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レギュラーコラム オグラ

[2007年10月25日]
vol.61『オグラの単身赴任ツアー・秋』日記

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 近頃、ミックシィを始めてみた。「オグラ」という名前で日記を書いている。以下、先日のライブツアー日記を抜粋。


【10/2(火)単身赴任ツアー前日】
ためしに携帯で日記を書いてみる


いよいよ明日ツアー出発。
旅じたくが、よーやく終わり、近所のソバ屋で一杯呑んでいる。


何だか焼酎がやけに旨い。 明日早いし、もう帰ろう。


でも、あと、一杯のんでから帰ろう。


と思いつつ、もう6杯目。
ここ五時までやってるのに大丈夫か?
とまるだか?


この酒をとめちゃあイヤだよ酔わしておくれ… まさか


【10/3(水)単身赴任ツアー1日目】
昨夜はあぶない所であった。


あのあと、もう一杯たのんだが、強靭な精神力でなんとか切り上げ無事帰宅。


ベッドで円生師匠の『居残り差平次』。 古典落語の中でぐっすり眠った。


手廻しオルガンの小型化はやはり間に合わなかったため、今回もまた大荷物。 大変残念だが、豆太郎スペースがなく、連れて行く事を断念。
むこうを向いているスキにこっそり出発。


豆太郎は別便で京都からの参加となった。


それにしても重たいこの荷物、総重量およそ200t。 ちょいと小粋な新人ホームレスのようだ。


今夜は富士アニマルハウス。


【10/4(木)単身赴任ツアー2日目】
只今、移動中。


『昨日のライブは最高に盛り上がった』なんて文を読むと、『ホントかよ?』と、うたぐっていたが、あれはホントなんだなと思った。アンコールで♪海賊に〜♪をやった。急遽、対バンのOLD二匹ブラザーズがギターを弾き、客の若いギャルがドラムを叩いてくれた。


人生って、人が生(なま)って事だだな。


懐かしい友達も見に来た。「俺、最近ミクシィやってるだよ」と言うと「何それ?」と言われた。忘れかけていた静岡感のようなものがよみがえった。


CDも売れに売れ、残り五枚になってしまった。洗顔道具一式とドライヤーも忘れ、僕はどんどん軽くなる。


このまま、一番低い所までおりていこう、♪空に〜棒っきれを〜♪
突っ込んでやるんだ。


今夜は名古屋なんや。


【10/5(金)単身赴任ツアー3日目】
今回も、なんやの二階へ泊めてもらい、またまた朝食をごちそうになった。


なんやという店はホントに不思議だ。面白い人々がたくさん集まっている。打ち上げが楽しくて、あやうく朝まで呑むところであった。


店長に車で名古屋駅まで送ってもらう。外に出ると、あたりは、また夏にもどっていた。


海行こう、海。…じゃなかった、和歌山だ。


今夜は和歌山オールドタイム。


【10/6(土)単身赴任ツアー4日目】
ゆうべは店長が借りてるマンションへ泊めてもらった。久しぶりのシャワーだ。と喜んだが、お湯の出し方がわからず、冷水に打たれ苦行。


只今、大阪へ移動中。


昔、若いディレクターのH君と大阪へキャンペーンに来た事がある。大阪に着き、地下鉄に乗ったとたんH君の口調がおかしくなった。


「やっぱり大阪は、ガラッと空気がかわりまんなぁ」


「あっ、何その喋りかた?」


「いや、ついこうなってしまうねん」


お前、そんな感じじゃなかったろう?と思いながら、会話をはずませないようにした。しかし、H君はその後も、変なイントネーションで喋りつづけた。なかなか可愛い奴であった。


今日はついにヒポポタマス。


昨日、対バンしたドラマーの辻ちゃんが、「どうしても手廻しオルガンの謎が気になる」といいライブに来るそうだ。僕は動員の方が気になります。さぁ、いったいどーなる?


今宵は大阪ヒポポタマス、ワンマン!


