[2008年02月25日]
vol.81「置き手紙」
部屋に帰ると、テーブルのうえに置き手紙を見つけた。
「グローブは、次の試合が終わったら返す。冷蔵庫にウィダーインを入れておいた」
終電に乗り遅れ、仕方なくうちに一泊して帰った弟が残した置き手紙には、そう書いてあった。弟は、グローブを勝手に借りたお詫びに、ウィダーインを冷蔵庫にインして帰ったようだ。
置き手紙なんて、何年ぶりだろう? このご時世に置き手紙を残すなんて、弟もなかなか古風な男である。別に置き手紙なんか残さなくてもいいのに…。
そんなことを思いながら、置き手紙のヘタクソな字を見つめていたら、胸がジーンとした。久しぶりの置き手紙だからなのか? 手紙に書いてある内容自体、間違ってもジーンとするようなものじゃない。じゃあ、なぜ、そんな気分になったのか? たとえば、こんなことが置き手紙に書いてあったら、どうだろう?
「和歌山県アドベンチャーワールドの双子のパンダ、繁殖のため中国へ出発」
試しにボクは手元にあったスポーツ新聞から記事を抜粋し、置き手紙にしてみた。それとなくジ〜ンとするじゃないか。中国へ旅立つパンダを想像すれば、なお良し。じゃあ、これはどうだ。
「女医でタレントの西川史子、エッセー発売記念握手会で、結婚相手の年収は4000万円以上と高飛車な笑み!」
一瞬、ムカっとしたけど、その後に「今はなかなか釣り合う人がいない」という本人のコメントを付け足すと、切なくなる。
「突然のことで正直ビックリしています。必要としてくれる球団があることを信じています」
千葉ロッテから戦力外通告を受けた藤田のコメントも置き手紙にすると、藤田のファンじゃないけど、泣いちゃいそうよ(byともさかりえ)。こうなると、なんでもありだ。
「ゴミの分別回収のご協力ください」
するよ。まちがいなく協力する! どんなに忙しくても、ちゃんとキャップとペットボトルも分別するから。そりゃもう、牛乳パックもキレイに洗って、乾かしてから捨てるよ! よくわかんないけど、許して!
「ダルマさんが転んだ!」
エッ、大丈夫? ねぇ、ケガはない? 肩、貸そうか? もぉ、涙で前が見えないよ…。
「エンドリケリ☆エンドリケリ」
ソメイヨシノ(すすり泣き)。
「会社の金を横領しました」
何があったんだ? 金に困っていたなら、言ってくれれば良かったのに…。
「彼氏の弟とヤッちゃった…」
そうかぁ…(ひたすら号泣)。
こんな感じで、いろんなことを置き手紙にして(注意:自分の字だと冷静に判断できないので、彼女に書いてもらいました)シュミレーションしてみたら、どうでもいい文章でも、結構ジーンとした。
テレビの上に鏡餅。トイレにはブルー・レット。線路には石(←犯罪)。人は何かと置きたがる生き物。「その気はなくとも、相手が勝手にジーンとしてくれる」という性質を活かし(悪用し)、あらゆるシチュエーションで置き手紙をしたためてみては? 結構使えると思います。責任はもてないけど…。
もっこりハチベエ(ライター)
女優の真木よう子にキツイ言葉を浴びせられたいです…。
































