ロックンロールニュース


レギュラーコラム マイ・オン・ザ・69(ロック) 中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)

[2009年03月25日]
vol.28 アテ自慢大会 PART2

m_o_t_69.jpg


 先月やった「酒のアテ持ち込みOK企画」が大好評につき、今月も開催しました。
 前よりクオリティもアップして、かなり酒を飲む手が止まらない会となりました。アテ持って来てくれた皆様、お疲れ様でした!&ありがとうございました!


 今回のラインナップはこんな感じ


 キャベツの浅漬け
 卵黄味噌漬け
 カマンベールチーズの味噌漬け
 もつポン酢
 オクラ入りつくね
 タコとウドの酢味噌和え
 鶏手羽元の黒コショウ焼き
 炙りいか軟骨
 キムチと挽き肉のレタス包み
 蕗味噌&きゅうり


 あとあたしが作ったのが4品。
 鮪とアボカドのわさび醤油和え
 鰤のゴマ和え
 鶏レバーの甘辛煮
 切干大根と帆立のサラダ


 どれもこれもかなり美味かった!やっぱりみんな料理上手いなあ思いますわ。素晴らしい。
 この企画、不特定多数の人に自分の料理を食べてもらうということになるので「大丈夫かなあ、みんなすごいなあ、自分の作ったのみんなの口に合うかなあ」と結構ドキドキするのだけれど、「美味しい!」「これ誰が作ったやつ?」と大絶賛されたりするとすごく嬉しかったり楽しかったり、また作っちゃお!ルン!、料理って楽しいよね、みたいな気持ちになる素敵な会なのだ。あたしがいつも言っている、「料理はセックス」に当てはめて考えれば、要するにこれはスワッピングなのか。「あちらの奥様のはいいですねえ」「いやこちらの旦那様のも…」みたいな。ああ、妄想暴走。


 しかしたくさんの人を自分の作った一皿が幸せにできるってすごくないですか?自分も幸せになるしね。この喜びを、あたしは毎日店で味わっているのだ。なんて幸せ者なんや、あたしは。みんなもこういう機会を通して、料理をどんどん好きになってくれると嬉しい。


 こういう酒のアテってささっと作れたら、できる女(男でも結構)みたいやないですか。急な来客に、
「すいません、こんなもんしかないんですけど…」
とか言いながらちょっと塩気の利いた激ウマなアテがぱぱっと出てきたら、


*会社の部下が飲んだ後、上司が自宅に来ちゃった場合
「いや〜○○くん!いい奥さんをもらったじゃあないか!
仕事も頑張れるってもんだ!」
*遅い時間に彼女の部屋で一緒に飲もうってなって彼氏が急に来ちゃった場合
『こいつと結婚してもいいかもなあ…』
*彼氏が彼女に作った場合
『なんか、かっこいいかも…♡』


 みたいなことになりますって。絶対。みんな大人になったら一人一品得意料理を持つべきだ! しかもささっと作れる絶品料理ね。モテる! 多分!(無責任)


 余談ですが、今回ネコ缶持ってきた子がいて、あたしは生まれて初めてネコの飯を食いました。意外と食えるのね。感想は、あっさりし過ぎたツナといったところか。マヨネーズとからしで和えたら普通に人間の食べ物になりました。そらネコもまっしぐらですわ。ヒトまっしぐらとまではならへんけど。


 では、今日も美味いアテと酒で飲むぞ!ニャー!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

切干大根と帆立のサラダ

切干大根   適量
ホタテ水煮缶  一缶
塩こしょう、醤油ちょっと
マヨネーズ
レモン汁
かいわれ大根

 切干大根を、水と帆立缶の汁で戻す。水気を切って、ほぐした帆立を混ぜ、調味料で和える。かいわれ大根をたっぷり載せて食べる! 超簡単! お好みで七味唐辛子をふったり、わさびを混ぜたりしてもいいかもね。


mai_090325_028_1.jpg mai_090325_028_2.jpg

写真左は切干大根のサラダ。右は意外と食えたネコ缶。




economat_cover.jpg

buy_.gif

 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で31歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/


mai_icon.gif

中西マイって何者? と思った方! 特集では対談を掲載中です。
マイ・オン・ザ・69(ロック)連載スタート記念対談(後編)
中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。


vol.27 オカンは超能力者 はコチラから。


reg_icon.jpg




[2009年03月18日]
vol.27 オカンは超能力者

m_o_t_69.jpg


 オカンがあたしに会いに来た。頻繁に話題にしているうちの母親だが、ほんまにエスパーかと疑う時があまりに多過ぎて、最近「冗談で言うてたけどほんまに超能力者ちゃうか?」と思い始めた。ということはあたしもその継承者の可能性は……?……ないか。奥様は魔女ならぬ、オカンは超能力者。エロ本の隠し場所なんかあっという間に見つかるのだ。ええ迷惑や。


