ロックンロールニュース


レギュラーコラム マイ・オン・ザ・69(ロック) 中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)

[2009年04月15日]
vol.31 PUNX@新橋

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 先日新橋ガード下にて一人飲みを敢行してきた。あたしも飲んだくれの端くれ。やはり酔いどれの聖地に行かずして酒を語るべからず! と息巻いてガードをくぐったわけだ。


 もちろん服装は気合を入れて、ブルータータンのライダースジャケットに、犬の首輪みたいなパンクチョーカー、黒フリルのミニスカート、ピンクに黒のゼブラ柄のレギンスにDR.マーチンのエンジニアブーツ。遅れて来たパンクス(30歳)、ほぼネズミ色のスーツに身を包んだ加齢臭の町(ごめんなさい)に降り立つ。


 夕方18時にもなると、既に高架下の飲み屋にはそこそこ出来上がって頬を紅潮させたオジサマたち多数。排気ガスと安酒と炭火焼、串揚げのニオイがあたしの飲酒欲を激しく刺激。早く飲みたい! でも店が多くてどこ入ろうか迷う。んあーどうする俺!


 小奇麗な店も多かった。でも違うよなあ、THE・ガード下! THE・ガードマン!(関係ない)って店に入らねば。そこでふと目に入ったのが「やきとん」「もつ焼き」の文字。お! 豚好き、もつ好き。ほどよくやれた感じの店構え(ごめんなさい)。はい、決定。迷わず入ったその選ばれしあたしのガード下デビュー店は、「ぶたBEN」という名前だった。なんかいいね。BBだね。略すとブリジット・バルドーと同じになるね。関係ないが。


 とりあえずカウンターにはあたし一人だったので、気楽だった。


「浦霞を冷やで。あと、もつ煮と、ガツとバラとラムを塩で、一串ずつください!」


 30代〜40代くらいの男の人3人でやってはった。内臓が好きなんです、とカミングアウトすると、シロとレバーもオススメされたので、とりあえずシロを注文。
 これが全部美味かった! ええ感じの塩加減と焼き具合。もつ煮も味噌味で酒がすすむすすむ。追っかけで焼酎水割りも注文。


「よくこのへんで飲むんですか?」


 そう見えますか?! いえ、初めてなんです、音楽かなんかやってるように見えますけど? いやいやただの調理師です、といった感じでほどよく会話を交わし、ほのぼのした時間を過ごす。ああ、なんて楽しい、ド平凡なのに非日常的な空気感。


 ええ感じのほろ酔いでBBに別れを告げ、もう一軒。名前はよく見ずに入ったのだが、ここはさっきよりもうちょい広い炭火焼屋さん。オープンになっていて、中にはカウンター、外には小さなテーブルがいくつか。これもまあいい雰囲気だ。もうええ塩梅のお客さんでにぎわっていた。


「熱燗ください!」


 と元気よく発表すると、


「煮込みが早いよ!」


 と店のおっちゃんから返ってきたので、もう腹は満たされていたが、


「じゃあ煮込みください!」


 NOと言えない日本人っぷりを発揮してきたぜ。まあでもこの煮込みがまた美味い!牛スジ肉の煮込みだったのだが、大鍋でよく煮込まれていてとろっとろ。熱燗に合う合う!


 隣にいた私服で若めのサラリーマン男性お二人と、反対隣にいた女性二人と会話を交わした。特に女性二人のうち一人は何故か泣いていたので気になった。


「この人あたしの上司なんですけど、やなことがあって、今励ましてたんです」


 そうかそうか。いいねえ、人生劇場やねえ。一緒に飲みましょう! 飲んで笑って時間はあっという間。
 でそろそろ行かねば、と席をたつ時に、何の気無しにその泣いてた彼女に、


「なんかわからんけど、大丈夫ですよ! 死にゃあせんから! うはは!」


 と声を肩を叩いたら、


「うえーん! ありがとうございます! うえーん! 絶対またここで会いましょうねっ!」


 と泣いて喜ばれた。うん、酔っ払ってたとはいえ、なんかイイことした気分だ。


 後ろ髪ひかれながら次は恵比寿へ。大阪にいた頃千日前の味園ビルにあった大好きだったバー、ブラックパンサーが恵比寿へ移転したので行くことに。ここはBGMがカオス(いつもじゃないのかもしれないけど)。ツボに入る音楽をしれっとかけてくれたりするのだ。その日もヒカシューかけてくれてありがとう、ブンさん。エコノマであたしがお客さんの会話に出てきた音楽をコソーリかけたりするのはここのブラックパンサーの影響なのだ。みんなも行くといいと思うよ。素敵すぎるから。大阪の毒が(笑)。


 そんなこんなでやっぱ飲んだくれは飲んだくれらしい居場所に帰るね! 新橋最高! ブラックパンサー最高!
 ALL DRUNKERS GO HOME!! ……家帰っちゃったらだめよ。


 やきとんの影響で豚バラ軟骨を使った新メニュー作っちゃったのでレシピ書いときます。


 では、今日もじゃんじゃん飲みましょ! 女一人飲みはいいぞっ!


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豚バラ軟骨とキャベツのスープ ガーリック風味

豚バラ軟骨    好きな量で
キャベツ     たっぷり   ざっくざく大きめに切る
玉ねぎ      適量     みじん切り
にんにく     たっぷり   みじん切り
鷹の爪      輪切り    好みの量で
オリーブオイル  適量
水        適量
チキンスープの素 ちょうどええ美味さになるくらい
塩こしょう    美味くなるくらい


 圧力鍋で、オリーブオイル、にんにく、玉ねぎ、鷹の爪を入れて炒め、豚バラ軟骨を投入して塩こしょう。軽く炒めたらキャベツをぼんぼん投入。油が全体に回ったら水とスープの素を入れ、蓋して圧力かかったら、鍋の機種にもよるけど、うちのは性能あんましよくないやつなので30分くらい。豚バラ軟骨が軟らかくなってキャベツがとろっとろに溶けてればよい。何度も試してみて。最終的に塩こしょうで味を整えたら完成。なんて簡単。コラーゲンたっぷり。
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写真左は豚バラ軟骨とキャベツのスープ。右は「ぶたBEN」の後に行ったお店の煮込み。店名は「羅生門」でした。芥川だね!最高!

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 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で31歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/


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中西マイって何者? と思った方! 特集では対談を掲載中です。
マイ・オン・ザ・69(ロック)連載スタート記念対談(後編)
中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。


vol.30 卵と戦う俺 はコチラから。


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