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レギュラーコラム オグラ

[2004年12月16日]
vol.27『友部さんの話』

 
 友部正人というミュージシャンがいなかったら、歌を歌おうと思わなかったかもしれない。


なんて事をいう人はたくさんいると思うが、実は僕もそのひとりです。 運命的な出会いは18歳の頃だったか、FMラジオから『一本道』が流れて来た。


「うあ〜、何だこりゃあ! アメ〜ジング!」


ディスクジョッキーはフォークソングだと紹介したが、こんなソング今まで聴いたことがなかった。ピストルズ以来の衝撃だったといえる。とにかく、その声に驚いた。

 この人はいったい何歳なんだろう? 少年のようでもあり、老人のようでもある。『中央線よ空を飛んで あの娘の胸に突き刺され』ってどーゆーこっちゃ? しかしその歌が、分別のつかないヤワな18歳のハートに突き刺さった事は確かなようでござった。


不思議な歌だなあと思ったけど『たずねてみても誰も答えちゃくれない だから僕ももう聞かないよ』ってとこがなんだか好きだった。 スッキリするような気もしたし「そ〜か、そんな言い方してもいいのか」って感じもした。 うまくいえないけど、この歌が上手に言ってくれてる。


数年前の夕方、町を自転車で走って行くと「オグラくん!」という声がする。見ると仕事帰りの友人ウガちゃんが焼き鳥屋で呑んでいる。「お〜、ウガちゃんひさしぶり〜」「オグラくんあいかわらず きたねー格好してやがんなあ」「何でこんなとこに居んの?」なんて言いながら、そいじゃあ、せっかくだから一緒に呑もうってことになり、瓶ビールを注文した。 他愛もない話をしながらだんだん酔っ払ってきて、友部さんの話題になった。

ウガちゃん「俺は、あのおかしの歌きくと、もう、涙ドワ〜ッだよ」


オグラ「おお! 俺も、俺も、」


(友部さんの曲で『ある日ぼくらはおいしそうなおかしを見つけた』というのがある。)


ウガ「あれいいんだよ〜」


オグ「いいねえ〜、20代はヘビィローテーションだったよ」


ウガ「Bメロんとこがいいんだよ、Bメロのあそこ…」


オグ「どこどこ?」


ウガ「『ヨーロッパで〜大量の〜』で、もう、ドワ〜ッだよ」


オグ「おお! お〜? あ、俺そこじゃねえや」

ウガ「ウソ、どこ?」


オグ「『あ〜とから〜、あ〜とから〜』」


ウガ「おお!おお!『涙だけが〜あふれ出てきた〜』」


二人「『ぼくらは〜いつのま〜にか〜おかしの〜においに〜なっていた〜』」


ウガちゃんはその部分を何度も何度も歌った。僕は本当に泣きそうになった、いや泣
いてたかもしれない。


参考までに言っとくとその友人は勝新と小池栄子ちゃんに似ている…。


末筆失礼


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