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レギュラーコラム 長澤一浩

[2007年03月08日]
第10回「大砲ラーメン」

070308.jpg はい。メン・ナンスです。
 ごぶさたしてます。

 
 アタシは、「卒業写真」という映画の撮影の仕事でしばらく九州の久留米にいました。
 そこで、友の手伝いで映画の製作という仕事をしていました。
 製作ってどんな仕事かというと、出演者、スタッフの下の世話以外のすべての世話係で世でいうところのお母さんみたいな奉仕の精神(まっとうしたところで何の評価もない)を要求される大変やりがいのある仕事です。


 帰ってくると、皆たちまちE人になってしまう。


 昼飯とか全員が食べ始めないと、食っちゃイケないんです。
そして、水だ、おかわりだ、ゴミの片付けだ、要するに食っちゃイケないんです。


 わかんねぇ〜だろうなあ〜。


 シビレるよ。


 まあ、アタシの場合、スキマ、スキマのにわか製作でしたから、田吾作くらいなもんで、気もそぞろに、トッ散らかった仕事っぷりでしたが、そんな人間以下の田吾作にだって人並みにストレスというものは、湧いてくるんですねぇ〜。


 そんでもって寝る時間も金もそんなにないということになるっていと、食うしかないんですなあ〜。


 食いましたよ。スキマ、スキマで。
 とんこつラーメン海峡九州横断の旅ですたい。


 DEEPな海の底から、町場の誰も知らない名店まで、くまなくすすりました。

 
 それでいて、2ヶ月近くいた中で、どれが一番うまかったか? というのは多過ぎてわからないです(久留米だけで、40軒くらい回りました)。


 体調とか腹の減り具合もあるし、何よりもヤケになってストレスをラーメンにぶつけてるだけでしたから。


 そんな泥のような精神状態で人は何を頼りにするかというと有名(フェイマス)であるということかもしれませんのぅ〜。


 フェイマスだと、やはり何かと話題にあがることが多く、バレ飯(時間もないので各部署ごとにバラバラに飯を食うというはからい)だと、多数決になるんです。


 で、一番リピート回数がダントツだったのが久留米でフェイマスな大砲ラーメンでした。
 大砲ラーメンが、なぜここまで数あるとんこつラーメンのなかでフェイマスになったのか? というのはネーミングにあるように思います。


 昨日の余ったスープに、新しいスープを永遠に継ぎ足していき、そうすることでコクと深みが損なわれない(他でもやってそう)。これを、“伝説の呼び戻しスープ”と命名したところが、二代目・香月均さんのグレーテストな手腕だと、アタシは思いました。


 “伝説の呼び戻しスープ”。
 なんか、おいしそうでしょ!?
 ええでぇ〜。


 小泉純一郎さんが、“改革を止めるな”で圧勝しちゃったように、ワンフレーズは、途方もない力を持つ時があるような気がします。


 つーか、みんなわかってねぇ〜し、なんとなくそんな気がするというのが、最近とっても大事なことのような気がする今日この頃です。


 あと、大砲ラーメンには、新メニューに昔ラーメンというのがありまして、ラードを揚げ玉みたいにした“カリカリラード”というのがのっていて、これがむやみにクサく、最初に食べたとき、ギョエーッて感じだったのが3回目食ったとき、スポッとハマってしまった(これもフェイマスの力なのか?)。
 こっちにはあの味ないし、どうしたらいいの?
 恋したらしぃーの。


 タイでのバーミーナームのパクチーとの出会いもこんな感じだったが、最初に拒否反応を起こしちゃう匂いの強い食べ物には、何かこう人を虜にする魔物が宿っているような気がしてならない。
(納豆、くさや、芋焼酎、青カビチーズ、ドリアン、塩辛、マンガ……etc)


 杉本彩さんのオーガズム・ライフの中のワンフレーズ、“愛する相手が発するニオイを思う存分味わうのが、たまらなく好きっ”。
 そのお言葉で、アタシもかなりいろんな部分を解放されました。
 ニオイに積極的に挑んでいくようになれました。


 アタシは、かつてとんこつのニオイが、苦手でしたが、今回一歩踏み込み、ニオイがないとダメなタイプに進化しました。


 新しいものとの出会いは自分が壊れていくようでコワいけど、42歳にしてまだまだ地球には知らない悦びがたくさん転がってるという期待感が西入した時のようで、何よりうれしく感じました。


 ピリオドの向こうへ〜MORE THAN FEELIN' ミタイナ、初春。
 BGMは、山下達郎の甘く危険な香りでお願いします。っつってーっ!


大砲ラーメン・本店
昔らーめん480円 安いっ!
久留米市通外町11-8
11:00〜21:00
無休
0942-33-6695
P 11台