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レギュラーコラム 山崎二郎 (Barfout!)

[2003年12月06日]
新・オレ流 vol.4

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 前日の雨が嘘のように見事に晴れ上がった秋空の下、ゆっくりと時間が流れていく平日の昼間の野球場が好きだ。この日、〈神宮球場〉では早慶戦100周年を記念してのOB&現役混成チームによるゲームがおこなわれていた。普段の〈神宮〉と違って、年配の方々が多いスタンドの中、話題は早稲田の4番を打つタイガース入りが決まった鳥谷がホークスを日本一に導いた和田投手とどう対戦するか?であった。
 が、僕が今日、ここに足を運んだのは別の理由であった。昨年、メジャーのニューヨーク・メッツを解雇され、日本も含め、どの球団からも誘いがなくも、「現役投手」という肩書きでもってのテレビ解説の合間、黙々と母校・早稲田のグラウンドで練習を続け「その日」を待ち続けてきた小宮山 悟投手が1年ぶりに実戦のマウンドに立つという報を聞いたからだった。
 考えてみて欲しい。
 その行為がどれだけリスクがあることかを。
 しかも、だ。学生を含めたこのお祭りのエキビジション・ゲームという場で、もはや通用しないことを無残にも証明されるかもしれないのだから。
 2回。先発の和田投手の後を継いでマウンドへ。ブルペンでカーヴの軌道が定まらなかったそのままがマウンドでも出てしまった。ホームランを含む2失点。だが、要所にコーナーを巧みに突く投球術は健在、な印象はもったものの、現役最後のマウンド——事実上の引退試合の感を抱いたまま、この回を終えた時点で席を立った。
 自分と同じ38歳。見渡せば、この歳で現役を張っているのはスワローズ・古田捕手とドラゴンズ・山本昌、バファローズ・加藤投手しかいなくなってしまった。野球選手と言えば、いつだってパンチ当てて、ポシェット抱え、柄ものセーターを着てた「年上」であったハズが、いつの間にか、入団前から「将来はメジャーに挑戦したいっス」と吐く、自分より年下ばかりになってしまった。それは11月23日に松山でおこなわれた『OBオールスター』戦のメンツを見て再確認させられるハメとなった。
 2年前、札幌でおこなわれた第1回ではミスター、中西、杉下、天秤打法の近藤などが出ていたのが、今回はブンブン丸にスロウボール・星野、西崎なんかの世代が中心に。「確実に時代は移った」と、原&伊原の解任、きな臭い星野の辞任、小久保のバーゲンと、「夢」の世界ではなく、「企業」の嫌な内情を思う存分に見せつけられ、野球への愛情がどんどん失せていっていただけに、ダメ押し感が強くしたのだ。
 ところが、だ。
 昨日の12月2日に飛び込んだ「マリーンズ、小宮山獲得!! バレンタイン監督が後押し」というニュースを聴いて驚いた。確か、5年前、クビにしたマリーンズだから、余計に。
 解説者への強力な武器の「最終学歴ジャイアンツ」を蹴って、しかも一度引退試合もしたのにも関わらず、ドラゴンズへテストを受けに行った川合に続いて、とても、とても、いい話ではないか。両方ともバレンタインに落合が監督であったというのがポイントであったのは間違いない。
 確かに企業としての球団には、もはや、メジャーも含めて移入することは出来ないだろう。が、そこに風穴を開ける個人の力がまだ、あることに希望を持ちたい。
 そして、あらためて思った。
 野球っていいなぁ。