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レギュラーコラム BIKKE

[2007年08月10日]
僕らの知らない小さな僕ら vol.10

bikke_070810.jpg これは確か、私が2歳か3歳の頃の話だそうだ。
 私には3歳年上の幼稚園に通う兄がいて、給食にでる、その頃の当時の私にとっては珍しいものを家に持ち帰ってきた。もちろん、その頃の私は何がなんだか分かってはいない歳だが、兄が持って帰ってくる“ヤクルト”に、異常な反応をみせていたようだ。それは、たぶん、兄はヤクルトを飲み終えると、丸い飲み口にベロを押し込んで、空になったヤクルトの容器を上下、左右、そして、グルグル回しながら私を追いかけまわしていたようで、それが、どうも、とても気にいっていたようで・・・・・。
 だから私は、兄がヤクルトを持って帰ってきた日は、大はしゃぎで、手をパチパチ叩きながら家の中を走り回っていたようです。
 そして、ある日、ヤクルトを持って帰ってきた兄を発見した私は、いつもの通り、大はしゃぎで、家の柱に頭をぶつけながら喜んでいると、兄が私の手を引っぱって家の外に連れ出したのだ。小さい子供が2人きりで外に出るのは危ないと思った母が、こっそり私達の後をつけていくと、家から少し離れた電柱の影で、兄が私にヤクルトを半分わけて飲ませていたらしい。
 なぜ兄が家じゃなく、外で私に飲ませたかというと、母から、
「ヤクルトは甘いから、みーちゃん(私)には、あげちゃだめよっ!」
と、言われていたからだと・・・・・。
 だが、私が興味をもっていたのはヤクルトの中身ではなく、その空を使ってオモシロイ顔をして追いかけてくる兄だったのに・・・・・。
 そして、電柱の陰でヤクルトを半分ずつして飲み終わった私たちは、稲の刈り終わった田んぼの中を走り回っていたらしい。
 ヤクルトの空をくわえた兄に、私は追いかけられながら。



僕らの知らない小さな僕らvol.9はコチラから。


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