[2009年02月10日]
vol.79『種火問題の話』
女はなぜ種火を消さないのか?
ウチの風呂は追い炊きが出来る古いタイプなので、いったん種火をつけてから沸かしたり、シャワーを浴びたりしなければならない。次にすぐ人が入るなら、種火はつけたままでもいいかもしれない。しかしこの場合の「すぐ」は「ただちに」ということだ。
妻はのんびりしたタイプで、大阪育ちなのになぜかウチナータイムが内蔵されている。「すぐ入るからつけといて」というのでそうするが「すぐ」入ったためしはない。バスタオルを用意しながら違うことに気をとられ、ガスレンジを磨いたり、猫をなでたりして、いっこうに入る気配がない。もったいないので種火を消すと「すぐ入るのになぜ消すのか」といって怒る。
僕は風呂があんまり好きじゃない。めんどくさいので湯船の中で頭や体を洗う。時間にして5分位。なのでできれば最後に、汚く自由に入りたい。僕が後に入るなら問題ないように見えるかもしれない。しかし奴は、先に入るといいながら電話の子機を綿棒で拭いたりしているので、ついつい先に入ることになる。
だいたい種火をつけっぱなしにするというのは、とても古い悪習だと思う。「すぐ」入るにしても消しておけばいいじゃないか。沸かしたかったら次の人がまたその時点でつければいいし。一体なんのためにつけてるだか?
妻はリウマチなので指が思うように動かない日がある。そういう時はもちろんつけておくようにするが、奴は自分が出た後も種火を消さなかったりする。で、それを指摘すると「じゃあ、まあ消しとこうか」位なのだ。なんという危機管理能力の無さ。『じゃあ、まあ』とは何事だ、消し忘れたまま地震がきたらどうするんだ?と口論になり、結局「うるさーい」と種火問題は炎上してしまう。
僕も口やかましいジジイにはなりたくないのだが、どうしても気になってしまう。『なにも乗ってないコンロにずっと弱火がついている感じ』なのだ。実に不経済な話。おまけにつけっぱなしにしておくとお湯の表面が熱くなってくる。そのままほっといたら蒸発しちゃうんじゃないか、丸いとこが水面から出ちゃってカラ炊き、フタぐにゃ、火災、大爆発、と大いなる危険も感じる。
先日NHKでやっていたが、怖いと感じる脳の「扁桃体」は15歳を過ぎると男のほうが大きくなるらしい。おまけに心拍数も、女にくらべ男のほうが上がりやすいという。
無駄に燃えてる種火が気になり、僕の心拍数は限界に達し、身にせまる危険をも感じ消しにいく。すると奴は「火消し犬……」と人をさげすんだような目で見下すのだ。『こ、この野郎……、ホルモンの働きによって気持ちを落ち着かせやがって』と僕はやっきりする。
「なんで俺が火消し犬になると思ってるだ? だいたいお前はいっつも電気はつけっぱなし、ソースのフタだってしっかり閉めねえじゃねえか」
「あれはまだ次使うかもしれないからやんわりと……」
「やんわりとなんだよ」
「忘れちゃうの! 男のくせに細かい事ばっか!」
「うぎゃ〜〜っ!」
20代のころ一緒に住んでいた彼女も種火を消さなかった。親戚のおばさんちも消さない。よくウチへ遊びにきて、風呂に入っていくMちゃんも消さない。
女はなぜ種火を消さないのか? もっと扁桃体を働かせろよ…。
末筆失礼
「ハチマクラ」http://hachimakura.com/
オグラ ライブ情報
■日時:2月15日(日)開場18:00/開演18:30
■会場:渋谷SONGLINES 03-5784-4186
http://song-bird.net/songlines/
■チケット:前売2,300円/当日2,500円 (drink代別)
■出演:オグラ/辻 香織/樋渡兄弟(ナヲタカ〜ニバル&MAA)
※チケット予約できます。お名前、日にち、枚数を明記の上、メールを送って下さい。
ogurarara@dk.pdx.ne.jp
オグラ
(ミュージシャン)
プロフィール
1965年静岡県生まれ。高校生の時、ラジオで聴いた友部正人の歌に驚愕。1985年より「青ジャージ」というバンドで歌い始める。1992年バブル崩壊のあおりをくらい、メジャーデビュー目前にしてポシャる。青ジャージ解散。1993年「800ランプ」結成。インディーズより3枚のアルバム発表。その後、2001年800ランプ活動休止。2002年より自作の「インチキ手廻しオルガン」を廻しながら歌うスタイルでソロ活動開始。2006年2ndCD『オグラBOX 3枚組』(MIDI Creative)発表。
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