるの? 鹿せんべい用意しときゃいいの?


苦手は克服したいけど無理なもんは無理! 今日も料理と酒のことで精いっぱい!


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写真は全然関係ないけど新宿で飲んだ時見つけました。世の中に一番大事なものですね。


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 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/



vol.41 エコノマ本牧店3周年でした! はコチラから。


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