[2008年10月29日]
vol.08 酒育
焼酎を愛している。毎日大体15杯くらい飲む。昔よりは減った方だ。ここんとこずっとお気に入りは里の曙という黒糖焼酎。つまみはめんどくさい時は海苔かキムチ。
めんどくさくなければ作るのはいつも決まっている。「ネバネバ」と名付けた。なんのひねりもないけど。これはよく行く本牧のバー、ジャンクヤードのマスターがいつも作ってくれていたのをパクってアレンジしたもの。
材料はマグロ、納豆、めかぶ、オクラ、大葉(しそ)。納豆とめかぶをしっかりかき混ぜて、そこにわさびを結構多めに。軽く茹でて刻んだオクラと、千切りにした大葉を混ぜる。そこに小さく角切りにしたマグロを入れて、めんつゆと醤油少々入れて味を調えて完成。まあ簡単なもんだ。これが焼酎のつまみにぴったりなのだ。ちょっと飽きたら味を変えて、わさびとめんつゆの代わりにキムチとラー油で韓国風にしたりもする。これならマッコリとか紹興酒とかビールも合うしね。
栄養的にもバッチリなんですコレ。マグロ赤身で良質なタンパク質と鉄分、納豆で大豆タンパクと整腸作用と血液サラサラ。めかぶ、オクラも整腸、血サラ、ビタミンもある。大葉には、余分な脂肪を腸が吸収するのを防ぐ物質が入っていると言われています。美肌、快腸、ダイエット効果まで期待できる、まさに30歳女子の味方! …まあ食いすぎて飲みすぎたら意味ないかもやけど。
いつから焼酎をこんなに好きになったんだろうか。遡ってみよう。
あたしが初めてお酒をのんだのが、多分ラム酒。めちゃめちゃ小さい頃、オカンが作ったエッグノッグに入っていたのを覚えている。エッグノッグとは、牛乳、泡立てた卵、砂糖、ナツメグ、ラム酒を混ぜたもので、イギリスでクリスマスによく飲まれるものらしい。なんかやたらオカンはこういうお洒落なもんが好きやった。ふわーっと甘くて美味しかった覚えがある。
次がカンパリ。これもいつも家に常備してあって、オカンがよく飲んでいたのをこっそり味見して、「にが!」と思った記憶が残っている。次がビール。これも苦かった。オトンにちょっと貰ったんやったかな。で次が日本酒。これは甘くて美味しいと思った。毎晩オトンが晩酌に豆腐や枝豆と一緒に美味しそうにちびちびやっているのが羨ましくてたまらなくて、一口貰ったのが最初。小学校くらいの時かな。こんな具合であたしは幼少期から酒の英才教育を受けていたわけだ。
それからは缶ビールとかチューハイとか。あとは、兄がバーテンダーの勉強をしていたから、カクテルなんかも飲ませてもらっていた。
辻調に行き始めてからは、ソムリエ専攻科なんかを取っていたこともあって、ワインを飲むことが多くなった。フランスに行ってからもやっぱりワイン。あとペルノー。
帰国してから自分で飲みにいくようになってからは、まず辛口のノイリー、そこからジン、テキーラロック。あとはスコッチウイスキーも好きで、ボウモアをよく飲んだ。
焼酎をよく飲むようになったのは、そのころちょうど焼酎ブームで、大阪四ツ橋にある焼酎と創作中華料理のお店で働き始めてからだろう。あたしが24歳くらいの時だ。当時結婚していた一度目の旦那も焼酎が好きで自宅でもよく飲んでいたが、あたしは一人ないしは仕事先の友達とバーで飲むことが多かったから、外で飲んだ量の方がはるかに多かったと思う。ぐでんぐでんになって家に帰ってはバタンキュー(古い)で、昼頃もう元旦那の出かけた誰もいない部屋で目を覚ます、という生活だった。やだなあ、そんな女房。
焼酎バーで働いている頃よく憤ったことがある。結構若い女の子のお客さんが多かったその店のウリは、200種類くらいある焼酎とそれに合う創作中華。だけど大概の女の子の注文は、
「えっと〜、チャンジャと、豚の角煮と、あと、カルアミルクとマリブパインで。」
チャンジャとカルアミルクって…。合うの? 否! 合うわきゃないやろ! 中華風刺身とヨギグレープ、牛アキレス腱の煮込みとフルーツシェイクとか、普通に注文されると毎回がっかりした。ええけど、ねえ合うの?それ美味しいの? 心の中で絶叫した。
お酒と食べ物の相性ってめちゃめちゃ大事やと思うんですよ。それとそれを合わせることによって、何倍も両方が美味しくなったり、両方がまずくなったりもする。それを知ってるか知らないか、実践するかしないかで、人生の楽しみの幅ってすごく変わると思いますよ。ほんまに。
餃子とビール、小龍包と紹興酒、キムチ鍋とマッコリ、チーズとワイン、刺身と日本酒。絶対に合う!ってもんてあると思う。その中で、これとこれも意外に合う!って発見も楽しいやろうし、げ!イカの塩辛と赤ワインって激マズ!って発見もまあたまには必要やったり。その点、焼酎は結構いろんなものに合わせやすいし、食事中飲むには結構うってつけやったりしますよ。あんまりクセのあるのはあかんけど。そういうのはゆっくりロックでいただきたい。
どうしても「私はカルアミルクが好きなのっ!何とでも飲みたいの!」という固い信念の持ち主ならいたしかたない。感服です。それはそれで結構。だけどあたしはやっぱり一緒に飲みに行くなら、食事とお酒を存分に楽しめる相手やないといややなあ。だから女友達が少ないのか(笑)。
さ、今日もどんどん飲もう!美味いアテと酒用意!
ネバネバ。焼酎の恋人。
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中西麻衣子a.k.aマイ(料理人) 有限会社spirytus代表取締役社長。2003年25歳の時に大阪・新町に「フレンチ風居酒屋」と称してビストロ・エコノマをオープン、2006年には横浜・本牧に2号店、ブラッスリー・エコノマをオープンさせ、店のお洒落な外観を裏切るデスメタルやハードロックをBGMにガンガンかけながら激しく営業中。現在本人は、エコノマ本牧店で料理に腕を振るったり飲んだくれたりしている。今年で30歳。夫はクレイジーケンバンドのサックス、中西圭一a.k.aジャッカル。でも1番大好きなバンドは筋肉少女帯。
ブラッスリー・エコノマ http://spirytus-economat.com/
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中西麻衣子a.k.aマイ×中西圭一a.k.aジャッカルの夫婦対談です。
中西麻衣子a.k.aマイ
(料理人)
プロフィール
横浜・大阪にハイテンションなフレンチ居酒屋「エコノマ」を構える、有限会社spirytus代表取締役社長兼料理人。大槻ケンヂを神と仰ぐメタル好き。でも服装はパンク好き。
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