【10/7(日)単身赴任ツアー5日目】
ここはどこだ?


また、呑みすぎたようだ。


朝、目覚めると横に見ず知らずの女が寝ている。


「…君、誰?」と顔をのぞきこむと上沼恵美子だった。


うわ〜っと驚き目が覚めた。


昨日はヒポポタマス横のホテルへ宿泊。


心配された動員も、少しだけ格好がついた。有山さんも奥さんと来てくれた。アンコールで、有山さんと『ゆっくりサンシャイン』をやった。突然のお願いにもかかわらず、ギターを弾いてくれた。


有山さんが帰った後、店長に今回のブッキングの裏話を聞いた。有山さんのやさしさに思わず落涙。そして海より深く感謝。


今日はオフ日。丸太のように眠ろう。


【10/8(月祝)単身赴任ツアー6日目】
昨日はCDが一枚も売れなかった。


なぜだ?


ライブがなかったからだ。


さすがに疲れた。昨夜は呑まず、ミナミをブラついて、タコ焼きを食べた。


別便でやって来た豆太郎とも無事合流。雨がパラついているが、今から古本市へ…。東京から荻原魚雷君も到着している。絵本の残り18冊と、密かに発注していた『豆太郎ピンバッヂ』を販売。


半年ぶりのご無沙汰でした。今夜は京都まほろば、ワンマン。


【10/9(火)単身赴任ツアー7日目】
昨日昼間
曇天模様の中、古本市が決行された。豆太郎もはりきって店ばん。


昨日夜ライブ
まほろばのお客さんは皆、暖かい人達であった。これも企画者、扉野さん(お坊さん)の人徳のおかげか。ステージ上の豆太郎にもコーラスさせようとしたが、やはり無口。


