ロックンロールニュース


レギュラーコラム 大野ケイスケ

[2008年01月25日]
巨乳王子 vol.7

oono_080125_07.jpg 巨乳から世界を見る僕の人生。巨乳を定義する物差しは「数字」から「アルファベット」に変わった。これによって巨乳は「単なるデータ」の域を超え「大いなる物語」を内包した身体の一部となった。「数字」の時代においても、僕は「大いなる物語」を認識しながら神聖な気持ちで臨んでいたが、そんな「巨乳の物語性」が一般の人々にも認知されることとなった。文字の使用が変革をもたらしたのである。「数が増加」することと「文字の順列」ではまったく意図することが別だ。数字のときは、85だ88だ92だと言われて、その背後にある物語を読み取るまでには至らなかった。だがアルファベットとなると、DだFだGだという文字は人々になんらかの物語の端緒を感じさせる。A、B、Cまでは「物事の基礎」を言い表すことが多いせいか物語性が希薄だが、Dとなると先述したように「ダイナミック」とか「ダイレクト」とか「ダイナマイト」とか「ドルビーサウンド」といった「勢いのある外来語」からくる「激しい」印象を与え、Eはその読み「イー」から「良い」となり「安定感」、あるいはメルセデスベンツの「Eクラス」からくる「重厚感」を思わせ、Fは「ゆらぎ」を想起させる。Gとなると「重力加速度」や「万有引力定数」を表わす文字でもあることから「地球」や「宇宙」を感じさせ、Hとなるとそのまま「性行為」で、Iは「愛」や英語の一人称である「私」を連想させるだろう。新しい単位によって、巨乳は一気に物語を獲得するようになった。
 ちなみに日本工業規格に基づくと、ブラジャーは「Iカップ」までである。



大野ケイスケ(放送作家)
1973年生まれ。放送作家、ライター。「新堂本兄弟」「ミュージックフェア21」「クイズ!ヘキサゴン」などを担当。


巨乳王子 vol.6 はコチラから。


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[2008年01月04日]
巨乳王子 vol.6

oono_071225_06.jpg  巨乳が世界の中心を占める僕の人生。ある日突然、巨乳は「数値化された結果」から「アルファベットによる格付け」の時代がはじまった。これは革命である。一気に「巨乳再編」が行なわれた。もっとも大事なことは、いったいどこからが巨乳かという問題だ。いまだに意見が分かれるところである。A、B、C、D、E…の「カップ」なる単位は、Dからが巨乳ではないかという曖昧な基準値が囁かれているものの、それは多分に「ダイナミック」とか「ダイレクト」とか「ダイナマイト」とか「ドルビーサウンド」といった「勢いのある外来語」の頭文字Dからくるイメージの問題であって、僕自身はかなり怪しい基準値だと思っている。失礼な話だが着衣の状態から見る限り、明らかに巨乳を感じさせない女性が「わたし、Dカップですよ」的な告白をするようになった。Dというアルファベットの呪縛はおそろしい。前記の「勢いのある外来語」のイメージの刷り込みもあって、見た目は違うのに本人からの告白をもって「彼女は巨乳だ、Dカップだ」という認識がなされ、街には「Dの巨乳」が瞬く間に増殖しはじめた。たしかに衆目に晒され恥ずかしい感情を抱くこともなく、「自分はDカップなのだ、巨乳なのだ。」という誇りを持つことは女性として力強い生き方だろうと思う。女性の自立を一歩進めた功績もあるのかもしれない。しかし、巨乳とは神に選ばれし崇高な創造物を有した女性のことである。そう簡単に増殖していいものではない。僕はそう考える。



大野ケイスケ(放送作家)
1973年生まれ。放送作家、ライター。「新堂本兄弟」「ミュージックフェア21」「クイズ!ヘキサゴン」などを担当。


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