[2003年12月12日]
新・オレ流 vol.5

今シーズンほど、これまでアンタチャッブルだった応援団の存在にメスが入った年も記憶にない。ジャイアンツ応援団員と〈東京ドーム〉係員が結託してゲイトを勝手に開けて人を入れ儲けてたり、タイガース応援団員が昨年の〈甲子園〉での原監督胴上げセレモニー敢行に文句をつけ恐喝と。また、長年、問題視されていた外野席の傍若無人な席取りに対して、外野席も指定導入や、ヴィジター応援席を設けたりと、球団、球場側もやっと重い腰を上げた格好だ。
ここになんか時代の流れを感じたのだ。というのは長年、応援団と球団、球場はお互い持ちつ持たれるの関係であったからだ。昔、今よりも球場に来る客のガラが悪かった時代。応援団が自警団のようにスタンドの治安を守っていたという側面があったからだ。それに対してのチケットの便宜が図られた。今では考えられないことだが(あっ、今なら考えられるか!!)ジャイアンツ戦でもスタンドが空いていたという時代、チケットの便宜など大きな問題ではなかっただろう。が、いつしか連日超満員と化していくうちにビジネスとして暴力団が介入。それが暗黙のうちの球界の暗部であったが、一昨年だったか?〈後楽園〉の時代から長年、球場と関係があった地元、暴力団の先代が死去し、その舞台裏が報道されたことがターニングポイントであったと思う。
というのは嫌なところはあっても、長年、先に挙げた応援団やダフ屋を窓口とした暴力団の存在は球場を取り巻く「風景」として受け入れていたからだ。ところが、そこから180度違う、一般ピープル(しかも若いヤツ中心)で盛り上がるサッカーのサポーターからの影響に、テレビから連日流れるメジャー・リーグの、来てる客が強制されずに思い思いに楽しんでいる応援スタイルによって、野球に対する空気も変わったんだなぁと。その象徴がマリーンズの応援。いつしか〈東京ドーム〉のライト・スタンドも真似するようになったのが興味深かった。
変化といえば、最近、もっとも驚嘆を禁じえなかった「変化」が『ヤンキー母校に帰る』での加藤夏希だ。こ、こ、これがあのアニメの実写版みたいなドラマでえんじぇるすまいるをキめてたナッキーか!!と見間違える程のスケバン(←死語)ぶり。しかも「こんな芸風も出来ますよ」ってノリじゃなく「こっちが地なんじゃない?」位の堂々たる演技。確かにだ。その切れ長で強い目元はヤンキーにぴったりであった。加藤をこの役に抜擢した采配に乾杯。同じてぃ〜んく〜るびゅ〜てぃ〜の栗山千明が『キルビル』で大ブレイクを果たしたが、これからの流れになるのかもしれない、綺麗で恐いフェイスって。あっ、既に柴崎コウが高感度上位っすかぁ!? やっぱ、日本人って好きなんだよね、ヤンキー・カルチャー。
[2003年12月06日]
新・オレ流 vol.4

前日の雨が嘘のように見事に晴れ上がった秋空の下、ゆっくりと時間が流れていく平日の昼間の野球場が好きだ。この日、〈神宮球場〉では早慶戦100周年を記念してのOB&現役混成チームによるゲームがおこなわれていた。普段の〈神宮〉と違って、年配の方々が多いスタンドの中、話題は早稲田の4番を打つタイガース入りが決まった鳥谷がホークスを日本一に導いた和田投手とどう対戦するか?であった。
が、僕が今日、ここに足を運んだのは別の理由であった。昨年、メジャーのニューヨーク・メッツを解雇され、日本も含め、どの球団からも誘いがなくも、「現役投手」という肩書きでもってのテレビ解説の合間、黙々と母校・早稲田のグラウンドで練習を続け「その日」を待ち続けてきた小宮山 悟投手が1年ぶりに実戦のマウンドに立つという報を聞いたからだった。
考えてみて欲しい。
その行為がどれだけリスクがあることかを。
しかも、だ。学生を含めたこのお祭りのエキビジション・ゲームという場で、もはや通用しないことを無残にも証明されるかもしれないのだから。
2回。先発の和田投手の後を継いでマウンドへ。ブルペンでカーヴの軌道が定まらなかったそのままがマウンドでも出てしまった。ホームランを含む2失点。だが、要所にコーナーを巧みに突く投球術は健在、な印象はもったものの、現役最後のマウンド——事実上の引退試合の感を抱いたまま、この回を終えた時点で席を立った。
自分と同じ38歳。見渡せば、この歳で現役を張っているのはスワローズ・古田捕手とドラゴンズ・山本昌、バファローズ・加藤投手しかいなくなってしまった。野球選手と言えば、いつだってパンチ当てて、ポシェット抱え、柄ものセーターを着てた「年上」であったハズが、いつの間にか、入団前から「将来はメジャーに挑戦したいっス」と吐く、自分より年下ばかりになってしまった。それは11月23日に松山でおこなわれた『OBオールスター』戦のメンツを見て再確認させられるハメとなった。
2年前、札幌でおこなわれた第1回ではミスター、中西、杉下、天秤打法の近藤などが出ていたのが、今回はブンブン丸にスロウボール・星野、西崎なんかの世代が中心に。「確実に時代は移った」と、原&伊原の解任、きな臭い星野の辞任、小久保のバーゲンと、「夢」の世界ではなく、「企業」の嫌な内情を思う存分に見せつけられ、野球への愛情がどんどん失せていっていただけに、ダメ押し感が強くしたのだ。
ところが、だ。
昨日の12月2日に飛び込んだ「マリーンズ、小宮山獲得!! バレンタイン監督が後押し」というニュースを聴いて驚いた。確か、5年前、クビにしたマリーンズだから、余計に。
解説者への強力な武器の「最終学歴ジャイアンツ」を蹴って、しかも一度引退試合もしたのにも関わらず、ドラゴンズへテストを受けに行った川合に続いて、とても、とても、いい話ではないか。両方ともバレンタインに落合が監督であったというのがポイントであったのは間違いない。
確かに企業としての球団には、もはや、メジャーも含めて移入することは出来ないだろう。が、そこに風穴を開ける個人の力がまだ、あることに希望を持ちたい。
そして、あらためて思った。
野球っていいなぁ。

































