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レギュラーコラム オグラ

[2005年11月17日]
vol.39『酩酊の話』

 
久しぶりに記憶がない。酒を呑んで記憶をなくすという事はもう何年もなかったのだが…。


先日、結婚パーティーに出席し、渋谷でちょっと呑み、そのあと下北沢でマスオカ君(ペリカンオーバードライブ)と4軒ハシゴしたようなのだが、そのうち3軒をまったく憶えていない。


翌朝、家で目を覚ますと横にマスが寝ている。『お? なんでこんな所にマスが……ま、いいか』。気持ち悪くてゲロゲロ吐き、また眠った。 次に目覚めると、もう、やつの姿はない。 夢だったのかな? 昨日は、えーと、結婚パーティーへ行って、そのあと渋谷で呑んで、そいで、そのあと下北で……。どうしたっけ? ま、いいか……いいか? あれ? ぜんぜん思い出せないぞ、わお、大丈夫かな? なんかしでかしたんじゃなかろうか?


記憶がないという事は、完全に酩酊状態。僕は酔いすぎると、物事を複雑にしてしまい、自分では頭脳明晰のつもりが、人にはクドクドとつまらない話をして相手の気分を沈ませる。という悪癖があるようで。 なんか迷惑かけたんじゃないか? いろんな人と喋ったような気もするし、なぜだかワイシャツはびしょ濡れだし……例の『不安定な気分』なんてもんじゃなくて、なんか、こう、恐い。


マスオカに電話してみた。


「オグラだけど、寝てた?」


「ん〜、寝てた」

「昨日、どうしたっけ? 下北で1軒行って、そいで帰ったっけ?」


「あれ、憶えてないの? 1、2、3、…4軒ハシゴしたよ」


「え〜? ほ、ほんとかよ? 誰かに迷惑かけたかな?」


「人に迷惑ってのはないけど…」


「けど、なに?」


「最後の店に、なんか、ほら、知らない女がいて…」


「え〜〜? 全然憶えてないよ。 その女になんか悪いこと言ってた?」


「いや、そーゆーのじゃなくて……うん……ま、いいか」


「よくない! なに? なんだよ?」

「え〜?……なんか、抱きついたりして、『やめて下さい』なんて言われて…」


OH! 終わった。 実りの少ない人生だったが、それなりにがんばってきた。しかし、僕は、もう、ダメだ。すみやかに故郷へ帰り、缶詰工場で働こう。そうと決まればさっそく荷物をまとめて…と思っていると。


「ギャハハハハハハッ。ウソだよ」


まったく、なんだコイツは。 あれか?マンモス一件の復讐か? それにしてもずいぶん上手じゃないか。 寝てたんだろぉ? 寝起きがいいにも程があらぁ! このカッパ虫ゃ。


やはり人にウソをつくと、そのぶん、倍で返ってくるという事なのでしょうか。しかし、スグまにうけたって事は、しかねないって事か? 自分をうたぐるのもホドホドにしなくては…。


末筆失礼