[2003年04月03日]
熟爛漫 vol.1

9歳年上の妻と結婚して、1年が過ぎた。
安月給ではあるものの、妻もまだ元気に働いてくれているため、生活にさしたる支障はなく、ほどほどに楽しみのある日々。式を挙げず、指輪(薄給の二週間分)と旅行(妻が「北の国から」ファンということで富良野)のスケールが小さい、という肝心のところはふがいなかったが、一応は家具も揃い、家で鍋をつついたり、観葉植物を育てたり、たまにはババンと!混浴のない地味な温泉に出掛けたりと、それなりの心地よさを感じて生活している。「いつも新婚気分で」とは、蓮池薫さん・祐木子さん夫妻が、故郷柏崎市のデートスポット‘恋人岬’のプレートに書き付けた言葉だが、20年以上も連れ添い続けてなお、青春を感じさせるこの名夫婦にあやかり、自分たちも出来るだけこの気分を長持ちさせたい。そう願っている。
しかし、夫婦という生活形態の目新しさに刺激を受けつつ、生活の心配にさして追われることなく、ある程度気楽に過ごすことを許された(将来設計などという辛気くさいことはとりあえず後回しにできた)この猶予期間もまもなく終ろうとしている。
私たちの場合、妻の年齢のこともあって、そもそもそれが欲しいかどうかはともかく、子作りという事業だけは先送りにするわけにもいかず、入籍後早々に、避妊をやめた。今まで常時装着していた極厚コンドームを脱ぎ捨て、やみくもに発射し始めたものの、(さらに早くなったことが原因か)いまだ届きはしていない。いや、もし運良く妊娠したとしても、そこですぐさま、高齢出産という問題、妻の離職による収入激減という問題が浮上するわけで、それはそれで素直に喜べる事態ではない。かといって、そうしたリスクを避けるためだけに、子作りという選択肢を断念する覚悟はやはりなく、作る覚悟も作らない覚悟も定まらないまま、1年が過ぎた。タイムリミットは着実に近づき、自分たちには出来ないのでは?という不安が、じわじわと進行していく。昔、ロッテ時代の落合は、三冠王を取ったシーズンオフに、「この冬はとにかく子作り」と宣言して、その言葉通りに夫人を妊娠させたが、夫婦生活の意識を、SEXから子作りへと、きっぱり切り替える決断をどこかでしなければ、やはり結果は得られないのだろう。
妻をいつまでもギラギラとした眼で見つめていたい、とは思う。
が、そんな話は、やはり、おめでたい。
園田敦史
1970 年生まれの窓際編集者。風俗情報誌『ナイトウォーカー』で、リリーさんの「白線流星群」(連載 7 年目に突入)のみを担当。他には、父・園田徳造の自分史『京都の信州人』とその続編『京都の信州人の詩』を編集。
