こっちに来る途中、豆太郎は喉にケがをしてしまった。心配なので別便で自宅へ連れ帰ってもらう事に。魚雷くんも東京へ戻って行った。


今日は扉野さん宅でもう一泊させてもらう。


昼間、小粋なカフェーでチャイを飲んでみた。やはり自分ひとりが浮いているようで少々恥ずかしい。


只今、コインランドリーで洗濯中。廻せ、廻せ!音楽とは回転である。


【10/10(水)単身赴任ツアー8日目】
今日は何曜日だろう?曜日の感覚がなくなっている。


朝7時
京都からJR山陰本線に乗る。通勤ラッシュで、おびただしい数の学生にかこまれた。手廻しオルガンを頭の上にかかえ、一歩も身動きとれず。


こんな時、豆太郎がいてくれたら…。ヤツを抱いてニヤニヤしていれば、周りはすくであろう。


金がないので、すべて鈍行電車の旅。時間はかかるが、人々の言葉がかわっていくのが面白い。


ここ数日、一切の音楽を聴きたくなかった。


よく思うが、町にはなぜあんなに曲が流れているんだろう?混ざり、打ち消しあい、とても気持ち悪い。やはり本当の意味で音楽好きは少ないのかもしれない。


山間を走って行くにつれ、久しぶりになんか聴きたくなってきた。


ヘッドホンからMe & Bobby McGee


今夜は鳥取倉吉ラ・キュー。


【10/11(木)単身赴任ツアー9日目】
ホテルで目覚め、カーテンをシャッと開けた瞬間「やったぜベイビー」と、つぶやいてしまった。


まさか自分の人生の中で、そんな独り言をいうとは…。


恐るべし倉吉ラ・キュー。来てくれた人々に感謝。


店長はとても楽しい女性で、笑顔の中に正しいロック感のようなものが残っていた。世の中、同じような歌ばかりでつまらないとも言っていた。


「薔薇と孤独とビッグバン!」をほめてくれた。そういう人が、もっとたくさんいれば新幹線で移動できるのに。と笑った。


打ち上げのイカの旨さと、方言が静岡に似ているのに驚いた。後半はエロ話で盛り上がった。また店の写真を撮り忘れてしまった。


今夜は島根ユーラス。


【10/12(金)単身赴任ツアー10日目】
行きあたりばったりでその日の宿を決めている。


昨日昼間。
松江駅に着き、格安ホテルの看板に電話してみたが、どこも満室だという。平日の昼間なのに…と、ロビーの人に聞いてみると、和牛まつりの大会があると言う。


なんだその大会?と思いながらも焦ってカートを転がしていたら、左のタイヤが外れてしまった。


観光案内でパンフレットをもらい、やっととれたホテルにチェックインして、大荷物を担ぎライブハウスまで歩いて行った。


対バンの青年にその姿を見られ「車で来ると思ってたのに…」と驚かれた。


リハを済ませて、カート探しに町を歩きまくった。なかなか、ちょうどいいのがなくて、サティならあるかもしれないと訊き、行く事に。


途中、お婆さんが連れた犬に吠えまくられた。速足で逃げたが、吠えながら追い掛けてくる。お婆さんも「コレコレ!」と止めようとするが、力が弱く引っ張られてしまう。結局、犬とお婆さんはサティまでついてきた。


そんなこんなで、昨夜は疲れがピークに達し、ライブ終了後、すぐにホテルへ戻った。


のんびりした旅に見えるが、毎日やることがたくさんあり、移動中もなかなか眠れない。


今日は一日かけて山口へ行けばいいので、この旅初めての空き時間ができた。どうにかカートをなおし、駅のそばの宍道湖まで行ってみた。オツなソバ屋で『わりごそば』というのを食べた。旨い。


実は、電車の中でこの日記を打っている途中、電話の充電が切れてしまった。


ふと見ると、車両の一番うしろに差し込みがある。しめた!と思いフタを開け充電機を差し込んだ。電車から電気を盗んだ訳だ。心なしかスピードが少し遅くなったような気がした。


しかし、それでは足りず、乗り換え駅でまた充電が切れた。乗り換えまで一時間以上あるので、駅員に相談してみると、乗務員室でやってくれるという。ぬすっとにも親切な益田駅の駅員さん、ありがとうございます。


今日は7時間も電車に乗っていたので、たくさん書いてしまった。


【10/13(土)単身赴任ツアー11日目】
昨夜から湯田温泉のライブハウスの二階に泊めてもらっている。ここは噂どおり、温泉街の真ん中にある。浴衣を着たおじさんが平気でウロウロしている。


二階の部屋も快適で、昨夜は10時間眠れた。ありがたい。


昼間、目と鼻の先にある、中原中也記念館へ行ってみた。中原中也がランボオを訳した手書きの草稿があった。それは勢いやリズムがなく、いまひとつな感じだった。


「幸福」という詩の後半に


『私が何を言ってるかって? 言葉なんぞはふっ飛んぢまえだ!』


という所がある。


草稿を読むことで、この言葉をつかんだ時のよろこびが感じられた。でも、当人が生きていたら「あんなの見せるなよな〜」って言うかもな。


ダダダダダ〜


今夜は宇部市DUO。


【10/14(日)単身赴任ツアー12日目】
風邪気味。


ルル飲んでルンルン気分。


廻せ、廻せ!目を廻せ!


