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レギュラーコラム オグラ

[2005年09月20日]
vol.37『CM音楽の話』

 
前の晩ジグザグに酔っ払い、朝、ねぼけ半分にテレビつけると、聞きおぼえのあるメロディ…。


プーさんのハッピーセット? わお、これは僕が作った曲ではないか。


思い起こせば去年の暮れ、突然、一本の電話が鳴った。女の人の声で『○○○の○○と申しますが、マクドナルドのCM音楽をお願いできないでしょうか?』という。 訳を聞くと、レコード店で僕のCDを買い、手廻しオルガンの音色が気に入った、その手廻しオルガンで一曲作ってくれないじゃろか?ということだった。


僕の場合、凶暴な曲もあるが、メロディだけなら穏やかなものも多い。そいつぁ面白そうだってんでふたつ返事で引受けようと思ったが。


「メロディは作れると思うんですが、実はその、あの手廻しオルガンはインチキなんです。」


「????…。 インチキといいますと…?」


「つまりその、本物じゃなくて、自分で作ったインチキ手廻しオルガンでして」

「????…。 あのCDの音はオグラさんが作ったんですよねえ?」


「はあ、まあ、そうなんですが、デジタル音源で…。」


「楽器は持ってらっしゃらない訳ですか?」


「いえ、持ってます。インチキですが、紙がにゅる〜っと出まして…。」


「紙が…?」


「出ます。」


「????…。 で、でしたら、それを弾いてもらって…」


「いえ、あの弾くというより、廻すほうでして…」


「????…。」

そりゃあ、わかるわけないよ。説明してるこっちだってよくわかんないんだから。


つまり僕の楽器はハンドメイドのデジタルインチキ手廻しオルガン。 で、本物も別に指で弾くんじゃなくて、穴の開いた紙を差し込んでいって、手廻しハンドルでフイゴを動かし、その風でパイプから音が鳴るという、いにしえのヨーロッパで流行した自動演奏楽器。 で、僕のはパイプというよりデジタルで、いい音色には間違いないんだけど、あっ、でも、紙はにゅる〜っと出てきて……。


ん〜、なんとも説明しがたい。 で、まあ、見てもらったほうが早いだろうと、事務所に持ってって盛大に廻しました。 向こうの方々も『ハハハ、なるほど』と納得し、手廻しオルガンで一曲、カントリーっぽいのを生音で一曲、作った。


この説明しがたきナゾの楽器。知ってる人は知ってると思いますが、気になる人はライブにお越し下さい。行けないよという人は来月のキティちゃんバージョンで…。


末筆失礼