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レギュラーコラム 大野ケイスケ

[2003年08月05日]
巨乳王子 vol.1

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 ついにこの時を迎えてしまったというのが正直な感想である。
僕の人生において「巨乳」という言葉は大きな位置を占めてきた。いわゆる「巨乳好き」である。いつから好きになったかよく覚えていない。小学校6年生の夏のある日、「僕は巨乳好きでいこう!」と決意した記憶もない。
おそらくこういった性的嗜好というやつは神様から与えられるもので、ある時ふと気づかされるのだと思う。「…君は、巨乳が好きなんだよ?」と。
それは中学校3年生の冬。初めて自分の手でアダルトビデオを借りた。年齢的にこれは偉業といえる。当時の気持ちなどとうに忘れてしまったが、かなりの度胸を必要とする行動である…しかも学生服。どうにもならない欲望が溜まりに溜まって全身ベトベトだったんだと思う。店員が不審がるほど長考した挙句、当時大人気だった女優の作品を選んだ。
どことなく不潔なレンタルビデオのケースを鞄に忍ばせ、自宅まで自転車で10分の道のりはおそろしいほど長く感じた。過度の期待で死ぬんじゃないかとさえ思った。家に着き、運良く家族がいないのをいいことに、学生服のまま速攻で観賞&使用した。だが…それはそれで衝撃を受けたものの、どこか「しっくり」いかなかった。あれだけアダルトビデオのコーナーに行くのに勇気を出したのに…あれだけ作品を選ぶのに緊張したのに…あれだけ店員の冷たい視線に耐えたのに…その代償はあまりにも「しっくり」いかない不満足なものだったのである。とはいえ、レンタル期間の二泊三日きっちり観賞&使用し、二本目を借りに行った。そして運命の出会いを果たしてしまった。一本目ほど長考はせず何気なく借りた人生二本目のアダルトビデオは「巨乳系女優」。ちなみに一本目は「美少女系」だった。「巨乳系女優」の観賞&使用は驚くべき「しっくり」を与えてくれた。この時気づいてしまった…「僕は巨乳が好きなんだ」ということに。そしてよくよく考えてみれば、小学校の時に好きだったアイドル、おニャン子クラブの中で好きだったメンバー…どれも「巨乳系」だった。世界が一瞬にして変わった。この啓示の衝撃はかつて経験したことのないもので、当時の僕を困惑させた。「どうして好きかという自覚がないのに何故か好き」という状況を受け入れるにはまだ幼すぎたのだろう。実をいうとあれから十数年がたち、ある程度大人になった今でさえ、その答えは見つかっていない。単にそんな自分に慣れただけだ。だから今まで「巨乳好き」であることを公言するのにためらいがあった。公言した途端、頭が悪そうに見られるという弱虫な一面もあった。加えて「巨乳好き」を公言する同好の士と会話が噛み合ったためしがない。多分彼らと比べて僕はトップクラスの「巨乳好き」だ。巨乳に対する見解、知識は並大抵のものではないと思う。だがいつも孤独を感じている。神様はなんて残酷なんだろう。僕をなんのために「巨乳好き」にしたのか…いや「巨乳好き」という言い方自体不適当かも知れぬ。僕の中にあるのは「巨乳愛」とでも言うべき高尚なものだ。神様からひとつの愛をもらったんだと思っている。
僕はこの場を借りて、自分の中に渦巻く苦悩や葛藤を書きながら、巨乳とともに歩む自分を探していこうと思っている。


大野ケイスケ
1973年生まれ。放送作家、ライター。
リリーさんとはCX「ココリコミラクルタイプ」でご一緒させてもらってます。たまにJ-WAVE「TR2」に遊びに行くことも。