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レギュラーコラム 長澤一浩

[2005年10月17日]
第2回「元祖一条流がんこ総本家」

051017.jpgお知らせ!!
元祖一条流がんこ総本家がまた名前を変え、宗家 一条流がんこラーメン(宗家)になりました。



 変態(メタモルフォーゼ)し続けるラーメン界の巨星、一大勢力がんこ系ラーメンの家元、一条安雪様のお店を、紹介させていただきやす。一条様のすごいところは、本当にこの人ラーメンの事しか考えてないのかもしれないと、思わせるところだ。

 トイレには、あらゆるラーメン本、そばの本、料理のレシピ本,タレの本、カレーの本などが、無造作につまれてあり、洗面所横の棚には、怪しげな栄養剤、ビタミン剤、胃薬、謎の塗り薬なんかが、置いてある。さぞかし、日々の体のメンテナンスたるや、大変なのだろう。

 そのお店の外観は、黒塗りの鉄壁に牛の首の骨がぶらさがり、青白い電球の眼差しが、来る者を後ずさりさせる。ハカイダーやダースウ゛ェイダーを感じさせる格好よさだ。

 そして、一条様のいでたちは、仙人のような白ヒゲをたくわえ、丸坊主で鋭い眼差し、グンゼの白Tシャツに作業ズボン、ベルトにはチャッカマン、なんとか工務店の手ぬぐいを首にかけ、足元は白長靴である。渋いぜ!決して気取らない。

 最初に店を始めたのは、高田馬場で、そこから青砥、新宿内藤町、西早稲田と場所を変え、現在の都電荒川線「早稲田駅」に今のところ落ち着いている。自由人であり、根なし草というか、Like A Rolling Stoneな方なのだ。

 がんこラーメンといえば澄んだ牛骨スープに、潔いほどしょぱい塩味&黄金の麺に、トロけるチャーシューだとアタシは思うのだが、(アタシも一度ラーメンを作った事があるのだが、澄んだスープというのは一番難しく、沸騰させずに、ていねいにアク抜きをして長時間寸胴と向き合わねばならない。少しでも気を抜くとすぐ濁ってしまう。)その塩ラーメンを、システム化していちずにクローズアップすればもっと認知されるのにと、凡人のアタシは思ってしまうが、あの方はそんな事などおかまいなしだ。そのラーメンスタイルは、次から次へと変わり自分が現在食いたいというラーメンを発表する。そして客に「俺もさっき食ったんだけど、うまいね!今もう一杯食おうかどうかまよってるところなんだ。」と本当にうれしそうに言っている。バカだ。突き抜けてる。

 そして月一回スペシャルラーメンと称して、第一土曜日、一条様の思うがままのラーメンイベントに、アタシは敬意を評して並んでしまう。っつうか気になるんですのもの。過去の作品は、伊勢エビスープ、すっぽんスープ,蛙&マルガニ、上海ガニ、すずめ&貝の小柱、アンコウの肝、etc夢は象のスープだとか、楽しみですなあ。踊らされてると言われれば、それまでだが、イヤ違う、むしろ踊りたいのだ。客がスープを飲み干した時のアナタのしてやったりのうれしそうなツラが見たいがためであり、Liveのようでもあり、発表会なのだ。800円くらいで自分も参加でき、ついでに腹も一杯になる。すべては、一条様のためであり、客もそれを楽しんでいるかのようだ。また一条様は、意外にもナイーブで客がスープを残すと、本当に悲しそうな顔をする。だからアタシも全部飲んでしまう。しょっぱいぜ!何か違う気がするが、これが一条マジックであり、それも含めて一条流なのだ。

 でだ!やっと今回のおすすめの話です。裏メニューの悪魔ラーメン(550円)だ。しょっぱいゾー!しょっぱ過ぎて汗がでるの、辛くて汗はあるでしよ?味も濃い分旨さも濃いからイケるよ。

 この悪魔ラーメンが一般に受け入れられない事、一条様も十分承知だ。「じゃ何で作るんですか?」と聞いてしまうと「俺が食いたいんだから当たり前だろう」とこうである。恐れ入る。

 で、出てきた!真白いドンブリに、醤油色のスープ、黄金の麺、15cmくらいの豚バラ肉2枚(200円)まるで悪魔の舌のようだ。そのスープをすすれば、(ヤッベ死む。)と脳に伝達され、心拍数が上がり、どっかの回路(安全という名のイス)がパキッパキッ音を立てて崩れ、皮を脱ぎむき出しの魂に出会いスイッチがONになるのが、わかる。「うんーーーめーーーーーいっ!」始まりである。

 その昔、ガキの頃にしょう油をカケすぎて、親に怒られながらも、本能では、もっとしょっぱい方がウマいのにと魂が叫んでいた事を、誰もが思い出す事になる。寿司にはしょう油をどっぷり、とんかつはソースドボドボにだ。うめーんだ、上品が何だっつーんだ!?シャラくせいーっ!

 一度スイッチの入った者には理性など何の意味も持たない。本能のおもむくまま悪魔の舌と接吻しながら、醤油のしょっぱさにムチ打たれるままに加速、麺を完食。最後のスープは一条様の手前、心で悲鳴をあげながら、「死ぐぅーっ、でもうめーっ、やべーっー、!」もうこんな事は二度としません。浅はかなアタシが悪うございました。明日からは明るい太陽の下で人々の役に立つようにがんばります、と思いながら大声で「ごちそうさまでしたー!」などと言っている自分に気付き、一条様に「ありがとうねーまた来週!」と言われ、ありがたい気持ちになり、日常にもどっていくのです。興奮が冷めるとともに、なんか顔がかゆく、ひざはしびれ、内臓は異物感にパニック状態になり身体の根元からS.O.S.が!

 そしてここからメンテナンス、(塩分を薄めろ)と身体からメッセージ、すばやくコンビニでヘルシア、飲むヨーグルトなど、身体に良さそうなのを買い、歩きながら一気飲み、でもそんなニュートラルな飲み物では対抗できないのどの渇き、やはり刺激には刺激でコカコーラである。それも三本目なのに一気飲みでやけにうまい。男らしいゼ!さらにゲップをためらいなく、「ア”ーーーッ!」思い切りいこう。


運が悪けりゃ死ぬだけさ、ミタイナ秋


ちなみに牛骨スープ4年ぶりの復活おめでとうございます。吉野家の牛丼も復活が決まったそうです。一条様が言ってたので間違えなし。バンザーイ男子!


BGMはローリングストーンズバージョンの「ライクアローリングストーン」でお願いします。っつってーっ!


元祖一条流がんこ総本家

住所 電話掲載できず

都電荒川線早稲田駅近く

12:00〜売り切れ次第終了

定休日/日、祝 スープ出来の悪い日


人間・長澤一浩(メンテナー)