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レギュラーコラム オグラ

[2003年06月13日]
vol.8『スポーツレスとコインシャワー』

 
 えー、アイ アム スポーツレスである。

子供のころから野球に夢中んなった記憶もなければ、プロレスラーめざして日々、野山を駆け回ったって事もない、オリンピックなんて見たこたぁないのです。人間って不思議だなあ。人はどうして人を見に行くんだろう?猫はわざわざ猫を見に行ったりしないのになあ。あっ、でも集会ってのがあるのか…。

 で、突然コインシャワーの話ですが、昔はちょくちょくこれを愛用してまして、百円のみで全身洗浄に挑んでいた。百円入れて、五分間お湯が出る。止めてる時はノーカウントだから、まめに止めちゃあ体を洗う。だけど最後に頭を洗い流す所でいつもゲームオーバー。しょうがないからもう百円入れるんだけど、四分ほどが無駄になってしまう。

僕の作戦はこうだ。まず頭から全身を濡らし、スグ止める。つぎに足から上へ上へと洗って行き、首まできたらシャンプーして、目にたれてくる前に、急いで耳を洗い、ヒヨコを洗い、最後に顔を洗い、そしていっきに流してスグ止める。この時点では、まだかなりの時間が余っている。

髪の毛、ヒヨコ、顔の二度洗浄はなんとしても死守したい。って事でまたそれらをソープし、そして流してスグ止める。で、いよいよ最後にリンスして流すんだけど、どうしてもここで赤いランプがピッっと消えてしまう。

いったいどこに落度があるんだろう?タイムを縮めようとひたむきに奮闘してるじゃぁないですか?

 未解決のまま日々は過ぎ、ある冬の晩、意外とあっさり大勝利。

いつものように第一、第二洗浄をした後『そして流してスグ止める』を『そして適当に流してスグ止める』に変えてみた。だって最後にリンスしてもう一回流すんだから、何もここで念入りに流さなくたっていいんだよ。なんだ、こんなに簡単な事だったのか!。世紀の大発見なんてのも、意外とこんなもんなのかもしれないな。

リンスを流し終えたとたんにピッっと止まり、アイ アム スポーツレスであるが、生まれて初めてガッツポーズした。

記録達成の素晴しい瞬間をなぜ誰も見に来なかったんだ?猫も来てなかったみたいだし…。
末筆失礼

[2003年06月06日]
vol.7『C&Oパラドックス』

 
 えー、とある晩秋、今だ天動説を実感しながら散歩してますと、商店街に奇妙な看板
アリ。

いわゆるスタンド看板ってやつでして、アクリル板にでっかくカレー』とあり、そ
の横に小さく細長い紙で『おでん始めました』と手書きされている。カレー屋におで
んか…パリジェンヌとサムライが恋におちてカクテルなド根性ってことかな?と思い
通りすぎる。

帰り道、またそこまで来て奇妙な感覚。さっき見たはずの看板が『おでん』になって
いる。あれ?カレー屋じゃなかったっけ?。で、よく見ると裏はやっぱり『カレー』、
細長い紙で『おでん始めました』。こっち側は『おでん』、で、同じように細長い紙
で、なんと『カレーもあります』。

んー?ってことはあれか、カレーをメインにやってた店がおでんも始めたことになる
けど、その裏側はおでんがメイン、カレーはあくまでも細々と、って印象になってし
まっているぞ。おまけにその看板は、つい最近、発注しました、ってくらい新しいと
きた。

「こう、不景気じゃどうしょうもないよ、ひとつ看板でもリニューアルして、ついで
に自分もふたつ、みっつ若返っちゃおう」と思った店の主人はタウンページをパラパ
ラめくり、業者へ電話。

「とにかく四十年、カレーでやってきましたからねえ、できるだけ大きな字でカレー
として下さい。」「へい、で、もう片面はどういたしましょう?」「おっ!そいじゃ
あちょうどいいや、最近始めたから、おでん!おでんでいきましょう。」

 しかし納品された看板を見たおかみさんは「これじゃあなんだねえ、左から来た人は
カレー屋、右から来た人はおでん屋だと思っちまいやしないかねえ。」「うるさいね、
お前は、思ったっていいじゃねえか、四の五のいってると棒でたたくよ。」

「…どうして、ああバカなんだろうねえ、あの人は、カレーと一緒に煮込んでやろう
かしら。」

なんていいながら、そこは目が横に切れてるおかみさん、あくる朝、戸棚へ頭突っ込
んで、紙とマジックを…。

 そして、このC&Oパラドックスが起こったんだな、と思いながらひとり微笑していた
って訳でして…。

末筆失礼