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レギュラーコラム オグラ

[2007年05月12日]
vol.53 『単純とそうでないものの話』

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 自分が単純かそうでないかは、青春時代からの大問題だ。


 僕のまわりでは、昔から単純な方がかっこいいという風潮があった。理屈っぽいのはネガティブで、OH Yeah! がロックンロールだということになっていたように思う。


 いったい僕はどっちなんだろう。理にかなったことだけがいいわけじゃないし、わかりやすいものだけがすぐれているわけでもない。結局、どちらにも寄りかかれず、いつもゴチャゴチャ考えてしまう。おまけに歳を重ねれば重ねるほど、答が何通りも出てしまうのだ。


 若い時分は猫の去勢に反対だったが、今はするしかないとも思う。年間おびただしい数の犬と猫が殺されているのに、なぜペットショップがあるのか? 増やす奴と買う奴とプレゼントとして受け取る人々を説得してまわるのもいいだろう。そして、本当に猫好きならば、はじめから飼わないというのもひとつの道だ。しかしまた、自分に出来ることから始めるというのは、自分に都合のいいことなんだろうとも思う。


 と、こんなことをゴチャゴチャ考えながらも、手についたポテトチップスの油は、そばにいた猫で拭いている。


 僕の音楽は時に難しいと言われ、時には子供っぽいとも言われる。ライターで、友人の荻原魚雷くんは「オグラの曲には、『ひらがな』と『漢字』の二種類がある」と言う。呑んでる時の会話なので、細かくは憶えてないけど、これはとても面白い言い方だ。人間は単純とそうでないものを同時に持っている。こんなあたり前のことを、人との会話で気づかされる時がある。そして、魚雷くんの言葉は「オグラBOX 3枚組」をつくる上で参考にもなった。


 一枚に収まる楽曲をわざわざ3枚にした理由。「青盤、赤盤、白盤」は「ひらがな、カタカナ、漢字」であり、「子供、青年、老人」または「単純と、そうでないものと、またさらに違うもの」なのかもしれない。人間の中には様々な感情が渦巻いている。そしてたぶん、誰もが自分を使いこなせていないだろう。


「それにしても売れないこのCD……なんでここまで売れねえんだろう? ……やっぱ分厚すぎるのかな、それとも……えーい、めんどくせえ、だったら、こっちから売りに行こう」


 と、いう訳でツアーに行きます、これは単純でいい考えだ。


 あざみ野、名古屋、和歌山、大阪、京都のあなた、ヨロシクどうぞ(詳細は↓ライブ情報)。


末筆失礼