さあ、行こう。


本日最終日
湯田温泉オルガンズメロディ。


【10/15(月)単身赴任ツアー終了】
『全ての人々にありがとう…』


なんて文を読むと、ホントに感謝してんのかよ?と思っていたが、あーいうのは本当なんだな、とわかった。


最終日に鼻風邪をひいてしまったが、なんとか歌いきり、きらきらタイムスという女の子バンドと一緒に「ゆっくりサンシャイン」を演奏して、このツアーは幕をとじた。


アニマルハウスつるさん、スタッフの方々、対バンの皆さん、OLD二匹ブラザーズ、ドラムの女の子、花沢、みつる、みかちゃん、竜ちゃん、身内の皆さん、なんやぷよさん、奥さん、スタッフの方々、寺島さん、A-KENさん、のうやくくん、たけしさん、まなぶさん、ちかこさん、中川さん、古川さん、山口さん、オールドタイム松本さん、対バンの皆さん、ハナジリさん、シンスケさん、岩崎くん、浜松さん、タカタくん、ヒポポタマス辻本さん、有山じゅんじさん、奥さん、おさむくん、芽久ちゃん、まめっち、辻ちゃん、まほろば和田さん、扉野さん、近代さん、荻原魚雷くん、四坂さん、久保田さん、小山義司さん、佳代さん、フクさん、やはぎさん、幸田さん 、伊東さん、ラ・キュー杉原さん、いそえさん、山影ちゃん、小椋さん、小鉄くん、ユーラス東井さん、スタッフの方々、対バンの皆さん、益田駅員さん、DUO、6738、第3勢力、オバっち、オルガンズメロディ英三さん、ゆきさん、まだらさん、KNOTSさん、きらきらタイムスの皆さん、篠やん、この日記にコメントをくれた方々(なかなかリアクションできなくてすいませんでした)、そして来てくれた全てのお客さん。


以上の方々、ひとりひとりに深い感謝と握手を送ります。


ああ、終わった。
終わってしまった。


さてと、 天気もいいし、このままどっか行っちゃおうかな…?


mixi オグラ【http://mixi.jp/show_friend.pl?id=716673】


末筆失礼


オグラのヒミツ vol.60『オグラの噂の話』はコチラから。
4コマ漫画 たじゃれアニマル はコチラから。


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[2007年10月16日]
vol.60 『オグラの噂の話』

ogura_071010_60.jpg  先日、高校の同級生Yが静岡の飲み屋から電話してきた。


 Yとは今でも連絡しあう間柄で、ガヤガヤする中、他愛もない事をしゃべり『じゃあ、また』と切ろうとすると「ちょっと待ってみ、今、お前と同じ中学だった奴とかわるわ」と言う。


「え、誰?」と聞いたが、その声は店の喧騒にかき消された。


「……」


「もしもしぃ〜?、オグラ〜?俺、わかる?はしもと」


なんとなく懐かしいその声。でも、はしもと…?
と思いながらも瞬時に『ハッシー』という言葉が連想された。


「はしもとって……ハッシー?」と聞いてみた。


「そーそう、ハッシーだよ、はしもとハッシー。お前、ホントにオグラ?」


「お、おぅ、そうだよ。ハッシーって六中だっけ?」


「そうだよ、…ホントにわかってる?」


「わかってるよ、サッカー部のハッシーだろ?」


「俺、剣道部だよ」


「あぁ、そーか。で、高校はどこ行っただっけ?」


「お前と同じ清水工業だよ」


「ああ〜、情報科のハッシーか」


「バカ、俺、電気科じゃん」


「あぁ…そうだっけか…」


誰だこいつ…。


「昔、俺もバンドやるっつって、お前にバイオリンベース借りた事あったっけじゃん。覚えてねぇ?」


……まったく思い出せない。しかし、僕は確かにグレコのバイオリンベースを持っていた。


「だけど、お前ホントにオグラ?」


「そーだよ」


「マジ?」


「なんで?」


「俺…オグラ死んだって聞いたぜ」


わお、僕は死んでいた。


なんでも酒の呑みすぎで、肝臓を患い十年ほど前に死んでいるらしい。


そーいえば十年位前から、生きているような気がしない。「しまった! 死んでたのか」と思い、足もとを見た。


あれ?……足はちゃんとある。へんな形だがツメもついている。


電話はまたYにかわった。


「お前、地元で死んでるらしいじゃん」


「そのようですな」


「ハッハッハッハ〜」


電話を切ったあと、卒業文集を見てみた。ああ、ハッシーって、あのハッシーか。完全に思いだしました。おお、なつかしい、半分忘れててゴメン。 
……俺も生まれかわったつもりでがんばるわ。


末筆失礼

オグラのヒミツ vol.59『風情の話』はコチラから。 4コマ漫画 たじゃれアニマル はコチラから。


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