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レギュラーコラム ZONONEM

[2007年10月15日]
熟爛漫 vol.14

zono_071010_014.jpg 六本木交差点近くの、老舗ジャズクラブ『サテンドール』。
 店内では、バーカウンターで静かに水割りを飲みながら、あるいは、テーブル席で、仲間との会話に興じながら、皆、ステージの始まりを待っている。
 ジョージ・ルーカスを太らせたような巨漢、クリス・シルバースタインが、まずは登場し、べースを軽く弾き出す。最初はチューニングしているかのように、そして次第に、リズムを創り出した頃、帽子にヒゲを貯えた藤井摂が独特の明るい表情で現れ、ドラムを合わせる。いつの間にか、爽やかな美青年・秋田慎治のピアノが加わり、誰もが聞き覚えのあるメロディが奏でられる。
「New York New York 」。
 ♪Start spreading the news(さあ、新しいウワサを広めよう) I'm leaving today(今日、私は旅立ちをする)


 客席の後ろから、鳴り響く、圧倒的なパワーみなぎる、歌声。
 振り返ると、初めての、生の、マリーンが、まぶしい笑顔をたたえて、テーブルを回りながら、ステージに近づいていく。
 見事にシェイプアップされたボディに、タイトなジーンズがとてもよく似合う。
 

 ♪I want to be a part of it,New York, New York!
 (あの場所に仲間入りするために、ニューヨーク、ニューヨークよ!)


 軽々と歌い上げて、すぐに2曲目、これもおなじみのスタンダードナンバー「君の瞳に恋してる」を、思い切り張り上げた、しかも伸びのある華麗な声で、聴かせる。


♪You're just too good to be true(あなたは素晴らしすぎる)
 Can't take my eyes off of you(あなたから目が離せない)

 のっけからの快唱に早くも、高揚し、拍手する客席。
 チャーミングな笑顔で応えるマリーン。
 

 いよいよMC。「最近、ビリー…、バンバンじゃなくて、ブートキャンプ始めたの…」と自分で吹き出しながら、話し出す。16年ぶりのメジャーアルバム制作のこと、バンドスタッフの紹介、時には客席にマイクを向け、テンションの高い最前列の熟年男性をいじったり、遠方からやって来た女性グループに感謝したりしながら、実に楽しげに喋る。
「知ってた〜、マリーン、業界古いよ〜、芸歴29年目よ〜、アグネス・ラムとデビュー一緒の、アイドルだったのよ〜」

 観客を充分和ませた後に、自分と同じだけ大人になったというヒット曲「マジック」を情感たっぷりに、続けて、自分が生まれた年に作られ、格別の思い入れがある名曲「レフトアローン」を、ピアノとのデュオでしっとりと歌う。
 さらに、畳み掛けるかのように、オリジナルのバラード曲を抜群の美声で、2曲熱唱(途中で、各メンバーのソロ演奏が何度か入るのだが、よほどお気に入りなのか、ピアノパートの前にだけ「ピアノ、アキタシンジ」と面白がって連呼していた)。
 そして、圧巻は、クィーンの「I Was Born To Love You」。(ザンジバル生まれのフレディ・マーキュリーがザンジバ〜ルに乗り移った)ド迫力の声量で、自在に歌いこなすマリーンはまさに美しく輝いていた。


 最高潮の盛り上がりの中、アンコールは一体となった客席の拍手をバックに「Sing,Sing,Sing!」。


♪Sing sing sing sing! (シング シング シング シング)
 Everybody start to sing! (誰もが歌い始める!)


 ♪ラドル ラ〜 ホワ〜 ホ ホ〜
  

 とても楽しい幸せな気分に、思わず体がスイングする。
 この時、誰もが思ったであろう!


 《やっぱり何だかんだ言って、マリーン最高、好きすぎ〜!》


熟爛漫 vol.13はコチラから。



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