 もうどうしようもなく行き詰って心身ともにズタボロの時、必ずと言っていいほどオカンは連絡をよこす。


「大丈夫? 長生きするのよ」


 長生きするのよって。普通年上の人に言うやろ。あたしの“死にたい癖”をよく知ってるからこそだろう。今回もそうだった。オカンはすごい瞬発力で横浜へ一人やってきた。
 またあたしの大好物のイチゴを持って。


 エコノマの厨房、あたしが仕込みをする傍ら、これまたあたしの大好物の豚汁を作ってくれた。本にも書いたがこれがお世辞無しにほんまに美味しくて。大根、ニンジン、もやし、里芋、油揚げ、玉ねぎ、生姜、椎茸、エノキ、豚バラ肉がたっぷり入って、出汁はカツオ、昆布、鶏ガラスープの素もちょっと。味噌は赤と白合わせて。そこに隠し味に牛乳、ほんのちょっとだけバターも入る。コクがあって、これだけでご飯がすすむすすむ。


 更にパパパッと余った大根で浅漬けを作り、もやしでナムルっぽいのも作った。オカン、やっぱあなた師匠ですわ。


 最近こんな料理をして、これが美味しかっただとか、しゃべっているうちにどんどんあたしの中にアイデアが浮かび、勝手に体が動き出した。


「そうや! こんなん作ってみよ! ああ! あんなんもええなあ! よし! やるぞ!」
「そうそう! 美味しそう! オカンも手伝うっ!」


 またこの人に背中を押してもらってしまった。……あたしマザコンなのか?(笑)特に心に響く激励の言葉をかけられたわけやないけど、なんかめちゃくちゃ元気になった。
 「ありがとう」と口にして、あたしの感謝の気持ちが全部伝わるとは思わない。多分言い方下手くそやし、照れてなかなか言えないけど、ほんまに感謝している。大事なうちのエスパー(今年で還暦)。


 そんなオカンとあたしのコラボレーションで出来た新メニュー。「長ネギと肉味噌のグラタン」
 肉味噌は、子供のころから武藤家でよく食卓に上っていた常備菜だ。挽き肉を甘辛い味噌味で炒りつけたもの。これだけでもご飯がすすむし、酒のアテにチマチマつまむのもいい。卵焼きに混ぜてもいいし、チャーハンに入れても美味い。一家に一品。
 それをよく太った長ネギをざくざく切ったものに載せ、ベシャメルソースをかけてチーズをたっぷり載せてオーブンで焼き目がつくまで焼きあげる。


 美味い。異常に美味い。ネギはとろっと甘く香りよく、赤味噌のコクのある塩気、ベシャメルソースのふんわりとしたマイルドさが全体をまとめて……マズイはずないでしょ。


「じゃ、ギリギリまで我慢しないでいつでも呼ぶのよ。また飛んでくるから。」


 ほんまに空飛んで来るんちゃうかな、この人は。神戸—横浜間を。名古屋、静岡あたりの方は時々上見といてください。うちのオカン(今年還暦)がビューン飛んでる可能性があります。おっちょこちょいなんで飛行機とかヘリとかに激突して墜落したら助けてやってください。ダンボールに詰めてエコノマ本牧店に郵送してください。


 じゃ、みんな食べに来て!ネギ肉味噌グラタン。
(最近エコノマのお客さんの注文が「ホルモンと、牛すじと牛タン、あと合鴨」みたいなんが多い。そこだけ聞いたら居酒屋か焼肉屋やんけ。そこへきて「肉味噌」まで…)


 じゃんじゃん飲んで!自分の金で!オカンに完敗で乾杯!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「長ネギと肉味噌のグラタン」

長ネギ  青いとこと白いとこ両方使ってもいいし、白いとこだけでもいい。
     縦4つ割にして、7〜8センチの長さに切る。

(肉味噌)
合い挽きミンチ  お好きな量
にんにく     ちょこっと。みじん切り。
鷹の爪     ちょこっと。輪切り
みりん、砂糖、醤油、赤味噌    適量。甘辛い感じで

(ベシャメルソース)
バター
薄力粉   粉とバターは大体同量
牛乳
生クリーム   それぞれ適量。ちょっともったりするくらいの濃度が美味いよ
ナツメグ    適量  前も言ったけど入れすぎるとトビます
塩・胡椒    適量

モッツァレラチーズ シュレッド
パルメザンチーズ


 肉味噌は、少しのゴマ油でニンニク、鷹の爪で香り出し、挽き肉を炒め、みりん、砂糖を入れて煮詰め、醤油、味噌を入れて炒めてええ感じの甘辛になればよし。
 グラタン皿に、ネギ、肉味噌、ベシャメル、チーズ、の順び重ねてオーブンで焼くだけ。簡単! そしてウマイ! 作るべし!


