ロックンロールニュース


レギュラーコラム マイ・オン・ザ・69(ロック) 中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)

[2009年03月04日]
vol.25 エコノマという店をつくるまで、あたしの舌が……ガフッ!

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 2009年2月27日、あたしの本が出版されました。題名は「エコノマという店をつくるまで、あたしの舌が覚えてきたこと」。長い!「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」より長い! 色々覚えてきた舌も噛みますよ、そりゃ。


 この題名になるまでかなり悩み、出版社の担当さんとあーじゃないこーじゃないを繰り返し、脳髄溶け出す寸前まで100個くらいの題名案を出し、ボツになった死に題名の墓石に押しつぶされそうになりながら、ようやく決まったのがコレなんですよ。


 ボツ案少し紹介してみよう。「Cook’n roll」「料理魂」「トラウマ料理」「ここはどこ、あたしは料理人」「ラウド・キッチン」「ファイティング・コック」「カウンター60センチのメッセージ」「厨房でヘッドバンギング」などなど。ほらね、ダメでしょ? なんか。


 本一冊を作るのって大変やなあと痛感しましわ。もう二度とやるか! ……と思うはずもなく、今は次に料理ヴィジュアル本を作りたいなと野望を抱いております。構想はできていて、テーマは「エロ料理本」。早く作りたい。とアピールしてみる。


 あたしという人間は、どうも次から次へと野望が湧いてくるのだ。野望温泉。一個夢を叶えるためには全力アタック、叶ったら次! その上へ! 死ぬまで全力疾走。困ったもんだ。
 だから壁にぶち当たる時も全力ぶつかるのでダメージもデカイ。全力で凹む。立ち上がらなきゃいけない時、どうするか。あたしの場合。


 まず、酒。やっぱりかとお思いか。酒飲んでうまいホルモン食ったら忘れるくらいのダメージならこれで大体オッケー。ビバ・酒。
 あと友達。バカ話でバカ笑いして、ぱーっとカラオケにでも言ってギャーっと騒いでパンクで暴れて発散。30過ぎても変わらない。今もよくやる。昔みたいにカラオケ屋のグラス壊したりテーブルにダイブしたりはしないけど。


 そしてこれは本にも書いたけど、昔の友達に言われた言葉を思い出すようにしている。
 「守るな、攻めろ。壁にブチ当たったら逆サイドから攻めろ。」
 とにかく落ち込みやすい性格だから、顔だけでも前を向かないとね。


 あとこれは人生でもう50回くらいは観たんじゃなかろうか。皆様ご存じジブリの「魔女の宅急便」。この中のあるシーンを観るといつも心が落ち着く。
 主人公キキが突然魔法の力が弱くなって飛べなくなってしまった時、森で出会った絵描きの少女ウルスラの家に泊まる。その時の二人の会話。キキは自分の魔法のこと、ウルスラは自分の絵描きとしての経験を話す。


 キキ「前は何も考えずに飛べたの。今はどうやって飛べたのかわからなくなっちゃった。」
 ウルスラ「そういう時はジタバタするしかないよ。」
 キキ「でもやっぱり駄目だったら?」
 ウルスラ「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、何もしない。その内に急に描きたくなるよ。」
 キキ「なるかしら。」
 ウルスラ「なるさ。」


 うーん! 深い! わかる! ありがとう! そしてその晩寝る時にウルスラがキキに自分のことを話すところも好きだ。


 「絵描くの楽しくてさ、寝るのも惜しいくらいだったんだよ。それがね、ある日全然描けなくなっちゃった。それまでの絵が、誰かのマネだって気づいたんだよ。自分の絵を描かなきゃって。」


 あるあるあるある! そういう壁!頑張らねば! ……てな具合でウルスラちゃんに共感したりしてるとなんとなくすっきりしたり、デッキブラシに乗ってトンボを助けるキキに涙したりしてみたりするのだ。意外と単純だ、あたし。


 これからも壁にガンガンぶち当たると思う。その度に強く成長してるとは思うけど、やっぱりまだまだ足らないものは多い。そんな時助けてくれる何かが増えていく。大事なものや人たち。あたしはすごく恵まれてると思う。みんながいるから、あたしは自分の夢を叶えられたんだって、心底思う。心からありがとうと言いたい。


 次のステージへ行くために、戦います。
 だから今日も飲むぞ! BGMは「やさしさに包まれたなら」に決まりだ!
 うわ! テンション上がらないわ(笑)


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 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で31歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/


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中西マイって何者? と思った方! 特集では対談を掲載中です。
マイ・オン・ザ・69(ロック)連載スタート記念対談(後編)
中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。


vol.24 男と女のある風景 はコチラから。


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