[2007年11月28日]
巨乳王子 vol.4
巨乳とともに歩むことになってしまった僕の人生。巨乳とは神より与えられしものと認識しているが、実のところ「数値」である。そこには「測定」があり「結果」がある。その「数値化された結果」によって、巨乳であることが初めて認められる。しかし、いくら「数値化された結果」とはいえ、いったいどこからが巨乳なのかというのは、なかなか難しい問題だ。
ここにはひとつの歴史がある。かつて、その「数値化された結果」は「センチメートル」で表わすことが一般的であった。僕の解釈でいうと、それは「78」あたりから始まり、顔重視の正統派アイドルはキリのいい「80」が決まりで、「81」「82」「83」あたりは微妙な数字で、「84」となると中途半端ではあるが「これはもしかして…」という淡い期待を抱かせ、四捨五入して「90」となる「85」を過ぎると「これはかなりの確率で…」という確信が深まり、「90」を越えると「これは絶対」という認知に至ったものである。個人的には「88」が好きだった。ゾロ目である。
特に水着をセールスポイントにしていないアイドルや若手女優のプロフィールを見るとき、真っ先にその「B」の項を確認したものだった。「85オーバー」が記載されていようものなら、早く水着にならないものか、早く映画で脱がないものかと、秘かに熱望していた中学生、高校生であった。
頭の中には常に85以上の数字が巡っていた。テストの結果もちょうどそのあたりが高得点だ。しかし、そんな「センチメートル」の時代はいつしか終わりを迎えた。「数値化された結果」は「アルファベット」で表わされるようになったのだ。単位が取って代わったのである。A、B、C、D……
僕の頭の中で巨乳は再構築されていった。
大野ケイスケ(放送作家)
1973年生まれ。放送作家、ライター。「新堂本兄弟」「ミュージックフェア21」「クイズ!ヘキサゴン」などを担当。































