[2009年04月25日]
vol.40 回転寿司屋さんにて
「私、安上がりのものばかり好きだわ」
日曜日、渋谷センター街から路地へ入ったところにある回転寿司屋さんのカウンターに座りながら彼女が言う。日が暮れる前の中途半端な時間帯。いつもは混雑しているのだろうが、空席がちらほら。彼女はさっき試着してみたマーガレットハウエルのカットソーが気になっているようだった。
「意外とちょっと食べてみたいわ」
回ってきたプリンを指差して笑いながら彼女が言う。ぼくは、プリンの横に添えてある嘘のように赤い缶詰のサクランボが気になった。中学生だった頃、いつもは黄色っぽい弁当しかつくらない母が、たまにこの赤いサクランボをいれた。なまぬるい舌の感触とギザギザの銀紙を思い出す。
「ヒカリものがダメなのよね」
ぼくも、そうだった。寿司のネタでは、ぼくも安上がりなものが好きだった。けれど、最近は、脂ののったトロのおいしさもわかるようになってきた。自分の変化が嬉しいところでもある。彼女も、何気に大人の女性へと日々変わっていっているのだろう。

小さな魚の置物。
購入場所:もらいもの。
値段:ありがとう。
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「2001年、奥さんは高齢出産、ぼくはほぼ無職……。子供にどう接したら良いのかも、ぼく自身の行く先も、わからない! そんなオトコでもパパになれた」──ウルフルズの人気ベーシスト、ジョン・B・チョッパー氏がかつて女性誌『SWEET』で連載していた「父子手帖」の単行本化。仕事、子育て、奥 さんとの生活に悩むオトコの苦悩が赤裸々に綴られている他、秘蔵写真も満載です。
「父子手帖」ジョン・B・チョッパー 著
発売日:2008年9月1日(月)
発行元:ビジネス社
定価:1400円(本体1333円+税)
ISBN978-4-8284-1449-2
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[2009年04月10日]
vol.39 彼女の美学
「も〜、ちょっと〜」
洗面所から彼女の声がする。明らかに、軽く怒っている。かといって、大事件でないのは間違いない。この声のトーンは、「ビクッ」とするが嫌いではない。
「なくなったら、ちゃんと入れ替えてよね」
ティッシュケースからティッシュの空箱を取り出し、潰しながら彼女が言う。そのことについては「気をつけよう」と素直に思うが、空箱の潰しかたのほうが気になった。角を合わせて折り畳めば、もっと小さく捨てられる。飲み終えた牛乳パックの潰しかたも同じである。
「いつもなんだから」
断じて言うが、「いつも」ではない。けれど、言えない。もしも、それを言えば、厄介な展開になっていくのは目に見えている。ちょっとしたことで機嫌の悪くなる彼女だが、買ったティッシュやトイレットペーパーを「男には持たせない」という美学がある。

ブラックベアのティッシュ(nepia)
購入場所:Yahoo! オークション
値段:100円
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「2001年、奥さんは高齢出産、ぼくはほぼ無職……。子供にどう接したら良いのかも、ぼく自身の行く先も、わからない! そんなオトコでもパパになれた」──ウルフルズの人気ベーシスト、ジョン・B・チョッパー氏がかつて女性誌『SWEET』で連載していた「父子手帖」の単行本化。仕事、子育て、奥 さんとの生活に悩むオトコの苦悩が赤裸々に綴られている他、秘蔵写真も満載です。
「父子手帖」ジョン・B・チョッパー 著
発売日:2008年9月1日(月)
発行元:ビジネス社
定価:1400円(本体1333円+税)
ISBN978-4-8284-1449-2
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