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レギュラーコラム オグラ

[2003年05月30日]
vol.6『ジーンズの話』

 えー、アイアム ジーンズレスである。

色気づいて、自分で服を買うようになってから、一度も、このブルージーンズっても
のを買ったことがないのです。

 まあ、こんな都会に暮らしてるとマムシが出る心配もないし、第一、全然似合わない
んですね。これが…。昔、楽屋で、ふざけてメンバーのブルージーンズを履いてみた
りしたんだけど、なんか、こう、似合わない…。どこが、ってわけじゃないんだけど、
根本的になんか、おかしい。

 で、じゃあスクールボーイのころは何を履いてたかっていうと、これがモンペ。裾が
すぼまってるシルエットが好きなんだな。農家の友人におばあちゃんのお古をどっさ
りもらって、無邪気に履きこなしてた。モンペといってもカスリじゃなくて、ジョン・
ライドンばりのストライプ。いい配色の柄をたくさん持っていた。だけど、いつまで
もモンペ履いて学生気分じゃいられない。もう大人なんだし、ここはひとつ、小粋な
マンボズボンかなんかないかな?と思って町の古着屋へ出かけると、ブルージーンズ
の大量恐怖。こんなにたくさんの店があるのに、ブルージーンズを履いた客が、ブルー
ジーンズを履いた店員に、ブルージーンズから出した、ブルージーンズ財布で、ブルー
ジーンズを買っている。…二本も。この臆病者め、そんなにマムシが怖いのか?見れ
ば店中、町中ブルージーンズを履いた人ばかり。

じゃあ、もういいよ、ズボンなんか履かず、下着で暮らしてやる。と開き直って、家
から一歩も出ずに、歳をとっちゃう、という訳にもいかないので、もう、ずっとニッ
カーボッカーを履いてる訳です。

裾にできるシワがいいし、履いたようすがいなせだし。まあ、職人でもないのにちょっ
と無礼かな?と思うけどバイトで現場経験も多少あるし、ファッションってゆうのは
平民が貴族の服を着た瞬間から始まった、ってNHKで言ってたから、それはある程度、
仮装だなと思い、昼間っからニッカ履いて喜んじゃってる訳です。

ところがこのニッカ、無地ならいくらでもあるくせに、チェックというか、柄物が極
端に少ない。あーあ、ストライプのニッカが欲しいなあ。なんて思いながら、今日も
猫背を運搬する…。
末筆失礼

[2003年05月23日]
vol.5『音楽とメシ』

 
 えー、今はCDが売れない時代だなんていって、音楽だけでメシを食うというのはどう
やら大変なことのようで。

ライブのギャラも、CDのわずかな印税も、スタジオ代やらなにやらで、あっとゆーま
に消えうせる。だから僕みたいなミュージシャンはサイドビジネスに手を出さなきゃ
ならない訳でして。思い起こせば、まあ、いろんなサイドビジネスに手を染めた。穴
の中へ入ったり、高い所へのぼったり、バイクで走り回ったり、血を抜かれたり、ポ
ジフイルムを切ったり貼ったり、そうかと思えば棒を持って一日中、立ってたり…。

楽器かかえて遊んでたから、青春は興行的に大失敗。中途半端なヒモ野郎。

 あーあ、音楽だけでメシが食えたらなあ。なんてことを考えながら猫を撫でてると、
あーっ!ひ、ひらめいた!なんでこんな簡単なことを思いつかなかったんだ、シンプ
ルで素晴しいグッドアイデア。

 つまり僕の作戦はこうだ。『ライブのギャラで米を買う』こ、これだ。そうすれば
「オグラくんって音楽だけでメシ食ってるの?」って聞かれた時に「ああ、もちろん
。」って答えられるぞ。そのあと、ちっちゃな声で「おかずは違うけどね。」って付
け加えとけば真実のみを語ってることになる。二千円も出せば5kg買える、いくらな
んでもギャラが二千円ってことはないから、米だけならいくらでも買えちゃうじゃな
いか。

で、さっそくこの前のギャラを袋ごと持ってって、あきた小町を買ってきた。昨日ま
では鳴かず飛ばずの僕が、今や音楽だけでメシを食うミュージシャンになりました。
だけども、こんなに簡単なアイデアなら、とっくに人も思いついてるはずだ。さては
プロだなんていってる人たちもみんなこの手だな、不景気でCDが売れない時代なんだ
から。

 もし「音楽だけでメシ食ってるの?」って聞いて「まあね。」なんていう人がいたら、
そのあと、よく耳をすましてごらんなさい。悲しい小声が聞こえてくるかもしれない
よ。
末筆失礼