mai_090318_1.jpg mai_090318_2.jpg
写真左はオカン特製豚汁。右は長ネギと肉味噌のグラタンです。




economat_cover.jpg

buy_.gif

 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で31歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/


mai_icon.gif

中西マイって何者? と思った方! 特集では対談を掲載中です。
マイ・オン・ザ・69(ロック)連載スタート記念対談(後編)
中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。


vol.26 コブクロ はコチラから。


reg_icon.jpg




[2009年03月11日]
vol.26 コブクロ

m_o_t_69.jpg


 コブクロが好きだ。と言っても、小渕健太郎と黒田俊介の2人から成るフォークデュオのことではない。もちろん牛や豚の子宮の方だ。子供の袋だから子袋。そのまんま。


 この間、久しぶりにお気に入りの焼肉屋さん、闘牛家に行ってきた。もちろんいつものようにハラミ、ヤン、シビレ、ギアラ、ホルモンを注文。更に壁に目をやると、「期間限定!コブクロ刺し」の文字があたしを誘惑。すいませーん! コブクロ刺しも!! 


 ここのホルモン類は本当にハズレ無し。コブクロ刺しは、新鮮な生のコブクロを野菜と一緒に韓国風ちょい甘辛のタレで和えてあるもの。臭みもなくコリコリとした食感が最高! 焼酎がすすむすすむ。


 もともとコブクロにハマったのが、名古屋の今池にある「味仙」という中華料理屋さん。行くといつもコブクロをまず頼む。ここのコブクロは、さっと茹でてあって、ニンニクがこれでもか!というほどきいた唐辛子たっぷりの中華風ダレで和えてある。これがウマイんだ。瓶ビールから紹興酒へ、自然と体が吸い寄せられるではありませんか。飲まずにはいられませんよ! そんなにあたし酔わせてどうするのっ!


 ただニンニクが半端ないので、食後から翌日まで胃の中からニンニク臭が消えないこと請け合い。カワイコちゃんと会う前日、大事な会社の面接の前日、「お嬢さんを私にください!」とお父さんに挨拶に行く前日は控えた方がいいだろう。付き合いの深いカップルなら二人で食べれば大丈夫。


「チューとかしたらあたしニンニク臭いかもよ」
「いいよ、俺も同じだからわかんないよ」
「じゃあチューできるね♡」
「えへへ」
「うふふ」


 ……ってバカか。これが本当の臭い仲ってね。ってバカはあたしか。


 でもなかなか名古屋に行く機会もないので、食べられなくて寂しい思いをしていた。寂しさ余ってネットで検索してみた。「コブクロ 味仙」 すると出た! 嘘でしょ! ネット通販やってはるやないの! タレとコブクロを冷凍状態で地方発送いたしますとな!もちろん即効「購入」をクリック。これでいつでもあのコブクロが食べられると思うと、名古屋なんか一生行かなくていいかなと思う。嘘です。高校生まで過ごした生まれ故郷ですから、久々行って昔の友達に会いたいなあと思いますよ。そのうちまた行こうと思う。みんな元気かなあ。


 あの味仙のタレはどうやって作ってるのか気になる。今度送ってきたら食べて分析して、自分で再現してみよう。他の食材を和えても美味しいと思うし。茹で鶏や茹で豚、生タコやホタテでも美味しいかもしれない。


 さあ届いたら紹興酒を買おう。ビールも生より瓶がいいな。朝まで飲もう。
 あたしからニンニク臭がしたら、「あ、昨日食べたな」と思ってください。接客業失格。
 だからみんなで食べよう!そしたらチューもできるね♡ しねえよ!!


mai_090310_1.jpg mai_090310_2.jpg
写真左は闘牛家のコブクロ、右は味仙のコブクロです。




economat_cover.jpg

buy_.gif

 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で31歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/


mai_icon.gif

中西マイって何者? と思った方! 特集では対談を掲載中です。
マイ・オン・ザ・69(ロック)連載スタート記念対談(後編)
中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。


vol.25 エコノマという店をつくるまで、あたしの舌が……ガフッ!はコチラから。


reg_icon.jpg




[2009年03月04日]
vol.25 エコノマという店をつくるまで、あたしの舌が……ガフッ!

m_o_t_69.jpg


 2009年2月27日、あたしの本が出版されました。題名は「エコノマという店をつくるまで、あたしの舌が覚えてきたこと」。長い!「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」より長い! 色々覚えてきた舌も噛みますよ、そりゃ。


 この題名になるまでかなり悩み、出版社の担当さんとあーじゃないこーじゃないを繰り返し、脳髄溶け出す寸前まで100個くらいの題名案を出し、ボツになった死に題名の墓石に押しつぶされそうになりながら、ようやく決まったのがコレなんですよ。


