header_081001_04.gif


レギュラーコラム 高橋毅

[2004年01月07日]
vol.14 平和な日本人のためのグッズ

 
1595年、豊臣秀吉は自分以外、すべての家臣は菊を紋章に使ってはならないと命じた。菊は、江戸時代はじめて宮廷から民間に広まり、文人、学者や庶民まで菊を栽培する権利を得たが、菊の使用権は皇室に独占されていた。1868年、日本の『太政官布告』195号は、菊の花を最高権威の象徴として天皇だけがこれを独占し、天皇の専用の紋章とすることを規定した。もし民間で誰かが菊の紋章をみだりに使えば、「不敬罪」で厳しく処罰された。

 戦後、菊は皇室の独占ではなくなったが、菊を尊重する風習は今日でも日本の至るところで見られる。

 警視庁の徽章、国会議員たちが胸につけている議員バッジ、日本国パスポートの表紙。日本で非常に有名な清酒「菊正宗」。毎年秋、京都で行われる有名な競馬の「菊花賞」。それに忘れてはならないのが皇室の「菊のご紋章」。

 「菊の紋章」は、十二世紀の後鳥羽天皇が菊好きだったため皇室で使われるようになり、大正十五年の皇室儀制令で皇室の紋章として法制化されたそう。天皇、皇后、皇太子様などは十六葉八重表菊形、宮家などは十四葉一重裏形の紋章を使われている。そして「菊」は花を愛する平和な日本人のシンボルでもある。

 中国では、不老長寿の薬として栽培されおり、菊の葉からしたたり落ちる水を飲んだ人が700年たっても少年のままだったという言い伝えもあるという。ちなみに最初に栽培菊をつくったのは中国らしい。


 「菊」の花言葉は『高貴、高潔、真実』。


 ということで、年明け1発目のチェゲラは「菊の紋章グッズ」に注目してみる。

 皇居内の売店、もしくは直営店(!?) のみでしか入手することができない「菊の紋章グッズ」。つまりライセンスものではない“オフィシャル”ということにこだわってみよう。平日の昼間、手続きしなくても入れる(入場無料)大手門から入場。30にして初皇居。テケテケ歩くこと約3分の所にポツンと現れた休憩所。奥にあるガラスのディスプレイにはお宝だらけ!! ネクタイピン、カフス、しおり、絵はがきなど(もちろんすべて紋章入り)数あるアイテムの中、貧乏なボクがセレクトしたのはこちら。


 


ワイングラス、二つ折り財布、日本酒セット、マグカップ、ミニタオル。これらはもちろん“オフィシャル”もの。「菊の紋章」が入っているということに意味があるから一つ一つにコメントはしませんが、クロコダイル風に型押しされた財布はレアらしく、売店のおばさんが「コレはなかなか入ってこないんだよぉ〜」という言葉に打たれて即購入。しかも1200円という激安品。ミニタオルには金色の刺繍が入ったプリティな一品。特にお気に入りです。


 んで以下はこれからゲットしたいアイテムとうんちく。


●「恩賜のたばこ」

 両陛下が地方訪問などの際、警備に当たった警察官や皇居の清掃活動を行う勤労奉仕団などに渡される「恩賜のたばこ」。純国産の葉を使用した「1号たばこ」と呼ばれ、10本と20本入りがあり、1本ごとに菊の紋章が印刷されている(紋章なしもあるらしい)。ちなみに恩賜のたばこは、日本たばこ産業(JT)が宮内庁に納入している。しかし最近の健康増進法の施行など禁煙の動きが広がる中で、宮内庁は天皇、皇后両陛下が感謝の品として配布している「恩賜のたばこ」を見直すことを決めた。1世紀以上の歴史があったが、「脱たばこ」の時流を考慮した。……千代田区に菊の御紋章入りタバコの発売を願う。

●「10万円金貨」

 昭和61年、昭和天皇在位60周年記念に発行された「10万円金貨」。表に鳩と水、裏に菊の紋章。発行枚数は1000万枚ながら原価はわずか4万円。当時小学生だったボクには到底手には届かなかった。というかその存在すら知るはずもないですが…。

●「菊の紋章入り灰皿(ガラス製)」

 手続きしないと入れない皇居参観コース内にある売店でしか売っていないという、コレクター泣かせなアイテム。

●「菊の紋章付きベンツ」

 ドイツのバーデンヴュルテンベルク州の州都シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館には、昭和天皇が使用していた、菊の紋章付きベンツもある。コレはさすがに入手できないので一度は現物を見てみたい。


 BJ氏ではないが、「菊の紋章グッズ」コレクションはまだまだ続くのです。あのゆったりとした独特な時間が流れた皇居は、何度でも足を運びたくなるような中毒性を持った場所。グッズ目当てはもちろんだが、足を運びまくりになりそうです。

 ちなみに菊の紋章の独占制が廃止された現在となっては、東京駅や上野駅で“東京みやげ”として売っていてもよさそうなはずなのだが、あえて皇居内でしか売っていないというレア具合がコレクター魂をくすぐっています。やはり「菊の紋章グッズ」には今でも独占性があるはずだ、と勝手に思い込むボクなのです。手に入りにくさが花言葉のように高貴なイメージを演出しているのでは?

 とにかく「菊の紋章グッズ」には人間の好奇心をくすぐる気がしてなりません。

 今度は靖国神社の白鳩しかり、平和の象徴である「鳩」グッズに注目してみようと思う。