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レギュラーコラム オグラ

[2006年12月07日]
vol.47キューピッドの話

12月、クリスマスの飾りが人々の心を焦らしている。


電飾風情の町を歩いていて、ふと思い出したが、その昔、僕はキューピッドになった事がある。


今からおよそ15年程前。20代のある夕方、建築現場のバイトが終わり、駅に着き改札を出ようとしたら、若い女が待っていた。彼女は思い詰めた表情で近づいて来る。手には手紙を持っている。


こ、これは、もしかして…。
その頃、僕は青ジャージというバンドをやっていて、ライブハウスだ、学園祭だと、自分にしてはけっこう精力的に活動している時期でもあった。手紙なんかも、たまにはもらっていた。


「あの〜、すいません…」


「お、おれ?」


「はい、あの〜、青ジャージのオグラさんですよねぇ」


「うん、そうですが…」


「あの…」


「なんでしょ?」


「実は…」


「……」


「すいません、この手紙、Sキチさんに渡して下さい!」


「わお。」


説明すれば、こういう事だ。『Sキチ』とは『Hくそ』という異色バンドのボーカルであり、青ジャージとHくそは『AK攻撃』というライブを定期的に企画しているような、つまり、簡単にいうと、つれバンドなのであった。


彼女がいうには、近頃、Sキチ君と連絡がとれなくなってしまい、困っていると。で、おそらく仲がいいであろうオグラがこの駅に住んでいるのを知っていたので、改札で待っていた。ついては大変、ぶしつけなお願いではあるが、会う時でかまわないので、この手紙をSキチ君に渡してもらえないだろうか?


と、まあ、こんな話であったと思う。


なるほど、そういう事ですか。僕はまた、てっきり追い風に乗ってしまってるんじゃないかと……いや、いや、でも、Sキチ君とはいつ会うかわかんないし…そういうのはやっぱり直接、当人に……。


なんて事を思ったり、言ったりしながらも、結局、ことづかってしまった。


『ま、こんど会った時、渡しゃいーか』と軽く考え、何日かが過ぎた。しかし、ことづけというのは意外と気になるもので、しかも、しばらくSキチに会う予定は無いし、なんか、こう、めんどくさいので電話してみる事にした。


事のなりゆきを説明すると、彼女のことはわかるという。じゃあ、この手紙いつ渡そうか?と、聞くと、しばらく考えたあと、今、開けて読んでくれという。


そんなの絶対イヤだ、と断ったが、忙しくてとりに行けないとか、気になるから今、知りたいなんて頼み込まれ、結局、読むハメになってしまった。なんで自分が…と思いながらも封を切り読んだ。


「突然こんなことしてゴメンナサイ。でも、あの時Sキチ君が言った○○○○○の○○○○は私にとって○○○○○○○…。」


「うん、で?」


「私も○○○○の○○○○は○○○○なので…」


「うん」


「貴方が○○○○○に○○○○○○ったような…」


「うん」


「…おい、いちいち相づち打つのやめてくんない?」


「あ、悪ぃ、で?」


「もしも○○○○○だったら○○○○○より○○○○○の方が○○○○○○○○私
○○○○○○○○貴方○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○×××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××…………」


「ちょっとオグラ〜、もうすこし感情こめて読んでくれよ」


…ひっぱたくよ、おい


末筆失礼


【オグラメール係より】
〜『オグラの出産』ライブ後、オグラメールにアンケートを送ってくれた方々へ〜
端末に不具合があり、せっかくいただいたアンケートのデータが消えてしまいました。誠に恐れ入りますが、こころあたりのある方は御一報下さると助かります。申し訳ありません、お願いいたします。