ロックンロールニュース


レギュラーコラム オグラ

[2009年06月10日]
vol.85 田植えの話

オグラ田植えの話イラスト 『消費者ってなんかダサい』『買ったら負けだ』という思いつきで始めた『ゴミ箱稲作』。去年は大失敗に終わってしまった。


 今年は何としても成功させよう。との思いから、農業関係出版社のOさんにたのみ、本物の田植えを手伝わせてもらうことにした。


 5月の早朝、関東近県の田んぼにつくと、年齢30〜50代の田んぼボーイ&早苗ガールが総勢12人。みんな『消費者ってなんかダサい』と密かに思っているに違いない。そして、自分以外はプロに見える。「毎年やってっから、わかんな、もう?」と地元のMさんが田植機の操縦をひと通りレクチャーしてくれる。しっかりおぼえようと初めの人と二人目がやるのを張り付くように見ていた。するとOさんが「じゃあ次、オグラさんいってみますか?」というので、張り切って田んぼの中へ。足が膝下までズブズブっと入る。転倒覚悟でのぞんだが、意外とまっすぐ植え付けられた。


 二反ちょっとあった田んぼだが、12人が順番に一往復づつやったらあっというまに終わってしまった。端のほうだけ手で植えたが、これを全部手でやってたら大変だろうなあと思った。あとは畝が崩れないようにトタンで補強作業。


 みんなで農具を洗い、一休み。『ああいいな せいせいするな 風が吹くし 農具はぴかぴか光つているし……』と時間のないころのゆめをみていると「オグラさん、夜はさなぶりがありますんで。」とOさん。サナブリ……? 外国人女性ゲストでも来るのかなと思っていたら、『さなぶり(早苗饗)』とは、無事に田植えが終わったことを祝う宴会のことだそうな。


 全員が近くの旅館に泊まり、食事&地ビール。部屋に戻って地酒と地おつまみ。ふだん自分がつきあってる人たちとは明らかに異なる呑み会。もめ事が起こる訳でもなく、交わされる会話の行き先は、結局農業のこと。農家、農薬、自給率など、のどかだけど真剣な話を聞けてとても面白かった。


 翌日はOさんたちの車に乗せてもらい帰京。走っていると「あ! あったよ、直売所」「いやいや、この先にもっといいとこがあるんだよ」「じゃあ、次あったらスグ入ろう」という内容の会話が飛び交う。「直売所、直売所」と、なんだかファミレスでも探してるような感じ。直売所とは農産物直売所のことで、地元の野菜などを売っている所。「これはいいカボチだ」「やっぱ安いね〜」などと楽しそうに、ダンボールいっぱいの野菜を買っている。ああ、こんな人たちもいるんだなあと、こっそり驚いていた。


 道中、Oさんが話した内容にもショックを受けた。ある日、店屋で仕事仲間と食事中、会話が屠殺の話になった。畜産業者から聞いた裏話などをしていると、横にいたカップルの女が「すいません、そんな話やめてもらえますか? 食事がまずくなるんで……」といったそうな。「もう、ビックリしちゃって」とOさん。なるほど、確かにTPOはあるかもしれないが、よくそんな傲慢な主張できるなぁ。と驚き同調。何の疑問も持たず激安ステーキの店へ並ぶくせに、この、不感症の多数派女め。


「いやー、もうみんなビックリしちゃってですねぇ……そういう風に思う人もいるんだなあと思って……」


 えっ、そーゆービックリ? 僕はまた違った感じで、憤りを想像してたんですが。カレーを食べてる時にウンコの話をしてるのとは、似ているようでまったく違う。といったような……。


 二重に驚いた僕は「こういっちゃあなんですけど、みなさん……浮世離れしてますねえ」といってみた。すると「オグラさんに言われたくありませんよ、ははは」と一笑にふされてしまった。


末筆失礼



オグラのヒミツ vol.84 忌野清志郎さんの話 はコチラから。
4コマ漫画 たじゃれアニマル Vol.20 鯉と虫 はコチラから。




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ライブ情報

7月25日(土)『子供のためのno media』
国際児童青少年演劇フェスティバル大阪2009での、詩の朗読と歌のライブです。
■会場:大阪市立芸術創造館大練習室
■開演:15:00〜 / 20:15〜
■料金:(大人)前売:1,500円 / 当日:2,000円
    (子ども)前売:1,000円 / 当日:1,500円
■出演:友部正人 / ★オグラ

くわしくはコチラから→国際児童青少年演劇フェスティバル大阪2009


6月27日(土)『地味な夜』
■会場:西荻窪CLOP CLOP 03-5370-2381
■開場 / 開演:19:00 / 19:30 
■料金:前売 / 当日 2,200円
■出演:★オグラ / ワタナベマモル / 知久寿焼

くわしくはコチラから→CLOP CLOP Webサイト