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レギュラーコラム オグラ

[2007年10月16日]
vol.60 『オグラの噂の話』

ogura_071010_60.jpg  先日、高校の同級生Yが静岡の飲み屋から電話してきた。


 Yとは今でも連絡しあう間柄で、ガヤガヤする中、他愛もない事をしゃべり『じゃあ、また』と切ろうとすると「ちょっと待ってみ、今、お前と同じ中学だった奴とかわるわ」と言う。


「え、誰?」と聞いたが、その声は店の喧騒にかき消された。


「……」


「もしもしぃ〜?、オグラ〜?俺、わかる?はしもと」


なんとなく懐かしいその声。でも、はしもと…?
と思いながらも瞬時に『ハッシー』という言葉が連想された。


「はしもとって……ハッシー?」と聞いてみた。


「そーそう、ハッシーだよ、はしもとハッシー。お前、ホントにオグラ?」


「お、おぅ、そうだよ。ハッシーって六中だっけ?」


「そうだよ、…ホントにわかってる?」


「わかってるよ、サッカー部のハッシーだろ?」


「俺、剣道部だよ」


「あぁ、そーか。で、高校はどこ行っただっけ?」


「お前と同じ清水工業だよ」


「ああ〜、情報科のハッシーか」


「バカ、俺、電気科じゃん」


「あぁ…そうだっけか…」


誰だこいつ…。


「昔、俺もバンドやるっつって、お前にバイオリンベース借りた事あったっけじゃん。覚えてねぇ?」


……まったく思い出せない。しかし、僕は確かにグレコのバイオリンベースを持っていた。


「だけど、お前ホントにオグラ?」


「そーだよ」


「マジ?」


「なんで?」


「俺…オグラ死んだって聞いたぜ」


わお、僕は死んでいた。


なんでも酒の呑みすぎで、肝臓を患い十年ほど前に死んでいるらしい。


そーいえば十年位前から、生きているような気がしない。「しまった! 死んでたのか」と思い、足もとを見た。


あれ?……足はちゃんとある。へんな形だがツメもついている。


電話はまたYにかわった。


「お前、地元で死んでるらしいじゃん」


「そのようですな」


「ハッハッハッハ〜」


電話を切ったあと、卒業文集を見てみた。ああ、ハッシーって、あのハッシーか。完全に思いだしました。おお、なつかしい、半分忘れててゴメン。 
……俺も生まれかわったつもりでがんばるわ。


末筆失礼

オグラのヒミツ vol.59『風情の話』はコチラから。 4コマ漫画 たじゃれアニマル はコチラから。


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