 ボツ案少し紹介してみよう。「Cook’n roll」「料理魂」「トラウマ料理」「ここはどこ、あたしは料理人」「ラウド・キッチン」「ファイティング・コック」「カウンター60センチのメッセージ」「厨房でヘッドバンギング」などなど。ほらね、ダメでしょ? なんか。


 本一冊を作るのって大変やなあと痛感しましわ。もう二度とやるか! ……と思うはずもなく、今は次に料理ヴィジュアル本を作りたいなと野望を抱いております。構想はできていて、テーマは「エロ料理本」。早く作りたい。とアピールしてみる。


 あたしという人間は、どうも次から次へと野望が湧いてくるのだ。野望温泉。一個夢を叶えるためには全力アタック、叶ったら次! その上へ! 死ぬまで全力疾走。困ったもんだ。
 だから壁にぶち当たる時も全力ぶつかるのでダメージもデカイ。全力で凹む。立ち上がらなきゃいけない時、どうするか。あたしの場合。


 まず、酒。やっぱりかとお思いか。酒飲んでうまいホルモン食ったら忘れるくらいのダメージならこれで大体オッケー。ビバ・酒。
 あと友達。バカ話でバカ笑いして、ぱーっとカラオケにでも言ってギャーっと騒いでパンクで暴れて発散。30過ぎても変わらない。今もよくやる。昔みたいにカラオケ屋のグラス壊したりテーブルにダイブしたりはしないけど。


 そしてこれは本にも書いたけど、昔の友達に言われた言葉を思い出すようにしている。
 「守るな、攻めろ。壁にブチ当たったら逆サイドから攻めろ。」
 とにかく落ち込みやすい性格だから、顔だけでも前を向かないとね。


 あとこれは人生でもう50回くらいは観たんじゃなかろうか。皆様ご存じジブリの「魔女の宅急便」。この中のあるシーンを観るといつも心が落ち着く。
 主人公キキが突然魔法の力が弱くなって飛べなくなってしまった時、森で出会った絵描きの少女ウルスラの家に泊まる。その時の二人の会話。キキは自分の魔法のこと、ウルスラは自分の絵描きとしての経験を話す。


 キキ「前は何も考えずに飛べたの。今はどうやって飛べたのかわからなくなっちゃった。」
 ウルスラ「そういう時はジタバタするしかないよ。」
 キキ「でもやっぱり駄目だったら?」
 ウルスラ「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、何もしない。その内に急に描きたくなるよ。」
 キキ「なるかしら。」
 ウルスラ「なるさ。」


 うーん! 深い! わかる! ありがとう! そしてその晩寝る時にウルスラがキキに自分のことを話すところも好きだ。


 「絵描くの楽しくてさ、寝るのも惜しいくらいだったんだよ。それがね、ある日全然描けなくなっちゃった。それまでの絵が、誰かのマネだって気づいたんだよ。自分の絵を描かなきゃって。」


 あるあるあるある! そういう壁!頑張らねば! ……てな具合でウルスラちゃんに共感したりしてるとなんとなくすっきりしたり、デッキブラシに乗ってトンボを助けるキキに涙したりしてみたりするのだ。意外と単純だ、あたし。


 これからも壁にガンガンぶち当たると思う。その度に強く成長してるとは思うけど、やっぱりまだまだ足らないものは多い。そんな時助けてくれる何かが増えていく。大事なものや人たち。あたしはすごく恵まれてると思う。みんながいるから、あたしは自分の夢を叶えられたんだって、心底思う。心からありがとうと言いたい。


 次のステージへ行くために、戦います。
 だから今日も飲むぞ! BGMは「やさしさに包まれたなら」に決まりだ!
 うわ! テンション上がらないわ(笑)


mai_090303.gif



economat_cover.jpg

buy_.gif

 ハードロックやヘヴィメタルが大音量で流れる、横浜・本牧の居酒屋系ブラッスリー「ECONOMAT(エコノマ)」。大槻ケンヂを「神」と仰ぎ、セックスと料理の悦びを説く破天荒なオーナーシェフ・中西麻衣子が、料理に導かれ歩んできた波瀾万丈な日々を、その時に生まれた絶品メニューとともに振り返ります。巻末にはマニアックでちょっとアブナイ常連客たちとの必笑トーク集も収録!


「エコノマという店をつくるまで あたしの舌が覚えてきたこと。」中西麻衣子 著

発売日:2009年2月27日(金)
発行元:リトル・モア
定価:1,700円(+税)



中西麻衣子a.k.aマイ(料理人)
有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で31歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。


ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/


mai_icon.gif

中西マイって何者? と思った方! 特集では対談を掲載中です。
マイ・オン・ザ・69(ロック)連載スタート記念対談(後編)
中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。


vol.24 男と女のある風景 はコチラから。


reg_icon.jpg